電通編 – 問題解決のしかた


電通インターンの過去問では、「特定の課題を解決する」問題がよく出題されています。

今回は、以下の例題をもとに、3つのステップで回答を考えてみましょう。

例題(2016年夏・出題)

駅前で、子どもたちが募金活動をしています。しかし、あまりうまくいってないみたいです。
彼らにアイデアを提供してあげてください。

STEP1:今回解決すべき課題を把握する

問題文から、課題となっている箇所を把握します。
問題解決の場合、「どんな物事の、どんな課題なのか」という部分が「課題」となります。
ほとんどの問題の場合は、問題文に「◯◯における、◯◯の課題」ということが提示されているので、
該当箇所をそのまま抜き出します。

「顕在的な課題」の導き方(具体例)

今回は、出題文中で「駅前で子どもたちがやっている募金がうまくいっていない」ことが明言されているため、
課題は、文中からそのまま抜き出した形になります。

ただし、注意したいのは、なぜうまくいっていないのか?という部分です。
要因を考えるときは、5W1Hを当てはめて考えると良いでしょう。

・WHEN(時間帯)
⇒不明
・WHERE(場所)
⇒駅前で
・WHO(誰が)
⇒子どもたちが
・WHAT(何を)
⇒募金をしている
・WHY(なぜ)
⇒不明
・HOW(どのように)
⇒不明

当てはめてみると、以下の情報が不明であることが分かります。
「募金の時間帯」
「どこの駅前で実施しているのか」
「どんな目的で募金をしているのか」
「どのような方法で募金をしているのか」

上記4つを工夫することで、募金をより集められるようになると考えられます。
従って、今回解決すべき課題は、「人が募金したくなるような仕組みをどうやって作るか?」ということになります。

◆今回解決すべき課題◆

人が募金したくなるような仕組みを考える

STEP2:課題の解決に必要な要素を、事例から抽出する

今回解決すべき問題を元に、課題の解決に必要な要素を、現場の人の気持になって考えてみましょう。
たとえば、新商品Xを売りたいのに売れないという問題であれば、「なぜ人々は新商品Xを購入しないのか?」
逆に「数少ない新商品Xを購入した人は、なぜ購入したのか?」といったように、受け手の気持ちを羅列していって、
羅列した要素をグループ分けして、要素化して抽出します。

課題解決に必要な要素を抽出する方法(具体例)

STEP1で把握した「人が募金をしたくなるような仕組み」について、具体的に考えていきます。

そもそも、募金というのは基本的にうまくいっているものではありません。
どんなに人通りの多い駅前で募金箱を持って立っていても、
大半の人は通り過ぎてしまいます。

なぜ、人は募金をしないのでしょうか?また、数少ない募金をする人は、どのような思いで募金をするのでしょうか?

◆募金をしない理由
・団体を信用していない
・本当に役に立つのか分からない
・募金しても、自分に見返りがない など

◆募金をする理由
・過去に同じ苦労を味わったことがある(自分が子供の頃貧しい経験をしていれば、発展途上国の貧しい子どもたちに共感しやすい)
・精神的に余裕がある  など

募金をしない理由としては、「募金団体の信頼性」や「自分への見返り」が挙げられ、
募金をする理由としては、「共感」「余裕度合い」などが考えられます。

この中から、人が募金しやすくするために工夫できるポイントとしては、
主に以下の3つがあります。

「信頼できない」に対する解決策
⇒身元を明示する

「募金しても、自分に見返りがない」に対する解決策
⇒自分に見返りのある仕組みをつくる

「共感性」を高めるための施策
⇒募金の目的となる事象を経験している人が、多く住んでいると想定されるエリアで募金する

◆課題解決に必要な要素◆

①身元が明示されていて、団体名を知っている
②募金すると、自分に見返りがある
③募金の目的に共感できる

STEP3:問題解決のためのアイデアを決める

課題解決に必要な要素を抽出したら、次に、問題解決のためのアイデアを考えます。
課題解決に必要な要素を満たすことを軸にして、アイデアを考えます。

「新商品・新サービスのアイデア」の考え方(具体例)

STEP2で考えた「募金がうまくいくために必要な要素」を元に、具体的な募金の仕組みを考えていきましょう。

それぞれの要素ごとに具体的なアイデアを書き出していきます。

①身元を明示するための方法
・看板で提示する
・団体の建物の近くで実施する
・言葉で伝える
・ロゴ付きの服を着用する
・公式キャラクターを用いる  など

②募金すると、自分に見返りがある仕組みの作り方
・一緒に写真を撮影できる
・おかしが貰える
・アイスが貰える
・水が貰える
・ホットコーヒーが貰える
・傘が貰える  など

③募金の目的に共感しやすくする方法
・体育大学のある駅の近くで、スポーツの怪我で苦しむスポーツマンの手術代を集める募金をする
・東北地方で、地震の被害にあった人々を救うための募金を集める  など

従って、上記3つの要素を組み合わせた募金の仕組みを考えると以下のような形になります。

場所:東北地方の、とある駅前
天気:晴れのち雨
時間帯:夕方~夜
仕組み:400円以上寄付すると傘が貰える
服装:団体公式のロゴや名前の入った服
メッセージ:◯◯地震で困っている人がいます。400円以上の募金で、傘をプレゼントします。
頂いたお金は、すべて◯◯地震で困っている人に寄付されます。

◆募金のアイデア◆

内定者の回答集

「タワーレコード」のお客さんを増やす方法を考えて下さい。(’15年/Bコース)

駅前で、子どもたちが募金活動をしています。しかし、あまりうまくいってないみたいです。彼らにアイデアを提供してあげてください。 (’16年/Bコース)