【企業研究】読売広告社(読広)の強み・特徴・経営戦略は?

今回は総合広告代理店として国内7位の読売広告社の企業分析を紹介します。

「読売」という名前が社名に入っていますが、実はあの読売新聞グループとは無関係で、会社発足当時に読売新聞の広告枠を扱っていたことからこの社名になったそうです。

また、2003年には博報堂と大広と経営統合を行ない、博報堂DYホールディングスとなったことでも話題となりました。

広告代理店といっても日本においてたくさんありますが、いまいち各会社の違いやどこに強みがあるのかがわかりにくいですよね。

そこで今回は、この記事を読めば企業研究が済んでしまうぐらい分かりやすく、企業情報や事業内容・財務状況といった側面から読売広告社がどのような会社で、他の代理店と比べてどこに強みがあるのかを解説します!

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1.読売広告社(読広)の強み

ズバリ、読売広告社が強みを持つ領域は不動産業界です!

読売広告社は大手不動産のクライアントを多く持ち、新築分譲マンションの広告は業界ナンバー1と言われています。長年にわたり不動産領域にてノウハウを蓄積し、そのスキルは都市開発へのコンサルティングなどの分野にも活かされています。

詳しくは記事の後半でお伝えいたします!

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2.読広の会社概要

社名:株式会社読売広告社
創業:1929年(昭和4年) 6月1日
設立:1946年(昭和21年) 7月11日
資本金:1,458百万円
売上高:708億95百万円 (2018年3月期)
社員数:666名 (2018年6月1日現在)
本社:東京都港区赤坂5丁目2番20号 赤坂パークビル

大手版

3.読広の主な事業

ここからは読広の主な事業を紹介していきます。もちろん広告代理事業なので広告事業がメインですが、細かく色々なセグメントに分かれていますので、それぞれ解説していきます。

(1)総合ソリューション

「総合ソリューション」というと難しそうに見えますが、主に広告代理事事業業を行なっています。

読売広告社がこれまでに蓄積した経験とノウハウ、博報堂の生活者発想などを組み合わせ、生活者分析・生活者発想に基づいてクライアントの問題を解決することに注力しています。価値観の多様化や購買導線の多様化にも適応していくためにも生活者を分析することが鍵だとしています。

※1:生活者分析:読売広告社が独自に毎年行なっている定点調査。東京と大阪で調査を行い、生活の実態の把握と消費行動予測を行なっています。
※2:生活者発想:人を消費者としてではなく、様々な生活の面を持つ暮らしの作り手として見ることで企業と生活者・社会を繋げるという考え方です。

(2)都市×生活者

生活者の動向調査の実施と、都市開発における開発コンセプト立案や商品企画などのソフト・コンサルティングを行なっています。

国連によると世界人口の半数以上は都市部に住んでいるというデータも公表しているので、この事業は世界においても応用することができると読売広告社は狙っています。

(3)デジタル

デジタル領域では、クロスソーシャルという他の媒体とソーシャルメディアを組み合わせるプロモーション方法を基本においています。

具体的には幅広い種類のあるインターネット広告の総合的な媒体提案やクライアントのwebサイトに必要な戦略立案や実施などを行なっています。また、タブレットなどのスマートデバイスを用いた販売促進ツールの提案にも力を注ぎ、営業の支援という面でも協働しています。

(4)エンタテイメント

読売広告社は1965年に「宇宙エース」を企画・放映して以来、番組企画分野でもヒット作を作り出しています。

2011年には「次世代ものづくり研究所」を設立し、何が話題を呼び、面白いとされているのか先取りし、クライアントにエンタテイメント力でものを売るソリューションを提供しています。

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4.読広の売上規模

続いて、読広の会社の規模や業績を見るためにも、直近4年間の売上高の推移を見ていきます。

グラフでは売上が大きく上下しているように見えますが、パーセンテージ上では2016年前後でも2%ほどしか変化がありません。従って、売上高は4年間とても安定していると言えます。

一方で、2015年と2018年の売上高はほぼ同等となっているため、企業として安定して売上が出せてはいますが大きな成長はあまり出せていないと言えるでしょう。

5.読広の経常利益・当期純利益

上記4で売上による会社規模はご理解いただけたと思いますが、では実際に経営状態を示す「利益」はどうなっているのでしょうか?ここからは読広の利益状況について解説していきます。

・経常利益:売上高からコストを引いて出た企業の本業から出た利益に、投資して得た金融収益(営業外収益)を加えた金額になります。
・当期純利益:当期純利益は経常利益から特別損益を足し引きし、税金等を引いたものになります。

2015年から2016年にかけて売上高は2%ほどしか変化していないものの、経常利益は2倍、当期純利益は36倍にまで上がっています。

ここから言えることは、売上に占める経常利益と当期純利益の割合がそれぞれ少ないことです。(それぞれ2.1%、1.3%)

また、売上高は年度をまたいでの大きな変化はなかったのに対して、当期純利益、経常利益ともに初年度に比べて上昇していることは経営効率が改善されているのだと推測されます。

6.読売広告社の強み

冒頭でも述べましたが、読売広告社が強みを持つ領域は不動産業界です!

読売広告社は大手不動産のクライアントを多く持ち、新築分譲マンションの広告は業界1とも言われています。長年にわたり不動産領域にてノウハウを蓄積し、そのスキルは都市開発へのコンサルティングなどの分野にも活かされています。

また、不動産業を始めとして飲料や自動車会社の広告まで幅広い業界をクライアントに持っています。
そういったリサーチ力から生活者分析や博報堂のフィロソフィーでもある生活者発想も用いて提案することでクライアントと生活者を幸せにする最適な提案をすることを優先しています。

しかし、強みとしている不動産領域は2020年の東京オリンピックを目処に市場が縮小することが考えられています。
そのことに対する読売広告社の成長戦略としては、これまでに培ってきた不動産領域の知識と経験を活かしつつ、都市に暮らす居住者のデータを元に都市開発のコンサルティングに注力していくようです。

また、市場拡大が加速しているネット広告事業の強化と、日系のクライアントのアジア進出をサポートする海外市場への進出も挙げられています。

7.読売広告社の採用・選考基準は?

読広が公表している求める人物像では3つの観点を示しています。
どれも広告業界を志望するにあたっては必須の能力なので、全て兼ね備えていることが理想です。

(1)コミュニケーション能力の高い人

広告代理店の仕事において、ほぼ全ての業務にて社内外の様々な立場の人と関係し、仕事を進めていくので、この能力は必須と言えるでしょう。

具体的にはどのような人に対しても物怖じせず、積極的に話すことができること。
常に明るく笑顔で、前向きに考え、人と話すことが好きな人。

(2)厳しい状況下で頑張れる人

華やかなイメージを持たれることの多い広告業界ですが、仕事自体は地味な作業が多いのが現実です。激務が多いことでも有名な広告業界は厳しい環境、注目されない仕事もこなし、忍耐強いことが必要とされます。

(3)好奇心旺盛で、自ら考えて行動できる人

近年の広告業界ではとても変化が激しく、日々新たな知識を得ること、様々な方向にアンテナを立てて置くことが大切です。
そのためにも、新たなことに挑戦して成し遂げていく行動力や、幅広い興味、世の中のブームに敏感な人、場の状況を読んで適切に行動できる人が求められます。

実務におけるクライアントの課題解決においては情報を論理的・客観的に分析し、整理でき、クライアントの課題解決に向けて主体的に行動を起こし取り組める能力が重要となります。

8.読広の実際の求人内容

読売広告社は新卒採用と通年採用を行なっています。
そのため、年度中のいつでも空きのポストがある場合には応募することができます。

求人内容(2018年10月24日現在/@typeより)

(1)ストラテジックプランナー

仕事内容 :営業担当が顧客とすり合わせてきたニーズや要件を基にプロモーション全体のコンセプトを打ち出すという最上流から担当して頂きます。 

配属先:
・マーケティング局/一般消費財(コミュニケーション・デザイン統括) 
・都市生活研究局/商業施設・マンション(大型物件) 
※都市生活研究局は顧客へのプレゼンも行い、受注後は営業担当に引き継ぎます 

応募資格:学歴不問
広告業界においてのマーケティングプランナーとしての実務経験、コミュニケーション戦略立案の実務経験など
雇用形態:正社員/契約社員
想定給与:450万円〜800万円(年俸制)
勤務時間:9:30~17:30(実働7時間)
勤務地:東京本社、関西本社、及び国内営業所(北海道、宮城県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県)
待遇・福利厚生:昇給年1回 、各種社会保険完備、通勤費全額支給、定期健康診断、保養所施設、マッサージルーム完備、レジャー施設割引

(2)アカウントエグゼクティブ(営業職)

仕事内容:クライアントが抱えるプロモーションに関する課題を抽出し、解決のために最適な方法を提案し、クリエイティブ担当や協力会社を巻き込みながらカタチにしていく。営業職ではこれらの取りまとめをしていただきます。

応募資格:学歴不問/関連業界での営業経験(広告関連の営業経験があると好ましい)
雇用形態:契約社員
想定給与:400万円以上(年俸制)
勤務時間:9:30~17:30(実働7時間)
勤務地:東京本社、及び国内営業所(北海道、宮城県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県)
待遇・福利厚生:昇給年1回 、各種社会保険完備、通勤費全額支給、定期健康診断、保養所施設、マッサージルーム完備、レジャー施設割引

9.読広出身の有名人は?

広告代理店の出身は面接で聞かれることもあるので、2〜3人知っておくと良いでしょう。
ただ名前を覚えるだけでなく、なぜその人のことを覚えているのか、その人の作品などを知っておくと良いです!

(1)皆川壮一郎氏

営業職やマーケティング職を経て現在はクリエイティブエージェンシーの「博報堂ケトル」にてクリエイティブディレクターを勤めています。

①今までに手掛けた主な作品
・サントリー CCレモン「忍者女子校生」「松岡修造 元気応援プロジェクト」
・PEPSI「#いざ鬼ヶ島」
・明治 果汁グミ「石原さとみ ぷにぷにダンス」
・KONAMIウイニングイレブン「#ウイイレまたやろうぜ」
・Baidu Simeji「スマホのぞき見ドラマ 片想い送信中」など。

②受賞歴
・カンヌ広告祭ブランデッドコンテンツ部門シルバー
・アドフェストインタラクティブ部門ブロンズ
・ACCオンラインフィルム部門ゴールド
・BOVA広告主部門グランプリ/新聞広告賞広告主部門大賞
・JAAAクリエイターオブザイヤー メダリスト など。

(2)太田理奈子 氏

読売広告社のクリエイティブ局にてコピーライター/CMプランナーを務めています。
女性社員として初めて育児休業を取得したりとの激務として知られている広告業界の中でも「仕事と家庭の両立」という面でも注目されています。

今までに手掛けた主な作品
・東京ガス:商品ロゴ、プロモーション、CM(約50本制作)、ネーミング&ロゴ(「ピピッとコンロ」「ラックリーナ」「MiSTY」「SOLAMO」)
・明治 果汁グミ(2011~2012年)「メグミとタイヨウⅠ~Ⅲ」(CM+SNS+店頭 統合型CP)
・竹浪比呂央ねぶた研究所(2014年~)NEBUTA STYLE KAKERA PRビデオ など。

(3)高田陽介 氏

現在、読売広告社のコミュニケーションデザインセンターにてクリエイティブディレクター/プランナーを務めています。

今までに手掛けた主な作品
・サッポロ極ZERO
・パピレスRenta!

10.まとめ

読売広告社の分析はいかがだったでしょうか。

広告代理店と一言で言っても、各社それぞれが違う強み、個性を持っていますね。面接の時には「広告業界でもなぜこのうちにしたのか?」という質問は必ずと言って良いほどされるので企業研究をしっかりとして答えることができるようにする必要があります。

                     

ABOUTこの記事をかいた人

広告代理店でインターン中。サッカーとトレーニングをこよなく愛しています。好きなサッカーチームはFCバルセロナ、好きなトレーニングメニューはウェイティッドディップスチェストバージョン。