《2018年最新版》広告代理店ランキング – 売上、仕事内容、年収、外資系も紹介!

「広告代理店って沢山あるけど、電通・博報堂以外にどこがあるの?」と思ったことはないでしょうか?

今回は、市場規模6兆4千億円(電通「2017年日本の広告費」)の広告代理店業界について、売上高や年収等に基づいて集計した広告代理店のランキングをご紹介します!

さらに、実態があまり知られてない広告代理店の仕事内容や業務フロー、年収、会社分類、今後の業界動向に関しても、実際の代理店出身者が詳しく解説。会社の名前は知っていても、実はあまりよく知られていない広告業界について詳しく、分かりやすく説明します!

目次

広告代理店や広告会社に転職したい方へ

現在、広告代理店や広告会社は業績が良いにも関わらず、人材確保がなかなかうまくいかず、人が足りてないです。

つまり人材を「喉から手が出るほど欲している」状態です。

転職市場では学歴よりも経歴や実績を重視しているため、もし「転職したいけど上手くいくのかな?」と悩んでいる方は一度広告代理店に転職経験がある人に話を聞いてみると良いでしょう。

もしご興味のある方は、以下のページで広告業界への転職事情や転職方法をまとめていますのでお時間のあるときにお読みください。

広告業界への転職について

1.広告代理店のイメージは?


まず「広告代理店」と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

「電通の事件もあったしブラックでは?」
「高給で華やかなイメージ」
「飲み会が激しそう」
など、様々なイメージを広告代理店に対して抱いているかと思います。

しかし実際に、広告代理店の仕事内容については具体的にご存知でしょうか?一口に「広告代理店」といっても仕事内容は様々で、局や部署、担当によって内容も大きく変わります。

また、世に多く存在する「広告代理店」、どの程度知っているでしょうか?「電通や博報堂は有名だ」という事は知っていても、他の代理店についてはそれほど知らない、という方が多いと思います。

今回は、広告代理店のランキングはもちろん、仕事内容や業務フロー、代理店分類、さらには年収などもご紹介します!

広告代理店への就職・転職を希望している人はもちろん、広告代理店について詳しくない方も、知識を得る事が出来る記事になっていますので、ぜひ参考にして下さい。

2.広告代理店売上ランキング

汐留広告代理店のビル
まず、気になる広告代理店のランキングには、どんな企業がランクインしているのでしょうか?
今回は「総合広告代理店ランキングTOP15」「ネット含む広告代理店ランキングTOP10」、さらには「世界の広告代理店ランキング」もご紹介します!

(1)総合広告代理店ランキングTOP10

ADvice独自集計による総合広告代理店の売上ランキングは以下の通りです。会計年度に若干の違いがありますが、概ねこのような傾向だと思って見て頂ければと思います。

■総合広告代理店売上ランキング(2017年度)

順位 会社名 売上高(百万円)
1 電通 1,561,528
2 博報堂 913,400
3 アサツー・ディ・ケイ 311,160
4 大広 153,460
5 JR東日本企画 115,900
6 東急エージェンシー 104,685
7 読売広告社 82,490
8 デルフィス 62,400
9 電通東日本 51,500 ※1
10 電通九州 43,263 ※2

・広告就活・転職メディア「ADvice」独自集計
※1:現在非公表につき2016年度の数値
※2:現在非公表につき2015年度の数値

①第1位:世界にも名を轟かせる電通


引用元:http://www.dentsu.co.jp/
国内の広告代理店で、最も売上が多いのはもちろん電通です。2017年12月時点で電通の売上は約1.5兆円にものぼりますので、電通は日本の総広告費のうち約23%を占めていることになります。電通は前期比(2016年)で2.5%の売上減少となってしまいましたが、現在も海外の広告会社を買収するなど積極的に事業展開しています。

電通は、2013年の英国イージス・グループの買収からグローバル化を着々と進めており、現在では140カ国・地域で事業を展開するメガ・エージェンシーとなっています。

さらにこのランキングには、電通東日本、電通九州など電通グループの子会社も含まれており、電通グループの勢力の大きさがうかがえます。

<電通の関連記事>
【企業分析】財務諸表から電通を読み解く!電通の経営は安全?

②第2位:企画力・マーケ力の博報堂


引用元:http://www.hakuhodo.co.jp/
広告代理店売上ランキング第2位は博報堂です。博報堂DYホールディングスの博報堂、大広、読売広告社の売上合計は1兆3,350億円(18年3月期)にも上ります。つまり電通と博報堂DYホールディングスだけで日本の広告費のおおよそ40%の売上を占めている事が分かります。

<博報堂の関連記事>
【企業分析】 博報堂を財務諸表で読み解く!経営は万全!?

③第3位:アニメコンテンツ等に強いADK


引用元:https://www.adk.jp/
ランキング第3位はアサツー・ディ・ケイ(ADK)です。アサツー・ディ・ケイはアニメ領域に強みを持っている広告代理店で、去年まで英国WPPグループと資本・業務提携を行っていました。電通・博報堂・ADKの3社は、日本の広告代理店の大手3社と言われています。

17年12月に米国大手ヘッジファンド「ベインキャピタル」がADKの株式を取得し、現在はWPPグループとの資本関係は解消されています。

【ADK関連記事】
【企業分析】財務諸表からADKを読み解く!ADKの将来性は!?
【採用への影響は?】 ADKが世界最大の代理店WPPと関係解消!?

④第4位~:ハウス・エージェンシー、媒体系代理店など


引用元:http://www.jeki.co.jp/
その他にも、ランキング上位にはJR東日本企画(通称:Jeki)デルフィスといったハウス・エージェンシーが目立ちます。
※「ハウス・エージェンシー」に関しては後述します。

また、東急グループの一員である東急エージェンシーも存在感を持ち続けている広告代理店です。

ちなみに、朝日広告社(朝日新聞系)や、日本経済社(日本経済新聞系)は、親会社が媒体を有しています。そのため、これらの企業は特定媒体社系代理店と呼ばれ、親会社の持つ媒体を優先的に利用する事が出来ます。
※媒体系代理店の詳細は後述します

このように、現在日本の広告市場は、大手3社(電通、博報堂DYホールディングス、ADK)の寡占状態にあります。大手3社だけで日本の広告費の約45%を占めており、残りの55%をハウス・エージェンシーや特定媒体系代理店をはじめとしたその他の広告代理店で分け合っている状況になります。

(2)「ネットも含めた」代理店ランキングTOP15

では総合代理店だけでなく、インターネット広告代理店を加えると、日本の広告ランキングはどのようになるでしょうか?ネット広告代理店も含めた広告代理店ランキング・TOP15は以下の通りになります。

■ネット含む広告代理店売上ランキング(2017年度)

順位 会社名 売上高(100万円)
1 電通 1,561,528
2 博報堂 913,400
3 サイバーエージェント 371,362
4 アサツー・ディ・ケイ 311,160
5 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム 208,342
6 大広 153,460
7 JR東日本企画 115,900
8 東急エージェンシー 104,685
9 オプト 82,602
10 読売広告社 82,490
11 アイレップ 77,795
12 セプテーニ・ホールディングス 72,400
13 デルフィス 62,400
14 電通東日本 51,500
15 電通九州 43,263

※上記図は、広告就活・転職メディア「ADvice」が独自に集計

国内の広告代理店ランキングTOP15に、インターネット広告代理店が5社ランクインしている事が分かります。

第3位:ネット広告の域も超える「サイバーエージェント」


引用元:https://www.cyberagent.co.jp
サイバーエージェントは国内最大のインターネット広告代理店です。代表の藤田晋氏は「21世紀を代表する会社を作る」というビジョンを掲げ、積極的に業績を拡大しています。

実際に売上高も年々伸びており、2017年度も前期比19.5%増と売上も好調です。

また近年では広告代理事業だけでなく、自らメディアを保有する意味で「AbemaTV」を立ち上げ、さらに事業領域を広げています。

<関連記事>
【企業分析】サイバーエージェントは一体何の会社?売上や財務から経営を読む

第5位:レップの巨人・DAC


引用元:https://www.dac.co.jp/
デジタル・アドバータイジング・コンソーシアム(DAC)は博報堂、アサツー・ディ・ケイ、読売広告社などの共同出資により、1996年に設立されたインターネット広告代理店です。広告代理店ランキングは5位に位置し、インターネット広告市場の拡大に伴い急速な成長を見せています。

実際、DACの業績も伸びており、2017年度は前年度比売上12.8%増となっています。


引用元:http://www.opt.ne.jp/
セプテーニ・ホールディングス、オプト、アイレップといった企業も国内の大手インターネット広告代理店として毎年10%以上の売上増となっており、これからも事業拡大が予想されます。

インターネット広告代理店は、大手三社に迫る勢いで急成長を続けています。今後はさらに代理店ランキングの上位に、ネット広告代理店が食い込んでくると考えられます。

<ネット広告代理店ランキング詳細>
2018年最新版!ネット広告代理店ランキング

(3)世界の広告代理店ランキングTOP10

外資系
ここからは世界の広告代理店にも目を向けて見ましょう。

以下が2016年の世界の広告代理店ランキングTOP10です(売上高から、媒体費や広告制作費などの費用を差し引いた「売上総利益」を元にしたランキングです)。

■世界の広告代理店ランキング(2016年)

順位 広告会社(グループ) 売上総利益(100万$)
1 WPP イギリス 18,693
2 オムニコム・グループ アメリカ 15,134
3 ピュブリシス・グループ フランス 10,648
4 インターパブリック・グループ アメリカ 7,614
5 電通 日本 6,297
6 アクセンチュア アメリカ・イギリス 2,923
7 ハバス フランス 2,430
8 アライアンス・データ・システムズ アメリカ 2,141
9 IBM アメリカ 2,125
10 博報堂DYホールディングス 日本 1,822

※参考:「Advertising age」Agency Report 2016

第1位:広告界の絶対王者「WPPグループ」


世界で最も多くの利益を挙げている広告代理店は、WPPグループです。WPPグループはイギリスの大手広告代理店であり、日本のアサツー・ディ・ケイとも業務・資本提携を行っています。

イギリスのWPPグループ、アメリカのオムニコム・グループ、フランスのピュブリシス・グループ、アメリカのインターパブリック・グループ、そして日本の電通は「5大メガ・エージェンシー」と呼ばれ、ランキングの6位以下に大きな差を付けています。これらのメガ・エージェンシーは世界各地の広告代理店と吸収・合併を繰り返し、その規模を広げています。

他業界から広告業界への進出が盛ん

アクセンチュア
これらのメガ・エージェンシーに追随しているのが、アクセンチュアです。アクセンチュアは、外資系コンサルティング会社として有名な企業ですが、近年広告会社の買収に取り組み、広告代理店としての機能を強化しつつあります。

特に、アクセンチュアはデジタルマーケティング領域を得意とする広告代理店を多く買収しています。これにより、コンサルティング会社として独自に考案したマーケティング戦略が、実際に実行できるようになりました。このような背景から、アクセンチュアが広告会社として売上を伸ばしてきていると考えられます。

また、IT企業大手のIBMも広告代理店としての売上を伸ばしています。IBMは約20年前からデジタルエージェンシー業務を担う部署を設置しており、大手企業をクライアントにしています。

世界の広告代理店ランキングから読み取れる近年の世界の広告会社の動向は、やはり「メガ・エージェンシーの台頭」と「デジタルエージェンシーの追随」と言えるでしょう。ネット広告市場は近年ますます拡大していますから、アクセンチュアやIBM、デロイトなどのデジタルエージェンシーはさらに広告代理店ランキングの上位に食い込んでくる可能性があります。

以上が日本と世界の広告代理店ランキングになります。次の章では、気になる年収ランキングもお伝えしようと思います!

3.広告代理店の年収ランキングは?


では実際に広告代理店で働く人たちの年収はどうなっているのでしょうか?先ほどご紹介した広告代理店ランキングTOP15の企業の年収ランキングも見ていきましょう。

■ネット含む広告代理店の年収ランキング(2017年度)

順位 会社名 平均年収
1 電通 1,272万
2 博報堂 1,036万
3 アサツー・ディ・ケイ 795万
4 サイバーエージェント 703万
5 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム 574万
6 大広 559万※
7 JR東日本企画 690万※
8 東急エージェンシー 684万※
9 読売広告社 617万※
10 デルフィス
11 セプテーニ・ホールディングス 586万
12 オプト 603万
13 アイレップ 508万※
14 電通東日本
15 電通九州

・東洋経済新報社「会社四季報」・有価証券報告書等による算出
・「※」印は、複数口コミ等による算出の為、不確定データ

上の年収ランキングを見て、皆さんはどのように感じたでしょうか?
確かに広告代理店上位2社の平均年収は非常に高いと思いますし、売上ランキングとほぼ比例して年収も推移していることが分かります。

<電通の年収>
電通「30歳で年収1000万超え」って本当!?年収事情を徹底解説

4.広告会社のタイプ別分類

広告
経済産業省の調査によると、広告会社の数は日本だけでも約4,000社あります。

ただし、この4000社の内訳は、広告会社の協力会社(外注スタッフ)として各専門分野の業務を担当する「プロダクション」が90%を占めています。

従って、一般的に就活を行う学生がイメージするようないわゆる「広告代理店」と呼ばれる会社は4,000社のうち10%、およそ400社です。

(1)目的・役割による分類

まず、上述の通り広告会社は大きく分けて「純粋な広告会社」と「プロダクション」に分けられます。

この両者の違いは、「担当する業務が複合的であるかどうか」という点にあります。

具体的には「純粋な広告会社」がマーケティングやセールス・プロモーション(SP)、広告物の制作などを複合的に1社内で完結できるのに対して、「プロダクション」はそれらの業務の内いずれかの業務を専門的に扱っており、単体で行うという違いがあります。

ではここから「純粋な広告会社」と「プロダクション」について更に細かく分類して見ていきたいと思います。

■純粋な広告会社の分類について
純粋な広告会社は、大きく分けて「総合広告代理店」「専門広告代理店」の2つに分けられます。この両者の違いは、「取り扱える媒体が複数であるか否か」にあります。

①総合広告代理店(広告会社)

代理店ビル
主に電通、博報堂を中心に、ADK、大広、東急エージェンシー、読売広告社、JR東日本企画など、複数の媒体(テレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌)において、売上高を持っている広告会社を指します。

従って、売上高ランキングで上位に属さないような中堅の広告会社であってもカテゴリとしては「総合広告代理店(広告会社)」に属することになります。

<総合代理店の詳細>
総合広告代理店の実情 – 仕事内容、職種、他代理店との違い

②専門広告代理店(広告会社)

専門広告代理店ビル
専門広告代理店(広告会社)の場合、更に「媒体ごとの専門広告会社」と「業務ごとの専門広告会社」の2つに分けられます。

まず「媒体ごとの専門広告会社」とは、インターネット広告や雑誌広告など特定の媒体を専門とした広告会社を指します。具体的には、インターネット広告では「サイバーエージェント」や「オプト」、新聞広告では「日経広告社」などがあたります。

次に「業務ごとの専門広告会社」とは、マーケティングやクリエイティブなど特定の広告業務に特化した広告会社を指します。具体的には、テレビ視聴率の調査に特化した「ビデオリサーチ」やメーカーや小売りのリサーチに特価した「インテージ」などがあたります。

<専門代理店の詳細>
専門広告代理店の実情とは – 仕事内容、職種、他代理店との違い

■プロダクションの分類について
広告業界におけるプロダクションは、大きく分けて「マーケティング・プロダクション」「SPプロダクション」「クリエイティブ・プロダクション」「PRプロダクション」の4つにわけられます。この4つの違いは、それぞれ専門とする業務の違いによって分けられています。

それぞれ具体的には下記のような区分けがあります。

③マーケティング・プロダクション

マーケプロダクション
市場調査やリサーチのみを専業とする会社です。
例えば、ネットリサーチに強みを持ち、近年ではキュレーションマガジンantennaも制作している「マクロミル」や、楽天グループの強みを活かした「楽天リサーチ」などはマーケティング・プロダクションと言えるでしょう。

<マーケ・プロダクション詳細>
マーケティング・プロダクションとは

④SP(セールス・プロモーション)プロダクション

SPプロダクション
展示会、キャンペーンなどのイベントの企画や運営のみを専業とする会社です。
具体的な役割としては、「広告会社の営業」「メーカーやブランドの販売担当者」と「顧客」とのパイプ役となって、商品やブランドと顧客との接点を増やす役割を担っています。

<SPプロダクション詳細>
セールスプロモーション・プロダクションとは

⑤クリエイティブ・プロダクション

クリエイティブプロダクション
テレビや駅広告などの広告物の制作や、出版、映画の企画構成のみを行う会社です。
例えば、TBS社員たちが独立した日本初の独立系制作プロダクション「テレビマンユニオン」や、TV番組アド街ック天国やタモリ倶楽部などを手掛ける制作プロダクション「ハウフルス」は業界人のみならず有名な存在となっています。

<クリエイティブプロダクション詳細>
クリエイティブ(制作)プロダクションとは

⑥PR会社

PR会社
まずPR会社のPRとは、Public Relations という2つの用語の頭文字を取ったもので、本来的な意味合いとしては社会(public)の中における様々な問題に関する関係作り(Relations)のことを指します。

パブリック・リレーションズの解釈としては「社会性や公共性の高い、非営利的なコミュニケーション」と規定されますが、実際にはその規定は曖昧になりつつあります。

例えば、官公庁が国民や地域住民を対象に新しい制度やサービスを告知するのはPR活動に当たりますし、企業が自社の活動状況や企業理念を伝えるのもPR活用に当たります。

PR会社の例としては、電通グループの「電通パブリックリレーションズ」や1964年創業で日本のPR業界で最も老舗の「共同PR」などがあります。

<PR会社の詳細>
PR会社とは

以上が広告会社の大まかな分類になりますが、ここで就活生の皆さんに認識として注意して頂きたいことは、必ずしも「総合広告会社」が上で、「プロダクション」が下ではないということです。

この両社は、相互に補完・協力し合うことでそれぞれが成り立っており、その立ち位置がマーケティング戦略に基づく「広告ビジネス」全般にあるのか、あるいは細分化された専門性を追求し、最終的な実行段階までの業務に対応しているのか、によって異なっているだけなのです。

そしてこのように業務を分担し合うことによってそれぞれ企業としての経営効率化を図りながら、同時にクライアント予算の効率的運用をも実現させているのです。

(2)資本関係による分類

上述した(1)では目的や役割によって広告代理店を分類しましたが、この章では資本関係によって広告代理店を分類してみましょう。資本関係で代理店を分けることで、広告代理店同士の関係性や、広告業界の流れを俯瞰することもできます。

①独立系

資本分類

独立系の広告代理店とは、独自に会社を設立して運営している広告代理店の事を指します。つまり、資本元としての親会社を持っていない広告代理店です。

電通や博報堂は独立系広告代理店の代表です。電博のように、国際競争力のある企業は独立系企業として自らの経営スタイルを貫く事が出来ます。しかしながら、近年では日本の広告市場に海外資本が進出しており、海外の広告代理店の傘下に入る国内広告代理店が増えています。

現在、日本企業の中で独立系の広告代理店に分類されるのは、電通と博報堂、及び独自の事業領域でビジネスを続けている中小広告代理店に限られます。

<独立系代理店の詳細>
独立系の広告代理店って?大手が多い独立系の実態

②企業系列系

企業系列系の広告代理店とは、特定企業・特定グループの傘下に位置している広告代理店の事を指します。

企業系列系の広告代理店は、さらに「ハウス・エージェンシー」と「総合広告代理店」の2つに分けられます。

ハウス・エージェンシーとは、メインの株主である親会社の広告を専門的・独占的に担当する広告会社に事を指します。代表的な企業としては、ジェイアール東日本の交通広告をメインに担当しているジェイアール東日本企画(Jeki)が挙げられます。また、トヨタ系のデルフィスや、NTT系のNTTアドなどはハウス・エージェンシー的色合いが強い企業として有名です。

総合広告会社は、(1)目的・役割による分類で紹介した通り、複数の媒体で売上高を持っている広告代理店の事を指します。企業系列系の総合広告会社として有名なのは、東急エージェンシーです。東急エージェンシーは東急グループの一員でありながら、一般企業からの案件も扱っています。

<系列系代理店の詳細>
企業系列系代理店(ハウスエージェンシー) – 代表企業や総合広告代理店との違い

③特定媒体社系


特定媒体社系の広告代理店とは、特定の媒体(メディア)を有する企業の傘下に位置している広告代理店の事を指します。

例としては、朝日広告社(朝日新聞系)、日本経済社(日本経済新聞系)が挙げられます。特定媒体社系の広告代理店は、親会社が有する影響力のあるメディアの広告枠を、優先的に買い付ける事が出来る、という強みを持っています。

<媒体社系代理店の詳細>
特定媒体社系代理店 – 特徴や他の代理店との違い

④外資系

外資系の広告代理店とは、外国人、あるいは外国法人が出資している企業の事を指します。たとえ日本国内に本社を持つ企業でも、海外の企業と資本提携を行っていれば「外資系」と呼ばれる事もあります。

21世紀直前の「広告ビッグバン」において、外資系広告代理店の数は急増化しました。WPPグループと資本提携を行っているアサツー・ディ・ケイ(ADK)も、広告ビッグバンによって誕生した企業です。今後も日本における外資系広告代理店の企業は増え続けていくと考えられます。

<外資系代理店の詳細>
外資の広告代理店とは – ランキングや特徴、今後の動きなど

以上が広告代理店の資本関係による分類になります。目的・役割だけではなく、資本関係に注目する事によって、広告代理店同士の関係性や、広告業界の流れを見通す事が出来るでしょう。

(3)今後の広告会社の展望と分類

現在、急速に広告業界の国際化が進んでいます。国内の広告代理店に外国資本が積極的に参入しており、さらに資本的に独立した広告代理店は減少の一途を辿っています。
そんな中で、広告代理店の分類は今までのものとは少しずつ異なってきています。

この章では、広告業界の情勢の変化を反映した、新しい分類を紹介します。また、それぞれの分類について、今後の展望も紹介します。広告業界への就職および業界研究に役立てて頂ければと思います。

今後の広告代理店の形①:メガ・エージェンシー


「メガ・エージェンシー」とは、国際競争力を十分に持っており、インターナショナルにビジネスを展開しようとする広告代理店の事を指します。

世界の広告会社は将来的に5~6つのグループに集約されていくだろうと予測されています。その中で自らグループを形成し、中心となって率いていく企業が「メガ・エージェンシー(巨大な広告代理店)」であると言えます。
メガ・エージェンシーは他の広告会社を吸収・合併する事でその規模を大きくしていきます。

日本でメガ・エージェンシーに分類されるのは、電通だけであると言われています。電通は、グループとして世界の広告代理店で5位の売上高を誇り、単体では世界最大の売上高となっています。

2013年には、イギリスの広告代理店イージス・グループの買収を行い、名実ともにメガ・エージェンシーとしての地位を確立しています。
もちろん日本の2大巨頭の一角である博報堂も、世界で十分な競争力を持っていますが、電通に比べることは難しいのが現状です。

将来の展望としては、メガ・エージェンシーは、電通を含む5つのグループに集約されていくと見られています。その5大メガ・エージェンシーと呼ばれているのが、イギリスのWPPグループ、アメリカのオムニコム・グループ、フランスのピュブリシス・グループ、アメリカのインターパブリック・グループ、そして日本の電通です。

今後の広告代理店の形②:孤立型国際エージェンシー

孤立型国際エージェンシーは、メガ・エージェンシーや、その他の広告代理店との提携を行わずに国際展開を行う広告代理店を指します。メガ・エージェンシーによる市場の寡占が進んでいる昨今では少数ですが、このような企業も存在します。

提携を行わずに国際競争力を維持するためには、特定の分野に特化する必要があります。ですので、孤立型国際エージェンシーの代表格は、インターネット広告代理店です。
しかしながら、日本において国際競争力を持つインターネット広告代理店はそれほど存在しません。日本で最大規模のインターネット広告代理店であるサイバーエージェントも、世界進出と呼べる活躍は果たせていません。

現在、孤立型国際エージェンシーと呼べる広告代理店は日本にごく少数しか存在しません。しかし、今後はインターネットなど新しい特定領域に特化した孤立型国際エージェンシーは増えていくと考えられます。

今後の広告代理店の形③:提携重視型国際エージェンシー

提携重視型国際エージェンシーとは、上述した「②孤立型国際エージェンシー」と異なり、他の企業と提携する事で、世界市場で生き残っている広告代理店です。
メガ・エージェンシーの力が強くなっている現在、この提携重視型国際エージェンシーは増え続けています。

提携重視型国際エージェンシーはその提携戦略によって2つに分けられます。

1つは、メガ・エージェンシーの傘下に入っている広告代理店です。この方向を選択するメリットは、世界標準のノウハウやネットワークを獲得出来ますし、経営的にも安定が図れます。しかし、デメリットとしては、メガ・エージェンシー傘下に入る影響により、経営の独自性を失ってしまう可能性があることです。

代表例としてはWPPグループと資本提携を行っているADK(アサツー・ディ・ケイ)です。また、博報堂グループも、オムニコム系列のTBWAと一部業務提携を行っており、提携重視型国際エージェンシーと言えます。

もう一方は、個々の独立した企業同士で戦略的提携を行うものです。
たとえば、ネット広告代理店のデジタル・アドバタイズ・コンソーシアム(DAC)と米国のSizmek社がデジタル広告配信プラットフォーム領域での戦略的提携を行っています。
まだまだ成功事例は多くはないですが、今後の方向性として浮上してくる可能性は十分にあります。

今後の広告代理店の形④:国内エージェンシー

国内エージェンシーとは、国内に限定してビジネスを展開する広告代理店を指します。

日本国内に限定して広告ビジネスを展開しているから安全ということでは決してなく、①メガ・エージェンシーや、②孤立型国際エージェンシーも積極的に展開してきますので、そもそも広告業界で競争力が無いと国内市場でも生き残る事は出来ません。

国内エージェンシーの最も大きな強みとしては、日本国内の生活者(消費者)に関する経験・知見に優れている、という事です。精度の高い生活者データを持っていれば、海外企業の進出にも負ける事なく日本で広告事業を展開する事が出来るでしょう。

今後の広告代理店の形⑤:ハウス・エージェンシー

ハウス・エージェンシーとは、特定企業の広告を専門的かつ独占的に担当する広告会社の事を指します。

具体的に企業名を挙げると、JR東日本の広告を担当する、ジェイアール東日本企画(通称:jeki)やNTTグループにおけるNTTアド、トヨタグループの広告を担当するデルフィス、最近ではハウス案件以外も多い東急エージェンシーなどがあります。

「広告代理店」と言われると、ついつい電通・博報堂・ADKといった独立系の広告代理店をイメージしやすいのですが、実は日本の広告代理店の大部分はハウス・エージェンシーにあたります。

ハウス・エージェンシーは、親会社の傘下にあるため、競合と争うことが少なく、経営は安定しやすいように思えますが、実際にはそうではありません。親会社の広告部門として機能するということは、親会社のビジネス成功を担っているという事です。すなわち、非常に重い責任を負っているという事になります。親会社のビジネスを支え、自らを存続させていくためには、より高度な戦略性と、生活者(消費者)に対する深い洞察と経験が必要となってきます。

また、一部のハウス・エージェンシーは、自社の企画力や広告実現力が弱いため、具体的な業務を他の広告会社に委託しています。このような広告会社は、単純に親会社と広告会社の間の「窓口」としてしか機能していません。

「窓口」としての機能しか持たないハウス・エージェンシーは親会社のリストラの対象となり得ます。なぜなら、どの企業も、熾烈な他社との競争に勝つためにコストパフォーマンスを重視しているからです。必要の無い子会社はリストラされる可能性が高くなります。

つまり、ハウス・エージェンシーは、親会社の恩恵を預かるだけでなく、一企業としての存在意識を高める努力が必要となります。

<ハウスエージェンシー詳細>
ハウスエージェンシー – 特徴、他の代理店との違い、年収、採用について

今後の広告代理店の形⑥:専門特化型エージェンシー

専門特化エージェンシーは、ある特定のメディアや、広告作成の中での特定の業務に秀でており、自社独自の業務に特化した広告代理店の事を指します。
世界で活躍する広告代理店、国内市場に限定してビジネスを行う総合広告代理店、ハウス・エージェンシーを除くと、残りの広告代理店は全て専門特化エージェンシーとなります。

例えば、サイバーエージェントやオプト、セプテーニなどインターネット広告代理店が挙げられます。また、新聞広告に特化した日経広告社や、朝日広告社もこれにあたります。

また、特定業務に特化した広告代理店も存在します。「2.(1)目的・役割による分類」で紹介した各プロダクションも、広告の制作に特化しているという事を考えると、専門特化エージェンシーに分類されます。

比較的新しいジャンルとして、「ダイレクト・マーケティング」に特化した広告代理店も存在します。
「ダイレクト・マーケティング」とは、消費者の反応を直接観察し、密にコミュニケーションを行う事で消費者と強固な関係を築いていくマーケティング手法です。

専門特化エージェンシーの幅は今後増え続けていくと考えられます。なぜなら、時代の進歩に伴って、広告の形も多様化していくと考えられるからです。例えば、インターネット広告だけでも様々な広告形態がありますし、テレビ広告や、屋外広告も日々進化を続けています。広告が多様化していく中で、広告代理店もより、自社の強みが活かせるビジネスに特化していく必要があります。

以上が広告会社の今後の分類と展望になります。

広告業界の多角化、国際化により、広告代理店の分類は従来のものから大きく変わりつつあります。他社の提携や、独自ビジネスの確立によって海外競争力を高めようとする広告代理店、海外企業との競争を避け、国内でビジネスを続ける広告代理店と、従来の枠組みでは捉えきれないような変化が広告業界全体に起こっています。

また、テクノロジーの進歩も広告業界を大きく変えうる原因となるでしょう。実際に電通が発表した「2017年 日本の広告費」ではインターネット広告費は1.5兆円超となり、テレビ広告費の1.9兆円に迫る勢いとなっています。さらにネット広告は6年連続2桁成長率を維持している為、今後もますます存在感が増すとともに、ネット代理店の勢いも年々増していくことになります。そこに、ビッグデータなどの顧客データ活用などにより、新しい広告配信の形が生み出されていく途上にあるのです。

<関連記事>
インターネット広告の市場規模(2018年版) – 費用や成長率など詳しく解説

大手版

5.広告代理店の仕事内容と業務フロー

激務のビジネスマン
「広告代理店とは何をする会社なのか?」という問いに対して、的確に答えられる方は実は少ないのではないでしょうか。ここからは「広告代理店とはどんな仕事をするのか?」という事を理解していただこうと思います。

そもそも「広告」とは一体何でしょうか?
ビジネスにおいて、広告とは特定の商品やサービスを広く世間に周知し、販促を促すことを指します。広告が機能するためには、「媒体(メディア)」が必要です。これは、広告が掲載される場所の事を指します。例を挙げると、テレビ、ラジオ、インターネット、新聞・雑誌、などが媒体と呼ばれます。

企業の「このような広告を作りたい!」「新商品をターゲットの人にPRしたい!」といった要望を実現するのが、広告代理店の仕事です。広告代理店の元には、企業から「広告を作って欲しい」という要望が多く寄せられます。ちなみに仕事を依頼する顧客は、「広告主(クライアント)」と呼ばれます。

(1)マーケティング業務

マーケティング部
クライアント(顧客)から広告案件を受注したら、広告代理店はどんな広告を作るべきか考えます。この際、商品やサービスの抱えている課題や、商品の特徴・魅力を考慮に入れ、どういった消費者に、どのような売り方をするかを考えます。この作業こそが「マーケティング」と呼ばれる仕事です。

つまり、広告代理店はクライアントの課題解決・目的達成のために広告を制作するとも言えます。

(2)広告枠の獲得

メディア
マーケティングを通じて広告プランニングを考えたら、次は広告代理店は広告枠の獲得に取り組みます。先ほど申し上げた通り、広告が機能するためには「媒体」が必要です。ですので、広告代理店は媒体を所有している企業と金銭的な取引を行い、広告枠を獲得しなければなりません。

「テレビCM」を例に挙げると、広告代理店はテレビ局と交渉を行い、CM枠を獲得します。CM枠も時間帯や視聴率によって値段が異なりますので、どの枠にCMを放映するかも考える必要があります。これが、広告枠の獲得です。

(3)広告クリエイティブの制作

クリエイティブ制作
広告枠を獲得できたら実際に広告クリエイティブの制作に入ります。もちろん広告の種類によって制作過程は異なりますが、広告代理店は様々な人達と協力して広告を制作しなければなりません。

例えば、テレビCMの制作の為には、タレント・芸能人に出演を依頼する必要がありますから、芸能プロダクションとの協力も必要です。また、映像制作会社ともコネクションを持っておかなければならないでしょう。このように、広告代理店は、様々な広告関連企業とのつながりを持っています。

(4)広告の効果測定

データ効果測定
広告を制作し、公開するだけで広告代理店の仕事は終わりません。最終的に、広告を出稿してどのような結果が得られたかをクライアントに報告する必要があります。

「実際にどれくらいの人がその広告を見たか」、さらには「広告がどれほどの売上に貢献できたのか」、という事をクライアントは知りたいのです。このような情報を広告代理店はクライアントに報告した上で、新たな提案を行い、さらなる案件獲得に動き出す事もあります。

以上が、簡単な広告代理店の業務範囲とフローになります。この制作過程を自社内で完結させている大企業(電通・博報堂など)もあれば、特定の過程にだけ特化した広告代理店も存在します。広告代理店の目的や役割による分類は後ほど紹介します。

<広告代理店の仕事詳細>
広告代理店出身者が語る仕事内容。ホントにきつい?
⇒広告代理店の仕事内容について、実際に広告代理店出身者が語った記事も合わせて参考にして下さい!

6.広告代理店の仕事内容を職種別に紹介

ここまで代理店の大まかな仕事の流れについて紹介してきました。それでは、広告代理店に勤める人達は一体どのような仕事をしているのでしょうか?

ここからは実際の広告代理店の出身者が、広告代理店の仕事内容について詳しく解説していきます

今回は、主要な5つの職種に関して、仕事内容を紹介したいと思います。

(1)営業(AE)の仕事内容


広告代理店、と聞いて一番多くの人がイメージする職種は「営業」ではないでしょうか。

営業担当の仕事は、大きく分けて二つです。新企画獲得前業務(コンペ前)と、受注企画進行業務(コンペ後)に分けられます。ここでいう「コンペ」とは、クライアント(顧客)に対して広告の企画内容をプレゼンする場の事を指します。

コンペ前の営業は主に、全体のスケジュール管理は予算管理、社内スタッフの人選など、全体の企画のマネジメントを勤めます。また、各部門とコミュニケーションを取るのも営業担当の重要な仕事です。こうして社内で仕上げたプランを、クライアントにプレゼンテーションして、企画を勝ち取るのが営業担当の仕事の山場です。

コンペ後の営業は、実際の広告制作・掲載業務に入ります。クリエイティブプランや、SP(セールス・プロモーション)、PR(パブリックリレーション)などの各種企画の実施進行を担当します。業務全体のスケジュール管理を行い、最終的に広告を掲載した成果をデータ化して提出するまでが営業担当の仕事になります。

営業担当の仕事は激務であると良く言われますが、その分意志決定レベルの高い非常に遣り甲斐のある仕事です。営業は、大きな志を持って取り組める仕事だと言えます。

<広告営業の詳細>
広告代理店の営業 – 仕事内容や勤務実態、英語、女性について

(2)媒体担当の仕事内容

媒体(メディア)担当の仕事は、媒体の種類によって異なります。主要なメディアについて、各メディアの特性と担当者の仕事をまとめました。

①新聞担当の仕事

新聞は発行部数が多く、広い地域・読者階層に普及している事が特徴の媒体です。閲覧時間は短いですが、確実に閲覧されるため、多くの人をターゲットにしたい場合には有効です。

新聞担当の主な仕事は、掲載枠を取得する「枠取り」、制作された広告を新聞社に送る「送稿」、および掲載、掲載確認となります。

<新聞担当の詳細>
広告代理店における新聞 – 種類、メディア特性、仕事内容など

②雑誌担当の仕事

雑誌の特徴は、雑誌ごとに読者層が分かれており、ターゲティングしやすいという点です。なので、新聞などに比べて柔軟で細かい広告展開が出来ます。

雑誌担当の主な仕事は、掲載枠を獲得するための「掲載申し込み」と、クリエイティブを雑誌編集部に提出する「入稿」になります。

<雑誌担当の詳細>
広告代理店における雑誌 – 種類やメディア特性、仕事内容、料金

③ラジオ担当の仕事


ラジオには、パーソナル性、双方向性、ながら聴取性という3つの特徴があります。

ラジオ担当の仕事内容は、「タイム出稿」「スポット出稿」という2つの出稿方法によって異なります。

タイム出稿では、スポンサーの意向を反映した番組制作が容易であるため、ラジオ局と企画、制作の打ち合わせを行いながら素材搬入を進めます。
スポット出稿では、広告素材を搬入し、放送確認書を受け取ってスポット出稿作業が完了します。

<ラジオ担当の詳細>
広告代理店におけるラジオ – 媒体特性、種類、広告枠、仕事内容など

④OOH(交通・屋外広告)担当の仕事

OOHとは、交通広告・屋外広告の略称です。 OOH広告は規制が無ければありとあらゆる場所が広告スペースとなり、デバイスを必要としないのが特徴です。

交通広告の特徴は、エリアを特定して広告出稿する事が出来る点です。地域に密着した広告を展開するのに適しています。

屋外広告の特徴は、長時間屋外に露出するため、メッセージを繰り返し伝えられる、という点です。そのため社名やブランドなどの認知を促進することに優れています。

<OOH担当の詳細>
広告代理店のOOH(交通・屋外広告) – 媒体の特徴、担当の仕事内容など

⑤テレビ担当の仕事

テレビは消費者との接触が最も高いメディアです。そのため、広範囲で、とても多くの視聴者に同時にメッセージを届ける事が出来ます。また、映像と音声という五感のうち2つで伝える事により、強いインパクトが生まれます。

テレビ担当の仕事は、「タイムCM」「スポットCM」によって分かれます。
タイムCMの場合は、提供の空き枠が限られているため、番組改編の2ヶ月前には枠取り作業を始めなければなりません。
一方、スポットCMの場合は、1ヶ月前くらいに発注を行い、CM素材を局に搬入すればCMを出稿する事が出来ます。

<テレビ担当の詳細>
広告代理店のテレビ局担当(局担)-テレビの特徴、仕事内容、働き方

⑥インターネット担当の仕事

インターネットは若年層に強く、効果の可視化(効果測定)に優れたメディアです。インターネットの広告費は毎年拡大・成長をし続けており、広告媒体として毎年10%以上の伸びをみせています。2016年には昨年対比40%成長し、インターネット媒体費のみで初めて1兆円超えました。

インターネット担当(サイバー担当)の仕事は、「純広告型」「運用型広告」によって変わります。
純広告型の場合は新聞・雑誌などの紙媒体と同じように広告規定に基づいて媒体社と入稿進行を進めますが、運用型広告の場合は広告運用会社へ運用方針や目標を伝えて運用開始から進捗、結果をコントロールすることが求められます。

<ネット担当の詳細>
広告代理店におけるインターネット – 特徴、広告の種類、仕事内容など

(3)マーケティング担当の仕事内容

マーケティング担当は、広告代理店における頭脳です。マーケティング・サービスの基本的な戦略を考え、他の部門と密接に連携しながら具体的プランの統括にまで関与するとても重要な役割を持っています。

しかしながら、広告代理店によって「マーケティング」の持つ意味は様々で、単純にスタッフの事を「マーケティング・スタッフ」と呼ぶこともあります。なぜなら「マーケティング」は広告戦略の土台を形成する、最も重要な部分の一つとなっているからです。つまり、どの広告代理店にとってもマーケティング担当の期待値は高い事がうかがえます。

<マーケティング担当の詳細>
広告代理店でのマーケティング担当の仕事内容 – 業界経験者が教えます

(4)クリエイティブ担当の仕事内容

クリエイティブ担当は、実際の広告を制作していくスタッフの事を指します。具体的には、クリエイティブディレクタープランナーコピーライターアートディレクターデザイナーなどの人たちです。

クリエイティブ担当はクライアントのニーズを満たしつつ、消費者に届く広告を作り出せるかが腕の見せ所になります。

広告業界でのクリエイティブ担当の役割は非常に大きく、様々な人たちの意向を汲んだ上で、自分なりの世界観も表現しなければならない、という厳しい世界でもあります。

<クリエイティブ担当の詳細>
広告代理店のクリエイティブ – 種類、媒体による違い、職種など

(5)SP(セールス・プロモーション)担当の仕事内容

近年では、大手広告代理店を中心に、セールスプロモーションをシンプルに「プロモーション局」とする代理店が増えています。
広告代理店のプロモーション担当に求められているのは、クライアントの抱える課題を発見し、課題解決の戦略を明らかにした上で、課題解決に最も適したプロモーションを構築する事です。

プロモーションとは、いわゆる「販売促進活動」の事であり、クライアントにとって売上を左右する大切な要素です。従って、会社や経営層がプロモーション担当に期待する理想も高いものがあります。

<SP担当の詳細>
広広告代理店でのセールスプロモーション担当の仕事内容とは?

以上のように、広告代理店の仕事内容は多岐に渡っています。クライアントの広告を作成する中で、それぞれの担当・スタッフが重要な役割を果たしており、どれか1つ欠けてしまえば効果のある広告は実現されません。

皆さんも、自分は広告代理店のどの職種が向いているか、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか??

通常版

7.広告代理店の歴史的な変遷

代理店ビル
最後に、日本国内の広告代理店がこれまでどのような経緯をたどってきたのか、その歴史的な変遷についても解説したいと思います。ここからは日本の広告代理店が、どのような変遷を辿ってきたのかについて解説していきます。

日本の広告代理店の変遷を語る上で欠かせないのが、1998年~2000年の間に起こった「広告ビッグバン」と呼ばれる出来事です。

(1)広告ビッグバン以前

1990年代まで、日本の広告業界は市場規模で世界第2位の位置にいながらも、比較的独自の道を歩んできました。つまり、これだけ大きい広告市場を持っていたのにも関わらず外国資本の参入が少なかったのです。

外国資本の参入が少なかった理由は主に2つです。

1つは、日本の市場を熟知した大手広告代理店が多数存在していたためです。日本の広告業界を牽引する電通・博報堂などは国内の顧客の情報に詳しく、大きな影響力を有していたため、これら大手広告代理店の存在は、欧米の広告代理店の日本進出を躊躇させました。

もう1つは、メディア取引や、担当広告会社の決定方式が、いわゆる既存のコネ・人脈に拠る所が大きかったためです。このような日本的なビジネス慣行は、欧米企業の参入を妨げました。

(2)広告ビッグバンと欧米企業の日本進出

しかし1990年代後半に「広告ビッグバン」が起こり、外国資本が一挙に日本に進出します。これは、1990年代半ばの「金融ビッグバン」による規制緩和が原因です。規制緩和を受け、外資系企業は日本の広告市場への進出に成功しました。

外資系企業の進出は、日本の大手広告代理店の動きに大きく影響することとなります。

電通は2001年にフランスの大手広告代理店・ピュブリシスと戦略的資本提携を行いました。さらにはイギリスのWPPグループとの合弁企業を設立します。

2003年には博報堂、大広、読売広告社の持株会社である、博報堂DYホールディングスが設立されました。これは国内広告代理店最大の再編と言われています。

アサツー・ディ・ケイ(ADK)が設立されたのもこの時期です。ADKは、1999年にWPPグループを筆頭株主として、旭通信社と第一企画が合併して設立されました。

このように1990年代後半から広告ビッグバンをきっかけにして、国内広告代理店の再編、外資系企業との資本提携が進んだのです。

<広告ビッグバンの詳細>
広告ビッグバン – 広告業界に起きた大変革の原因や影響

(3)現在の広告市場

広告ビッグバン以降、日本の広告市場は急速にグローバル化(国際化)しています。

電通は、ピュブリシスやWPPグループとの資本提携を行った後、2013年には英国の大手広告代理店イージス・グループを買収しました。グローバルにビジネスを展開するために、電通は「電通イージス・ネットワーク社」をロンドンに立ち上げました。

これに負けじと、広告業界2位の博報堂も、アジアの新興国をターゲットとして、事業領域をグローバルに拡大しています。現在では、中国に20ヶ所以上の拠点を持ち、マレーシア、インドネシアなどにも拠点が増設されています。2014年には、博報堂の「生活者発想」を世界においても具現化するために「博報堂生活総研アセアン」がタイ・バンコクに設立されました。

近年の広告業界全体の大きな動きとしては、インターネット広告市場の急激な成長が挙げられるでしょう。これに伴い、インターネット広告代理店が広告代理店ランキングの上位に名を連ねるようになりました。インターネット広告代理店最大手のサイバーエージェントは年間2,000億円以上を売り上げる大企業に成長していますし、オプトやセプテーニなどのネット広告代理店も台頭しています。

<ネット広告代理店のランキング詳細>
2018年最新版!ネット広告代理店ランキング

8.まとめ

最後までこの記事を読んで頂き、ありがとうございました。
今回は広告代理店ランキングを中心に、広告代理店の分類や、仕事内容についてまとめました。この記事を読めば、恐らく広告業界の知識に関しては周りのライバルを1歩2歩リードできるかと思います。

これからの広告業界では、さらにインターネット広告代理店の勢いが増してくると考えられます。また、世界に目を向けると、メガ・エージェンシーがさらに勢力を拡大するとともに、コンサルティング会社の広告業界進出が進むと見られます。

変革していく今後の広告業界の中で、自分にはどの会社、どの仕事内容が向いているかを考え、今後の業界研究、就職活動に活かして下さい。

この記事が皆さんの役に立つ事を祈っています!

                     

ABOUTこの記事をかいた人

ADvice編集部

ADviceは電通・博報堂など一流広告代理店への就職を目指す学生を応援する、広告代理店に特化した就活情報メディアです。 選考情報、広告代理店の業界情報、広告代理店内定獲得のノウハウを配信します。