第二新卒なら大手や未経験業界・職種へ転職可能?成功ポイントや傾向と対策まで!

「第二新卒で転職するなら大手企業に入りたい!」
そんな思いを胸に秘めている方も多いかも知れません。

実際、入社3年以内に転職する方(第二新卒)は全体の約3割にものぼり、さらには現在の売手市場の中で大手企業へ身を移す方も多くなっています。

では第二新卒で大手に転職することは簡単なのか、それとも難しいのか、某大手人材会社で年間50名以上を転職へ導いた私が詳しく解説していきたいと思います。

<はじめに>第二新卒の方への転職アドバイス

新卒さらには転職市場は「空前の売手市場」と言われていますが、果たして転職は簡単なのでしょうか?

これまで150人近くの第二新卒の方のカウンセリングを実施してきた私から言わせれば、答えは「ノー」です。なぜなら第二新卒の方の多くが退職理由や志望動機を軽視しているからです。

自己PRや志望動機の書き直し、さらには面接対策についてもう一度考えてみたい方はこちらも併せてお読みください。
第二新卒者への転職アドバイス

1.第二新卒で大手企業に転職できるのか

まず結論を言うと、第二新卒で大手企業に転職することは十分可能です。
現在大手企業では第二新卒の募集枠を急増しており、条件や準備次第では未経験業界・職種の大手に転職できる可能性もあります。

【グラフ】過去3年間の第二新卒者の採用実績

引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「第二新卒者の採用実態調査」

上のグラフは、企業の規模ごとに第二新卒の採用状況を調査したデータです。これを見ると、従業員規模が5,000人以上のいわゆる「大企業」のうち約94%が第二新卒を採用しており、すべての企業規模分類の中でも最も第二新卒採用に積極的であることが分かります。

2.大手企業は第二新卒の募集を増やしているのか


先ほど、大企業が最も第二新卒を採用していることをご理解いただいた方と思いますが、実際に募集をしているのでしょうか?ここからは実際の案件をもとに解説をしていきます。

(1)実際に大手で第二新卒を募集している企業

では論より証拠に、実際に第二新卒を募集している大手企業の一例を挙げてみましょう。

大手募集例1:電通
職種名:企画営業・コンサルティング
仕事内容:大型国際スポーツイベントに関わる企画営業およびコミュニケーションの課題解決コンサルティング
求めている人材:企画営業/コンサルティング/イベント実施運営等、広告関連業務経験者
※職種未経験の方も応募可能
給与:年俸350万円~750万円
備考:平均残業月40時間/月20時間を超える残業手当は別途支給
大手募集例2:博報堂
職種名:アカウントプロデュース職/コンサル・営業
仕事内容:APとしてクラアイントのマーケティングおよびコミュニケーション戦略の立案・コンサルティング・提案営業
求めている人材:広告もしくは異業界での企画・営業・コンサルティング経験者
給与:年俸300万円~1,000万円
大手募集例3:ADKアーツ
職種名:CMプロダクションマネージャー
仕事内容:ADKのCM制作のプロダクションマネージャー
求めている人材:映像制作に関わった経験をお持ちの方、映像制作に本気で取り組みたい方
※第二新卒の応募も可
給与:年俸260万円~500万円
大手募集例4:株式会社サイバーエージェント
職種名:CMプロダクションマネージャー
仕事内容:法人営業/LINEを活用した新しい販促セールス
求めている人材:法人営業経験、Web広告などの業務経験、数値・データを扱った経験など
※業界未経験者大歓迎
給与:年俸408万円~650万円
備考:各種インセンティブ等あり
大手募集例5:株式会社サイバー・コミュニケーションズ
職種名:ネット広告の企画営業
仕事内容:広告会社や広告主に対する、インターネット広告全般のメディアプランニング
求めている人材:高専・大卒以上、法人営業または企画系やコンサルティング系の職種経験者
※業界未経験者大歓迎
給与:月給22万円以上
※法定外残業については超過勤務手当を支給
備考:電通100%出資子会社
大手募集例6:株式会社アドウェイズ
職種名:広告企画営業
仕事内容:アプリゲームに特化した広告の企画営業、またはWEB広告の企画営業
求めている人材:無形商材の法人営業経験が2年以上の方、またはリサーチ業務や企業に就業経験がある方
※経験業界不問/第二新卒歓迎
給与:年俸制350万円~550万円
備考:転勤なし

いかがでしょうか。
上記は2018年9月度に大手転職サイト、そして実際の大手企業の採用ページから抜粋した情報です。確かに実際に大手企業は第二新卒を求人募集している事がお分かり頂けたかと思います。

(2)大手企業が第二新卒を求める理由


ではここからは、なぜ大手企業が第二新卒を募集するのか、その理由を簡単に解説します。この理由を理解することが、大手へ転職するための大きなカギとなります。

では詳しい理由をみていきましょう。

<理由1>大手企業も若手人材が不足している

現在、企業で働く若手社員の離職率は非常に高い状態となっており、大手企業も例外ではありません。

【グラフ】入社後3年以内の離職率推移(全業種合計)

※引用元:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」

上の図は、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」のデータを元にアドバイス編集部が第二新卒者の離職率をグラフ化したものです。

そもそも「第二新卒」とは、入社後3年以内に離職した人を指します。このグラフから明らかになるのは、3年以内に新卒入社した会社を辞めてしまう確率は30%以上、2年以内に辞める人は20%、1年以内でも10%以上の人が辞めている、という事実です。

つまり3年以内に離職する「第二新卒」は、10人中3人いるのです。

皆さんの中には、こう思った方が多いのではないでしょうか?
「すぐに辞めてしまうのは大企業ではなく、中小企業なのではないか?」
しかし、残念ながらそれは大企業、有名企業も例外ではなく、厚生労働省「雇用動向調査」によれば、大企業と中小企業の離職率の差は大きい年でも約3%、少ない年では約1%しか違いません。

従って、大手企業においても若手人材の流出は例外ではなく、若手社員の補充の必要性があるのです。

<理由2>第二新卒は新卒より手がかからない

大手企業が第二新卒を求めるもう一つの理由、それは「教育・育成コスト」です。

新卒を一人前のビジネスマン・ビジネスウーマンに育て上げるのにどれくらいのコスト(費用・時間)が必要かご存知でしょうか。

産労総合研究所の調べによると、1社当たりの教育研修費用総額は予算額6,014万円(2016年度)との事ですが、これはあくまでも「教育研修」のみで、実際のOJTなどによる教育コストや時間は含まれていません。

皆さんご存知の通り、教育研修だけでは到底現場で一人前として戦力になれる訳ではなく、あくまでもビジネスの現場で経験を積み、色々な失敗も繰り返しながら、徐々に仕事を覚えていくことになります。

新入社員が実際の戦力になるまで早くて数カ月、メーカーやインフラなどでは数年~十年程度かかる業界まであります。企業側としては、実際に利益を会社にもたらすまでの間、社員を抱えていくことになり、これらもコストとして計算に入れています。一説には社員一人を一人前にするまで1,500万程度かかると試算している機関もあります。

ここまで長々と新卒の戦力化までのコストについて説明してきましたが、要するに新卒が一人前になるまでに時間も費用もかかります。第二新卒の場合、前職の教育研修も受けており、社会人としての基本的ビジネスマナーはもちろん、ある程度の業務スキルまで身に付けている人も多いのです。

そのため大手企業としては新卒をイチから採用して教育していくよりも、第二新卒を採用すれば安上がりで若手社員を手に入れることができるのです。

また、第二新卒は3年以内に辞めた人、つまり25~26歳という年齢なので、まだ前職の企業風土にどっぷり浸かっている訳ではなく、今の会社の風土になじむことも可能です。30歳を過ぎた人はこれまでの経験や企業風土になれてしまっているため、新しい会社のやり方や社風に馴染むまでに時間がかかるのです。その点、第二新卒を採用するメリットは大きいのです。

大手版

3.第二新卒で大手に転職するメリット・デメリット

第二新卒で大手企業に転職することは果たしてメリットだけでしょうか。メリットとデメリットをいま一度整理し、きちんと大手に行く意味を考えてみましょう。

(1)メリット


第二新卒で大企業へ転職するメリットは色々と思い浮かぶ方も多いかも知れませんが、具体的に整理していきましょう。

①給与が増える

大手企業に転職することで給与が増える可能性があります。
しかし注意しなければならないのは、あくまでも「第二新卒」での転職の場合は新卒と大差のない待遇なので、そこまで大幅な年収増加になるケースは多くないです。

生涯年収といって一生のうちに獲得できる給与は大手企業の方が多いケースが多いので、若いうちからいきなり大幅に給料が上がることは期待せず、長期的な観点で考えることが重要です。

また、必ずしも大手企業に転職したからと言って給料が増える訳ではありません。なぜなら、大手企業の場合は昇進や昇給が遅いことが多いので、場合によっては成長中のベンチャー企業の方がよっぽど給料が高いケースもあります。

②福利厚生がしっかりする

福利厚生に関しては、間違いなく大手企業の方が充実しますので、大きなメリットと言っても良いでしょう。

念のため補足すると「福利厚生」とは、金銭以外の報酬を指します。例えば、住宅手当や家賃補助、社宅・独身寮、保養施設、さらには社員食堂なども福利厚生に含まれます。

大企業ではこれらの福利厚生が充実している企業が多く、給料以外の部分でも報酬を受けられる制度が設けられています。

③雇用が安定する

一概には言えませんが、大企業は中小企業やベンチャー企業、スタートアップ企業に比べれば倒産などのリスクは低いため、将来の雇用が安定しているとも言えます。

(2)デメリット


皆さんの中には、「大企業に転職することにデメリットなんてある?」と思う方もいるかも知れません。しかし、就活と同じように必ずしも万人にとって大企業が良い訳ではなく、中には「大手企業、有名企業に転職するんじゃなかった」という人も大勢いらっしゃいます。

①昇進・出世するまでに時間がかかる

大手企業では働く社員も多くなり、それだけ競争相手も増えます。また年功序列的な考えが残っている企業も多く、20代のうちから劇的な昇進はあまり見込めません。

20代のうちから大きな責任のある仕事をしたくても、自分のポジションが低ければ現実的に難しくなります。

もし大手企業でも昇進・昇給を早く望むのであれば、IT系やWeb系の「メガベンチャー企業」が良いでしょう。これらの企業はベンチャー企業の良さも持ちつつ、規模が拡大した会社なので、もし自分のスキルや仕事ぶりに自信があれば若いうちから出世や昇進も十分可能です。

例えば、サイバーエージェントやDeNA、楽天といった企業が「メガベンチャー」に相当するでしょう。

②決済スピード等が遅くなる可能性

大手企業は、そのぶん社員数も多く、組織も大きくなっています。
そのため決済を何回も経なければ、意思決定をすることができず、ベンチャー企業や中小企業のようなスピード感は持ち合わせていないケースが多いです。

これまで中小企業やベンチャー企業に勤めて、すぐにGOサインが出るような環境に居た人であれば、そのスピード感にはじめは戸惑ってしまうかも知れません。

③裁量権やできる範囲が狭まる可能性も

先ほどは決済スピードについてご説明しましたが、裁量権についても制限があるケースもあります。

筆者はベンチャー企業と大企業の両方で勤務経験がありますが、ベンチャー企業から大企業に転職した際、これまでは私の一存である程度決済や裁量できていた部分も決済に通さなければならなくなってしまった為、大いに戸惑いました。

テキスト版

4.第二新卒で大手に転職したい時、一番始めに考えること

もしかすると第二新卒の方の中には
「今すぐにでも大企業へ転職したい!」
と、考えている方もいるかもしれませんが、まずはじめに落ち着いて「転職する」という意味を考えてみる必要があります。

転職の準備段階として、「なぜ大手企業なのか?」、「大手企業なら解決できるのか?」といった根本的なことを見つめ直すことで、自分自身を深掘りし、より洗練された退職理由や志望動機へ繋がるのです。

(1)そもそもなぜ大手に転職したいのかを考える


「第二新卒で大手企業に転職したい!」
そう思うこと自体は全く不自然ではありません。

しかし、なぜ大手企業に転職したいのか、その動機は明確になっているでしょうか?
先ほど大手企業のメリットを3つ挙げましたが、そういったメリットに応じた志望動機を持ったうえで大企業への転職を望むことが重要です。

大手企業の人事は採用のプロフェッショナルです。大量の履歴書・ESを見て、多くの面接を経験しています。もし大手企業に転職することに必然性を見出せる明確な理由がない場合、「ああ、この人は大手企業にあこがれているだけで、大した転職理由がない人なんだ」と簡単に見破られてしまうでしょう。

(2)本当に自分のやりたいことが実現できるのかを考える


先ほど大手企業に転職するメリットとデメリットを両方とも述べましたが、大手企業へ転職は必ずしも良いことばかりではありません。

私自身、ネットベンチャー企業(2社目)から大手代理店企業(3社目)へ転職を経験しました。しかし、必ずしも大手企業は良いことばかりではありませんでした。実際「この部分はベンチャーの方が良かった」と思う箇所もたくさんありました。

それでもなお大手企業に転職したいと思う方は、その想いを退職理由と志望理由に転換してみてください。

「現職の会社を辞めて、大手企業に転職したい」と思うのは、根源的には「現在の会社では満たされていない部分を、大手企業に転職すれば実現できる」と潜在的に考えているからです。

給与なのか、働き方(業務環境)なのか、安定感なのか、はたまた事業領域なのか、将来性なのか、その答えはあなた自身の心にあるものですので、自己分析などを通して今いちど自分自身に問いかけて答えを探ってみてください。

<自己分析の関連記事>
就活成功者はみんなやっている!オススメ自己分析のやり方3選
【本当の志望企業が見つかる】就活の自己分析に使えるワークシートを25枚紹介
【就活の先輩がオススメする】本当に役立った自己分析本9選

5.第二新卒の転職を成功させるテクニック

ではここからは、第二新卒の転職成功に向けた具体的なテクニックを解説していきます。

(1)退職理由と志望動機を明確にする


これまで説明してきた通り、現在の転職市場で第二新卒は非常に求められている人材です。

しかし、第二新卒者は入社3年以内に会社を辞めようとしていることから、企業側からは「またすぐに辞めてしまうのではないか?」という疑念を持たれています。

その疑念を払しょくするためには、まず「退職理由」と「志望動機」を明確にし、一貫性を持たせることが必要です。

<第二新卒の退職理由・志望動機詳細>
第二新卒の面接で重要なポイントは?退職理由、志望動機、そして回答例まで解説
<例文付>第二新卒が面接で有利に!上手な退職理由の10の例文とアドバイス

(2)第二新卒の弱みをカバーする


また、中途採用の場合、企業側の選考比較対象は第二新卒者だけとは限りません。一つの職種に対して、第二新卒と経験者は同時に応募をしてきますし、採用側も第二新卒と経験者をそれぞれ天秤にかけながら選考をおこないます。

したがって第二新卒者は、経験者と比べて経験やスキル、実績といった部分については選考上不利に働くことになります。もちろん経験やスキルに関して企業側はそこまで求めていないですが、これまで行ってきた業務経験を細かく分解し、どんな部分に留意しながら工夫してきたのか等を詳しく説明することが重要です。

(3)(未経験業種・職種の場合)企業が求める人物像とマッチすることをアピール


第二新卒に対して企業側はそこまで経験やスキル、実績については求めていません。

さらには、これまで未経験の業種や職種にチャレンジするのであれば、なおさら経験やスキル、実績はあまり意味を持たないことになります。

したがって企業が求める人物像と自分がいかにマッチしているか、ということをアピールすることが非常に大切なポイントとなります。

また、未経験業界・職種への転職では熱意も重要となりますので、これまでどのような思いを持っていたのかをアピールすることも大切です。本当に興味・関心がある事であれば、調べたり勉強するように、自分がどれくらい熱意をもっているのか積極的にアピールしましょう。

(4)ネガティブな理由をポジティブに変える


そもそも転職の理由は、ネガティブな理由に端を発していることがほとんどです。

「給料が少ない」
「人間関係に疲れた」
「将来性が見えない」
といった転職理由がよく聞かれます。

しかし、これらの転職理由をそのまま素直にES(エントリーシート)に記入したり、面接で言ってしまっては必ず選考で落とされてしまいます。

そのためにはネガティブな転職理由を深堀りし、さらにポジティブな転職理由に変換しなければなりません。

例えば、「給与が低い」という転職理由は、単に給料が少ないというよりも、多くの場合「働く時間に比べて給与が低い」もしくは「自分の仕事ぶりが正当に評価されない」という理由に行きつくケースが多いです。そのため「効率的に働き、成果がより明確に評価される職場環境で働きたい」という前向きな理由に変換すると良いでしょう。

5.<回答例あり> 業界と職種のごとに聞かれる質問と対策

ここからは、「業界経験」そして「職種経験」という軸の掛け合わせごとに、4つのパターンに合わせて、第二新卒の転職時によく聞かれる質問と対策方法、さらには回答例まで解説していきます。

(1)同じ業界×未経験職種への転職


例えば、同じ広告業界であっても、職種が営業からマーケティング担当といった未経験職種への転職がこのケースにあたります。

同じ業界内でも、あえて職種を変えたいという事は、「なぜ職種を変えたいのか?」、「前職の会社で職種を変えられない理由はあったのか?」といった質問は必ず面接官から聞かれると思っておいてください。

①「なぜ職種を変えたいのか」

同じ業界でありながら、職種だけ変えたいというケースは比較的よくあるケースです。先ほども申し上げましたが、例えば広告営業として働きつつも、本当は企画やマーケティングの仕事をやりたいというケースです。

この場合、前職(現在)の仕事内容を否定するだけではなく、変えようと思っている職種に対する自分の適性についてきちんとアピールしなければなりません。

<回答例>なぜ職種を変えたいのか?
前職(現在)ではWeb媒体の広告営業として働いていますが、もともとマーケティングの仕事に興味がありました。マーケティングに興味があることから、顧客属性やカテゴリ別に顧客を分類して営業方法やプレゼン方法を分けて、その成果をチームへ共有していました。さらにはチーム全体の営業行動と顧客属性、さらには受注結果などを分析して、どのファクターが最終的な受注に大きくかかわっているのかを分析していました。

②「前職の会社では職種を変えられないのか?」

もし職種を変えたいという気持ちが人事に伝わったとしても、次に採用担当者はこのように思います。
「なぜ前職(現在)の会社で職種を変えようとしないのか?」

というのも、大手企業をはじめ多くの企業では実際に数年単位で事業単位や職種を変えたいという希望を出すことも可能で、もし本当に希望していれば職種を変えらないことも不可能ではからです。

この場合、「前職では職種を変えることが現実的に難しかった」という内容でも構いませんが、大手企業へ転職を志すのであればここで大手企業ならではの「事業規模の大きさ」や「スケール感」、「専門性の高さ」などのメリットに魅力を感じたという内容を答えることも有効です。

<回答例>前の会社では職種を変えられないのか?
前職(現在)では、職種や事業部を変えることがなかなか難しく、もし変えられるとしてもかなり時間が掛かってしまう職場環境でした。さらに、貴社のような業界のリーディングカンパニーでは営業のみならず、マーケティングにおいても他社よりもブランディング手法が確立されている事に着目しておりました。そのような環境で改めてマーケティングを学び、貴社の地位をより確固たるものにし、さらには飛躍させることに貢献したいと考えています。

(2)未経験業界×同じ職種への転職


第二新卒の方が、未経験業種の大手企業に転職しようとする場合、仕事内容、職場環境や評価体制といった点を志望動機(転職理由)として挙げている方が転職成功しています。

例えば職種は営業だとしても、業界がメーカーからIT業界といった未経験業界への転職がこれにあたります。

異なる業界でも、同じ職種として転職しようとすることは、「なぜ業界を変えようするのか?」、「異なる業界でも通用すると思っている根拠は?」という質問が聞かれるでしょう。

①「なぜ業界を変えようするのか?」

職種は同じでも、業界を変えようとする転職のケースも比較的よく見られます。先ほど申し上げた通り、例えばメーカーの営業担当が、医薬品業界の営業へ転職しようとするケースなどです。

この場合、職種は同じなので、業界を変えることによって得られるメリットを転職理由にすると良いでしょう。例えば「給与の低さ」や「業界の将来性」といった転職理由は、業界を変えることで解決することが可能です。

<回答例>なぜ業界を変えるのか?
これまでメーカーで法人相手に営業をしてきて、営業成績は上位の方でしたが、率直に言って業務時間と成績が正当に評価されていないと感じていました。私自身は効率的に営業活動をして成果をあげることが向いていると感じています。さらにこの業界は徐々に縮小傾向にあり、今後の評価がさらに不当になっていくのではないかと感じています。今回、貴社に転職することで成長中の業界で、効率的に営業して好成績を出したいと思います。

②「異なる業界でも通用すると思っている根拠は?」

業界を変えようとする気持ちや意思が採用担当に伝わったあとは、異なる業界でも十分に通用するという事をアピールしなければなりません。

この場合、転職しようとする業界で必要な能力や適性・性格と、自分がいかに一致しているというアピールが必要になります。

例えば、メーカーの営業であれば交渉力やチーム力、広告代理店のSP職であればクリエイティブ力や調整力、ウェブ広告会社の運用職であれば数値管理力や論理的分析力などが挙げられます。これらの適性、能力と自分がマッチしているかどうかをアピールしましょう。

また、もちろん各職種・ポジションに必要な能力や適性について詳しく知っておく必要があるので、事前に採用ページで「必要な能力、スキル、適正」といった部分を必ずチェックしておかなければなりません。

<回答例>異業界でも通用すると思っている根拠は?
これまで金融業界の法人営業を仕事にしてきましたが、大手Web広告会社である貴社の営業とはコンサルティング営業という意味では共通点が多いと考えています。金融業界の営業では、単に売るというよりは顧客がより事業を拡大したり、事業を効率化できるか、という視点に立ち融資の営業を行います。Web広告の業界は一般的な広告と異なり、数値がベースとなり、いくら費用をかければいくらの売上に貢献できるか、といった試算を事前に行うかと思います。その意味で、クライアントのコンサルティングを含めた長期的な提案を得意とする私の営業スタイルと非常にマッチしていると思います

(3)同じ業界×同じ職種の転職


例えば、Web業界の営業として働いている方が会社だけ変えて、大手企業に転職するケースがこれにあたります。このケースはそこまで多くありませんが、業界や職種も同じであるため、採用側からみれば即戦力が獲得できることになります。したがって、きちんと転職理由や志望理由を明確にして納得性の高いものにできれば転職成功の可能性は上がるでしょう。

ただし、同じ業界、かつ同じ職種で会社だけ変えようとしているということは、「なぜ会社だけ変える必要があるのか?」、「現在(前職)の会社では実現できないことなのか?」という質問に対しては明確に答えられなければなりません。

①「なぜ会社だけ変える必要があるのか?」

同じ業界、かつ同じ職種で会社を変える場合、前職(現在)の会社の将来性や事業規模、さらには給与が見合っていない、といった部分が主な転職理由となります。

仕事をする業界も、職種も変わらないため、仕事以外の部分である給与(評価が低い)や会社の将来性が転職理由となりますが、注意しなければならないのは「人間関係」の理由です。

「人間関係」は退職する理由の中で大きな割合を占めているのですが、人間関係を表向きの転職理由とするのは実はタブーです。なぜなら人間関係の問題は会社を変えることで一時的には解決できますが、所属する組織や周囲の環境次第ですぐに再発してしまう問題だからです。

したがって、必ず人間関係以外の部分を転職理由とするようにしてください。

<回答例>なぜ会社だけ変える必要があるのか?
入社以来これまで広告の営業として3年間働いてきて、月間個人表彰3回、チーム表彰2回という成績を残してきました。しかし、業界も営業という仕事自体も好きではあるものの、1年前から現在の会社の在り方に疑問を感じており、正直に言って会社全体の売上や経営状態、社員同士の関係も悪化していると感じています。そんな中で私は営業としてより高みを目指して突き進みたいと考えているので、仕事以外の雑念に気を取られたくありませんし、より営業という仕事に専念できる環境として貴社のような業界でも大手を志望しています。

もう一つ注意していただきたいのは、「会社を変えなければ解決できない問題である」という点です。少し努力すれば現在の会社でも解決できる問題であれば、転職先の人事は「辞めるほどの問題ではない」と思ってしまいます。

(4)未経験業界×未経験職種への転職


例えば、金融業界で審査担当として働いている人が、ウェブ広告業界の運用担当へ転職するケースがこれにあたります。

現在とは異なる未経験の業界、さらにはこれまで経験していない職種に転職する、というのは第二新卒のみに許された特権かもしれません。なぜなら若い第二新卒の方はまだ特定の企業のやり方(仕事の仕方や企業風土)に染まっておらず、今後の教育次第で改めて一人前になれるだけの伸びしろや吸収力があるからです。

逆を言えば、30歳を超えた方が、未経験業界さらには未経験職種へ転職しようと思ったら、よほど特別な理由がない限り転職成功は難しいでしょう。

しかし、「第二新卒」というだけで未経験業界・職種の会社へ転職できるほど世の中は甘くはありません(しかも大手企業だったらなおさらです)。

異なる業界さらには現在と違う職種に転職しようとする場合、「新卒の際になぜ現在(前職)の会社に入社したのか?」、「今回なぜ転職しようと思ったのか?」、「転職先でも通用すると思っている根拠は?」という質問が必ずされます。

①「新卒の会社を退職してまで、今回なぜ転職しようと思ったのか?」

この質問に対して、最も気を付けなければならないのは退職理由と志望理由の一貫性です。

<回答例>新卒の会社を退職し、なぜ転職しようと思ったのか?
そもそも学生時代に留学していたこともあり、新卒の就職活動では海外とやり取りがある会社で仕事がしたいと思い、食品系の輸入専門商社へ入社しました。しかし海外の業者との取引業務などを通じて、私の本当にやりたかったことは単なる海外とのやり取りではなく、異なる背景をもった人たちと一緒に成功を成し遂げることだと徐々に感じるようになりました。そのため、一つのミッション・ビジョンのもと、IT業界を変えるという決意を持ち、社内はもちろん業界全体を巻き込んで成功を目指す貴社のもとで是非一緒に働きたいと思いました。

②「転職先でも通用すると思っている根拠は?」

業界も職種も全く新しいことに挑戦しようとしているケースなので、企業の人事担当は「違う業界、違う職種でも本当に通用するのか?」という疑いの気持ちを持っています。それは当然と言えば当然でしょう。

そのため、転職しようとする業界や職種で必要な能力・スキルそして適性と、マッチしていることをアピールする必要があります。

<回答例>転職先でも通用すると思っている根拠は?
これまで金属メーカーの生産管理として、生産現場の計画と実施状況との乖離を埋めるため、必要な素材量の数値管理から製作工程の調整まであたってきました。確かに広告データアナリストの仕事は業界も職種も未経験ではありますが、これまでの経験から数値の把握・管理はもちろん数値の分析には、同じ世代の誰にも負けない自信があります。また、生産管理は社内のどんな部署にも折衝する部門で、数多くの社内交渉を重ねてきましたので、数値面だけでなくコミュニケーションの部分でもクライアントに対してきちんと説明できる自負があります。

6.転職エージェントを利用する


「転職エージェント」という言葉はご存知でしょうか?
転職先となる企業の求人案件を紹介し、さらには職務経歴書の書き方や面接でのポイント等もサポートしてくれるエージェント(代理人)と一緒に転職を目指す方法です。

何から何までサポートしてくれるので、一見料金がかかりそうですが、転職エージェントは転職した先の企業から料金をもらうため、費用はかかりません。

もちろんデメリットが無いわけではないですが、転職エージェントからも転職先を紹介してもらいつつ、自分自身でも他の企業へ応募することで、興味のある業界・職種へ効率的に転職活動をすることができます。

特に第二新卒の方たちの中にはまだ社会慣れされてらっしゃらない方もいるので、転職のプロに相談してみて情報を収集することも一つの手段かも知れません。

■広告・Web業界専門転職エージェント
「ADviceの転職支援サービス」

7.まとめ

いかがだったでしょうか。

第二新卒の転職で大手企業に行くチャンスは十分あることがお分かりいただけたかと思います。

ただし、先ほど申し上げた通り、人で不足で大手企業が第二新卒を募集していると言っても、新卒時の就職活動と同じような気持ちで転職活動に臨んでしまっては、そのチャンスを取りこぼしてしまう危険性も十分にあります。

まず準備として、「なぜ大手に行きたいのか?」、「大手でなければ解決できないのか?」という根本的な原因を、自己分析などを通して見つめ直す必要があります。

そのうえで、業界と職種、それぞれの経験・未経験に合わせて退職理由に一貫性を持たせて、ポジティブな志望動機に変換していかなければなりません。また、未経験業界および未経験職種にチャレンジするのであれば、自分の適性・スキルが挑戦しようとする業界・職種にマッチしていることを自己アピールに含めるようにしましょう。

第二新卒の皆さんが大手企業へ転職し、これまで抱いていた課題や不満を解消できるように願っております!

                     

ABOUTこの記事をかいた人

ADvice編集部

ADviceは電通・博報堂など一流広告代理店への就職を目指す学生を応援する、広告代理店に特化した就活情報メディアです。 選考情報、広告代理店の業界情報、広告代理店内定獲得のノウハウを配信します。