電通「30歳で年収1000万超え」って本当!?年収事情を徹底解説

就職や転職において、いまだに人気企業ランキングの上位にいるのが広告代理店トップの電通。年収の高さや事業規模に魅力を感じる就活生も多く見受けられます。

「電通って年収いくらなの?」
「やっぱり電通って激務なのかな?」

など、就活前に労働事情を気にする人もいますよね。

今回は、電通とグループ会社の年収と残業事情を徹底分析します!

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1.電通グループ新入社員の年収


電通は年収が高いと言われていますが、一体初任給でいくらもらっているのでしょうか。

平成29年度の大卒の初任給の平均は20万6,100円です(厚労省調べより)。これを踏まえた上で、今回は、電通のグループ会社の概要と初任給についてご紹介します。

(1)電通


電通は国内外と多岐に及んで事業展開しており、主に広告業、情報サービス業等を行なっている企業です。国内業界最大手で、テレビ広告との繋がりが強くスケールの大きい仕事ができることが特徴です。

電通の初任給は全職種共通で平均24万円です。

また、電通は平均年収が1,200万円に対して、社員の平均年齢も39.5歳と低いため、若くから高収入だということがわかります。現に30歳前後で1,000万円越えの社員もいます。しかし、給与の特徴として成果主義、実力主義が見られ、社員の中でも年収にバラツキがあります。

(2)電通デジタル


2016年に新しく設立された電通グループのデジタルマーケティング専門会社です。電通グループ各社と連携しながらデジタルマーケティング領域をカバーしています。

電通デジタルの初任給は平均30万円です。

電通本社に比べても基本給で見ると、高いことがわかります。しかし、固定残業代30時間、6万3,000円を含んだ金額であり、それ相応の労働時間の多さも伺えます。また、ランク制を採用しており、業績によって賞与額にばらつきがあります。

(3)電通東日本


東京に本社を構え、青森から静岡までの東日本エリアで、東地域密着型のサービス提携を行なっている企業です。主に新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどマスメディア広告を取り扱っています。

電通東日本の初任給は総合職で平均24万円です。

電通本社と年収に大差はありませんが、本社が両社とも近く、大きな仕事は本社が請け負うことが多い模様です。また、数字主義の社内文化が根強く電通全体で、仕事ができるかどうかにより収入差も大きいことが伺えます。

(4)電通西日本


何四国、兵庫、北陸エリアをテリトリーに営業活動を展開する地域密着型の広告会社です。本社は大阪にあり、営業エリアも西日本に絞られます。

電通西日本の初任給は平均21万円です。

他の電通グループ会社と比較すると収入面は低いでしょう。しかし、転勤地は西日本の9拠点と限られており、大手企業である電通グループに就職したいが、西日本地域で就活を済ませたい方にはぴったりの企業と言えるでしょう。

(5)電通テック


SP(セールスプロモーション)をはじめ、プロモーション領域全般の企画・政策・実施・運用の業務を担う電通グループのプロモーションプロダクションです。

電通テックの初任給は東京勤務で平均20万円です。

親会社の電通との繋がりが強く、電通の下請け的な要素が大きいようです。しかし、親会社ほどの体育界気質はなく、自由な社風で働きやすさを感じている社員が多いです。

(6)サイバー・コミュニケーションズ(CCI)


電通グループ会社の中でもインターネット、デジタル広告事業を展開する企業です。主にメディア向けサービス、広告主・広告会社向けサービスを行なっています。

サイバー・コミュニケーションズの初任給は平均23万円です。

親会社が電通という強みがあり、またデジタル広告を多岐に渡って展開しているため、様々な業界と強いコネクションを持てる点が強みと感じている社員が多いです。一方、自社開発に劣っている面もあったり、同等の仕事をしていても電通本社の方が給与面の待遇が良く、不満に思う社員もいるようです。

大手版

2.電通の残業事情(残業時間・残業代)の実態


2015年に新入社員の過労死自殺問題が起きたり、2016年には「ブラック企業大賞」を受賞していまう等、大学生に人気のある企業である一方で待遇面ではあまり印象の良くない電通。問題が起きた後、電通の働き方は改革されたのでしょうか。

(1)残業時間は多い?


様々な批判に対応するため、電通は2016年に残業に関する以下の新たなルールを掲げ、過重労働問題の再発防止に向けて労働環境改革本部を発足させました。以下はその一例です。

【過重労働問題の再発防止策の一例】
・22時以降の労働を原則禁止
・22時から5時まで全館消灯
・残業の上限を65時間に引き下げる

実際、現場では深夜残業が減ったと実感している社員も多いようです。

しかし、入社して数年は残業や飲み会で土日が潰れることも多く、プライベートの時間を十分確保する事は難しいと感じている社員が多く見受けられます。とはいえ、残業代もきちんと支給されるためもらえる金額は高い事は事実です。また、電通では30歳で年収1,000万円が一つの目安と言えますが残業代も含まれた給与であり、高収入には長時間労働が強いられることが伺えます。

(2)福利厚生


規定では各種保険の適用や完全週休二日制を採用している他、育児・介護休業の取得、有給などの休暇やフレックスタイム制の導入、在宅勤務を取り入れており働きやすい環境作りは行われています。

しかし、実際には月に数回土日出勤があったり、規定の目一杯残業をしている社員が多くいたり、また新入社員は入社数年間、中々プライベートの時間を十分に確保できない人も多いようです。実際は配属先によって大きく待遇は異なるようですが、以前よりも働きやすくなった事は社員の中でも感じている人が多いようです。

(3)女性の働きやすさ


広告業界は、老若男女様々な視点が求められる仕事であり、女性消費者としての視点も欠かせません。そのため、男女関係なく仕事に取り組め、活躍している女性も多いです。

また育児・介護施策が充実しており、育児休暇からの復職率はほぼ100%です。しかし、仕事に性差がないゆえに業務量が多く、女性にも男性同様の体力と気力が求められる企業と言えるでしょう。

通常版

2.競合他社との比較

ここまでは、電通についてご紹介してきましたが、他の大手広告代理店の年収、労働環境事情はどうでしょうか。今回は、業界トップ3の残りの博報堂、ADKの2社についてもご紹介します。

(1)博報堂DYホールディングスの年収、労働環境


いわゆる「生活者発想」をフィロソフィー(哲学)に掲げており、クリエイティブや論理的な広告戦略に強みがある博報堂は、国内業界トップ2の企業です。そんな博報堂の初任給は平均28.5万円です。

初任給でいえば、電通よりも高いと言えるでしょう。しかし、平均年齢43歳に対し平均年収は1,035万円で、生涯年収で比較すると、電通が4億8,290万円に対して博報堂は3億7,016万円と、およそ1億1,274万円の差があります。

また、残業時間は月平均70.3時間と電通以上に長いことも窺えます。博報堂の特徴としては、体育会系の営業や組織的な営業をバリバリやっている電通とは異なり、論理的な分析とデータに基づいたスタイリッシュな営業スタイルが挙げられます。また、個人裁量が大きく比較的自由な社風だと感じている社員が多いです。

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(2)ADKの年収、労働環境


ADKは「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」に代表されるように、アニメーションコンテンツの制作や版権を強みにしている広告代理店であり、国内の広告業界第3位となっています。

ADKの初任給は平均24万円で、電通と同額程度と言えるでしょう。しかし、平均年齢42歳に対し平均年収は766万円、生涯年収2億7148万円と、電通、博報堂に比べて給与昇級が緩やかだとわかります。

また、残業時間も平均66.8時間と電博と同等程の時間です。特徴としては広告代理店らしいガツガツさと言うよりは、温和で穏やかな人が多く、若いうちから仕事をたくさん任せてもらえるため、社会人としての基礎力を磨けると感じている社員も多いです。

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4.「年収」で考えると、電通は良い選択といえるか?


電通の年収は競合他社に比べても高く、また日本企業の中でも未だトップ集団に位置しているとわかりました。では結局、電通は年収面で考えるといい選択と言えるのでしょうか?

(1)やはり年収は良い!


年収面で見ると電通はやはり他の企業と比べても良いと言えます。

特に初任給に関して言うと、三菱商事・三井物産など4大商社とほぼ同額で、日本の平均初任給よりも高いです。また、残業代と賞与も別で支給されるため、実際のところ手取りの額はもっと多くなります。また、電通全体で時給換算すると平均5,010円と上場企業のトップ30に入ります。労働時間も伴いますが、給与面は良いことは明確です。

(2)電通に向いている人ってどんな人?


たとえ業務量が多くても仕事をプライベート同様に楽しめるような人にとって、電通は非常に向いています。

逆に言えば、年収が良くてもワークライフバランスをしっかりと保ちたい人や、仕事とプライベートのオンオフをきっちりとさせたい人には不向きだといえます。実際、休日でも仕事がらみの電話を気にする社員は多いようです。電通は実力主義で年功序列意識が強いため、残業にも屈せずにバリバリ働く社員が多く、体育会系気質の人には向いています。

もちろん電通の中でも営業やクリエイティブ、マーケティングなど様々な部門(局)があり、一概には言えないかも知れませんが、共通するのは「圧倒的業務量に太刀打ちできるキャパシティの大きさ」というところだと言えます。

6.まとめ

いかがだったでしょうか。電通はブラックだと言う認識がどうしてもありますよね。確かに、仕事量で見ると、他の企業よりは遥かに拘束時間が長いでしょう。しかし、それに伴う給料が支給され、それに見合う仕事の楽しさを実感している社員が多いのも確かです。企業選びをする際に、なにを重要視するか考えてあなたに最適な企業に就職してください。

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ABOUTこの記事をかいた人

都内の大学に通う女子大生。広告代理店でインターン中。大学では情報デザインの観点から民泊業界について研究。趣味は映画鑑賞やダーツ。大学生の視点から就活情報をお届けします。