ロジカルシンキング例題11選 – 演繹法・帰納法、MECE、ロジックツリー

「ロジカルシンキング」や「論理的思考力」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。

特にコンサルティングファームなどで必要な能力と思われがちですが、基本的には業界・業種を問わず、ビジネスのコミュニケーションを取る上で非常に重要となる能力です。そのため、就職活動でもこれらの能力を重点的にチェックするという企業は少なくありません。

「ロジカルシンキング」などは誰もがよく知っている言葉ですが、そもそも「ロジカルシンキング・論理的思考力とはどういった能力か?」と問われると、中には詳しく答えられないも少なくないのではないでしょうか。今回の記事では、皆さんがよく耳にする「ロジカルシンキング」や「論理的思考力」とは一体何なのか、例題を中心にご紹介していきます。

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1.ロジカルシンキングとは?


ロジカルシンキングとは、「物事を抜け漏れなく、順序よく考え相手に筋道立てて伝える能力」のことです。
コミュニケーションを取る上で、論点が抜けていたり順序が分かりにくかったりすると仕事に支障が出るため、ロジカルシンキングが重要なのです。しかし詳しく言うと、ロジカルシンキングには様々な方法がありますので、ここでは3つの代表的な考え方をご紹介します。

(1)演繹法・帰納法

ロジカルシンキングにまつわる「演繹法と帰納法」について紹介します。言葉としては難しく感じるかもしれませんが、どちらも議論する上でみなさんが日常的に使っている考え方です。

演繹法は「一般論やルールから、個別的・具体的な事象の結論を得る」考え方です。
例えば、「①動物はいつか死ぬ」という前提条件があれば、「②猫は動物である」ということから、「③猫はいつか死ぬ」という結論が出ます。

逆に帰納法は「個別的・具体的な複数の事象から一般的・普遍的な結論を得る」考え方です。
例えば「①猫A、猫B、猫C、猫Dがそれぞれ死んだ」という個別的・具体的な事象から傾向を抽出し、「②猫はいつか死ぬ」という一般的・普遍的な結論を導きます。

(2)ロジックツリー

「ロジックツリー」とは、樹形図のようなイメージで事象を要素分解して可視化することです。このロジックツリーを用いる最大のメリットは、事象をひと目で多角的に捉え、考えることが可能になる点です。

1段目にテーマと成る事象を置き、2段目・3段目とそれを要素分解します。分解の切り口としては「why(なぜその事象が起こるのか)」、「how(どうすれば解決できるのか)」、「what(それを構成する要素は何か)」などが考えられます。

(3)MECE

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「MECE」とは“Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”の略語で「重複無く、漏れがない」ということを意味します。

ある事象を要素分解して考える上で、要素間に重複があったり抜け漏れがあったりすると、物事を考えるうえで大きな妨げとなります。そのため、要素分解するにあたっては「重複無く、漏れがない」ように分解することが重要であるということです。

例えば、日本の人口についてこのMECEで考えると「①20歳未満 ②20代 ③30代 ④40代 ⑤50代 ⑥60代 ⑦70歳以上」という風に分けられます。要素①〜⑦は互いに重複無く、また日本全体の人口を漏れなく示すことが出来ています。他にも性別や在住地などの切り口も考えられます。

2.演繹法・帰納法の例題

では、実際にどのようにしてこれらの思考法を使っていくのでしょうか?いくつかの例題を通して実践してみましょう。まずは、演繹法・帰納法の例題です。

(1)気候に関する問題

「①一般的に地球上では緯度が高い地域ほど気温が低い傾向にある。」「②北海道札幌市は北緯43度で、熊本県熊本市は北緯32度である。」この2つから導き出される結論は何か?

解答例:
⇒「北海道札幌市は熊本県熊本市より、気温が低いと考えられる。」

解答のポイント:
⇒演繹法を用いる上で重要なことは、何が前提(一般論・ルール)であり、何が個別具体の事象であるかをきっちり見分けることです。この場合①の文章は一般論・ルールであり、②の文章は個別具体の事象であるため、①を前提として②の事象に当てはめるという論理になります。

(2)PC・スマホに関する問題

あなたは就活生であるが、パソコン・スマートフォンを所持していない。親にこれらを買ってほしいと考えています。演繹法を用いて論理的に親を説得するための主張を考えましょう。

解答例:
⇒「①一般的に現代の就職活動では情報の取得が大きな要因と考えられている。パソコン・スマートフォンは就職活動において大きな情報源となる。②私は現在これらを所持していない。③就職活動で不利にならないためにも、パソコン・スマートフォンを手に入れたい。」

解答のポイント:
⇒この場合、私が就活のためにパソコン・スマートフォンを手に入れたいという個別具体の事象を一般論を前提として結論付けることが求められます。ここでは、現代就活は情報戦であるということを一般論・前提として主張しています。

(3)記念日に関する問題

「①A君はBさんの誕生日に盛大にお祝いをして、喜んでもらい交際することが出来た。」「②父が母との結婚記念日を忘れ、母が激怒した。」「③妹が彼氏とクリスマスを過ごすことを非常に楽しみにしている。」帰納法を用いると①〜③からどのような結論が得られるか。

解答例:
⇒一般的に女性は特別な日を大事にする傾向にあると考えられる。

解答のポイント:
⇒帰納法では①〜③のようないくつかの個別的・具体的な事象から共通項を抽出し(ここでは女性・特別な日)、一般的・普遍的な結論へと結びつけます。

3.ロジックツリーの例題

先ほど述べた通り、ロジックツリーは、テーマとなる事象を要素分解し樹形図のように示します。これによって大きなテーマを小さな要素に分解し、問題発見などに役立てます。要素を分解する際は(完璧にこだわる必要はありませんが)極力「MECE(重複無く、漏れがない)」となるように分解しましょう。以下に、いくつか例題を用意しましたので、紙とペンを用意して取り組んでみてください。

(1)体重に関する問題

「体重を減らすには?」というテーマを1段目にして、ロジックツリーを3段形成しましょう。

解答例:
⇒2段目は「カロリーの摂取量を減らす」「カロリーの消費量を増やす」に分解できます。3段目にはそれぞれに対しての具体的な施策を列挙します。(例:夕食の摂取カロリーを減らす)

解答のポイント:
⇒各項目を極力MECEに分解することがロジックツリー形成でのポイントです。体重を減らすには「摂取カロリー<消費カロリー」となる必要があります。従って2段目のような要素分解となります。

(2)就活情報の入手手段に関する問題

「就職活動の情報を入手するには?」というテーマを1段目にしてロジックツリーを3段形成しましょう。

解答例:
⇒2段目は「人から入手する」「人以外から入手する」と分解できます。3段目はさらに「学生・社会人」「インターネットを使う・使わない」と分解できます。

解答のポイント:
⇒「パソコン・先輩・社会人の方・書籍」などと、いきなり手段を羅列すると抜け漏れが生じてしまいます。結論に急がずに、極力MECEとなることを意識して丁寧に要素分解しましょう。

(3)ペットボトル飲料に関する問題

「ペットボトル飲料」というテーマを1段目にして、ロジックツリーを3段形成しましょう。

解答例:
⇒2段目は「内容物」と「容器」に分解できます。3段目は「溶質・溶媒」「ボトル・キャップ・ラベル」というふうに分解できます。

解答のポイント:
⇒ここでは「1本のペットボトル飲料」を想定して、要素分解をしてロジックツリーを形成しました。しかし他にも「飲料そのものの種類(例:加糖or無糖)」や「値段帯」という切り口での分解も可能です。

4.MECEの例題

「MECE」とは、前述のように事象を「重複無く、漏れなく」要素分解する手法です。この「MECE」を用いることで、より網羅的に物事を思考することが可能になります。ではいくつか例題を解いてみましょう。

(1)学校を分類する問題

「日本の学校」を2つの切り口からMECEに分解してください。

解答例:
⇒①「男子校・女子校・共学」(性別で考える。)、 ②「公立・私立」(所属で考える。)

解答のポイント:
⇒解いてみるとわかりますが、どの切り口で考えるかによって、その分解の意味や難しさが大きく変わります。ここでは最も簡単だと思われる2つを解答例としました。他にも年齢で分解する(小学校・中学校…)や所在地で分解する(北海道・東北…)などの切り口が考えられます。

(2)モレダブリを見つける問題

次の要素分解はMECEではありません。改善点を2つ指摘してください。「某ヘルスケアアプリの開発会社がターゲットとなる女性を属性ごとに要素分解しました。その結果、次の4つが挙げられました。①OL(労働層)②主婦③フリーター④シニア(65歳以上)」

解答例:
⇒①OLと主婦が重複している。(働いている主婦)②女子学生が漏れている。

解答のポイント:
⇒MECEの2つの観点から改善点を探します。「本当にこの分解で女性の構成要素全てを網羅しているか?」「出された要素間に重複するものはないか?」この2つの問いかけで問題を考えてみましょう。

(3)ペットボトル飲料を要素分解する問題

あなたは飲料会社の社員です。自社のペットボトル飲料の売上を伸ばすための提案をしなければなりません。「ペットボトル飲料」をMECEに要素分解して、どのような提案が可能になるか(簡単に概要を)考えましょう。

解答例:
⇒①内容物と容器に分解する。内容物についての提案(新しい飲料など)と,容器についての提案(新しいラベル・キャップなど)が可能となる。②100円未満、100円代、200円代、300円以上と価格帯で分解する。適切な値段設定の提案が可能となる。

解答のポイント:
⇒「ペットボトル飲料」を分解する切り口はいくつもあります。その切り口によって考えられるテーマが大きく異なることがわかると思います。与えられたテーマによって適切な切り口でMECEに分解することが求められます。

5.ピラミッドストラクチャー


「ピラミッドストラクチャー」とは、主張と根拠をピラミッド状に示す構造です。
一つの主張(論点)を頂点に置き、その根拠を下の段に、さらにその根拠となる事実やデータを下の段に置いていきます。どの上下関係も「why(なぜそう言えるのか)」と「so what(だから、何が言えるのか)」の関係になっています。

見た目が似ているためロジックツリーと混同してしまう人も少なくありませんが、両者は全く別の考え方で、用途も異なります。「ロジックツリー」は大きなテーマを「MECE(重複無く、漏れなく)」に要素分解して問題点を探す「分解のツール」」です。一方ピラミッドストラクチャーは複数の根拠から1つの結論を裏付ける「統合のツール」です。

ロジックツリーは問題発見を目的に用い、ピラミッドストラクチャーは納得感のある主張を目的に用いられます。

(1)スマホの必要性を主張する問題

スマホ
「小学生にスマホを所持させるべきだ。」という主張を頂点にピラミッドストラクチャーを3段形成してください。

解答例:
⇒2段目は根拠として「①情報取得の手段となる」「②安全面に寄与する」「③親との連絡手段として便利」といったことが挙げられます。
3段目は根拠の裏付けとして「①勉強に関する情報が手軽に手に入る・好奇心の働いた物事をすぐに調べられる」「②GPS機能がある・防犯ベルの機能がある」「③お迎えの待ち合わせに役立つ・お使いを頼める」といった具体例が挙げられます。

解答のポイント:
⇒ピラミッドストラクチャーの上下関係は「why(なぜそう言えるのか)」と「so what(だから、何が言えるのか)」の関係になります。段の関係がこうなっているか確認しながら構造を作りましょう。(328)

(2)睡眠に関する問題

「睡眠を十分に取るべきだ」。という主張を頂点にピラミッドストラクチャーを3段形成してください。

解答例:
⇒2段目は根拠として「①肉体面で悪影響がある」「②精神面で悪影響がある」といったことが挙げられます。3段目はその裏付けとして「①免疫低下・疲労・肥満」「②ストレス過多・無気力・記憶力低下」などの具体例が挙げられます。

解答のポイント:
⇒ピラミッドストラクチャーは主張と根拠の関係です。そのためMECEに要素を書き出すというよりは、その主張にとって重要な根拠を分かりやすく提示することを意識してください。必ずしもMECEであることに拘る必要はありません。

6.まとめ

今回はロジカルシンキング・論理的思考力についての概要と、その代表例を例題とともに紹介しました。ロジカルシンキングとは端的に言うと「物事を抜け漏れなく、順序よく考え相手に筋道立てて伝える能力」のことです。また、その具体例として「演繹法・帰納法」「MECE」「ロジックツリー・ピラミッドストラクチャー」を紹介しました。

ロジカルシンキングはビジネスの場のコミュニケーションにとどまらず、日常生活でのコミュニケーションにおいても大いに役立ちます。考え方やその手法そのものを理解することは難しくないですが、実際にそれらを使いこなすには実践の経験が必要になります。

日常生活や、就職活動(ES・面接・グループディスカッション・インターンのワーク)など実践の機会は多々あります。ぜひこれらの思考法を意識し、実践してみてください。

また、ロジカルであること・論理が正しいことにこだわりすぎていて、それが全てだと考える人がたまにいます。前述のようにロジカルシンキングはあくまで、より効率的で十分なコミュニケーションのためのツールであることは忘れないようにしましょう。皆さんの日常生活、就職活動、ビジネスの場において少しでもお力添えとなれば幸いです。

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