クリエイティブ(制作)プロダクションとは

クリエイティブ(制作)プロダクションとは、テレビ番組の内容制作やOOH(交通広告)などの広告物の制作、さらには出版、映画の企画構成などを行う会社を指します。

例えば、TBS社員たちが独立した日本初の独立系制作プロダクション「テレビマンユニオン」や、TV番組アド街ック天国やタモリ倶楽部などを手掛ける制作プロダクション「ハウフルス」は業界人のみならず世間でも比較的有名な存在となっています。

1.クリエイティブ(制作)プロダクションの業界全体での立ち位置や役割

クリエイティブプロダクションの広告業界全体における立ち位置としては、広告代理店が提案した内容に基づいて必要な制作物を作り、広告会社に渡す役割を担っています。

クリエイティブプロダクションは、あくまでも広告会社が提案した内容に基づいた制作物を作る必要があるため、制作における裁量はそこまで多くないといえます。
ただし、先ほども述べたような業界内でも有名な制作プロダクションは、番組・広告物制作のプロフェッショナルであり、だれもが一目置く存在となっています。

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2.クリエイティブ(制作)プロダクションの職種や仕事内容


クリエイティブプロダクションの職種としては、その名の通り、クリエイティブ職が中心となります。

クリエイティブ職の仕事内容は、扱う制作物によって異なります。広告コピーを書くコピーライターや、アート部分を制作するグラフィックデザイナー、映像デザイナーも存在しますが、最も重要となるのは、それらのクリエイターを取りまとめるクリエイティブ・ディレクターです。

クリエイティブ・ディレクターがクライアントのニーズを理解した上でクリエイティブ戦略を構築し、広告表現のフレームを考え、制作のレールを引き、コピーやデザインについて全体のディレクションを行います。

実際の制作者となる各クリエイターは彼らの指示に則って制作を行う必要があるため、クリエイターの表現の幅は制限されます。ただし、もちろん初めからクリエイティブデザイナーになることはできません。誰しもがデザイナーやADからキャリアをスタートさせ、業界内でのスキルと経験を高めた上で、クリエイティブ・ディレクターやプロデューサーに昇格していくのです。

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3.クリエイティブ(制作)プロダクションの強みと弱み

クリエイティブプロダクションの強みは、事務所が小規模であっても有力なクリエイターをかかえていたり、実績を残すことで売上を伸ばしやすいという点があげられます。

その一方で、クリエイティブ(制作)プロダクションの弱みは、クリエイティブという、不安定な要素が絡んでくる業務のため、当たり外れが激しい業界という点があります。また基本的には仕事を振ってくれる大手代理店などに依存する構造のため、代理店がクシャミをすると、制作プロダクションも風邪を引くような傾向にあります。

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4.クリエイティブ(制作)プロダクションの近年の流れ


クリエイティブ・プロダクションの近年の流れとしては、景気悪化による広告業界全体の予算低下と比例して、クリエイティブに割り当てられる予算の低下が挙げられます。制作費は、他の運用費に比べて曖昧に決められる場合が多いため、予算削減においては最も影響を受けやすい部分になります。これは先ほど述べた通り、代理店から仕事を振られる業界構造のため、広告全体が不況の場合は制作プロダクション自体も大きな影響を受けてしまうためです。

予算削減に伴って、有力なクリエイターを所有していない小規模事務所や、実績を残せないクリエイティブプロダクションは縮小し、実績のあるクリエイターに案件が一極集中する傾向が見られます。

こんななか、制作プロダクション側でも代理店やクライアントからの案件受注に頼らない、自社発信のメディアやクリエイティブの創出に励んでおり、試行錯誤が続いています。

                     

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リスティング、ディスプレイ広告といったWeb広告の提案・運用・分析業務を主軸として、大手メーカーや、通販系のクライアントを担当。 最新の情報を取り入れた、新しい運用スキーム提案や、細かく地道な運用に強みがあります。