世界中で注目を集める「データアナリスト」に未経験から転職することは可能?

ビッグデータの有効活用に多くの企業が興味を示すなか、データ分析の専門家である「データアナリスト」が世界中で注目を集めています。データアナリストとはどのような仕事なのでしょうか。どのような人が向いていて、どのようなスキルが求められるのか、未経験から転職することはできるのか、データアナリストについてご紹介します。

1.データアナリストとは

IT技術の進展とスマートフォーンやSNSなどの普及を受けて、デジタルデータが恐るべき勢いで増加しています。Twitterが公表した2020年第1四半期株主総会資料によると、Twitterのデイリーアクティブユーザー数は世界で1億6,600万人、前年比24%増でした。
日々爆発的に増えていく膨大なデータを効果的に活用していくことが、いま求められています。こうした状況のなか、データ分析・調査・活用のプロフェッショナルであるデータアナリストの需要が高まり、人材不足が叫ばれているのです。

(1)データアナリストの定義

データアナリストとは、主にマーケティング領域のデータを集計・分析する職種のことです。Googleアナリティクスなどのデータツールの分析・解析をもとに、組織の意思決定やマーケティングをサポートすることが求められます。
データアナリストは「コンサル型」と「エンジニア型」の2つに分類されます。コンサル型は課題を解決するための仮説を立て、大量のデータを解析することで有用なパターンを見つけて具体的な施策を提案することが仕事です。コンサル型のデータアナリストが、経営判断をうながすほどの提案をすることもあります。エンジニア型はデータから顧客の行動パターンなどを分析して規則性を探し出し、既存事業やサービスの品質向上に努めることが仕事です。

(2)データアナリストが活躍できる企業

データアナリストの就職先は、事業会社、SaaS企業、デジタルマーケティング会社といったビッグデータ分析を必要とする企業をはじめ、膨大なデータ量を取り扱う研究機関などにも広がっています。ビッグデータの活用に各企業が注目するなか、ますますデータアナリストの活躍の場は広がっていくはずです。

(3)データアナリストに向いている人

仕事の特性上、理系の人のほうが向いている確率は高いといえます。しかし、データアナリストには情報収集力・取材力・提案力なども必要です。そのため、統計や数字が好きだという人やロジカルな考え方ができる人であれば、文系でもデータアナリストになることができます。また長時間データやPCと向き合うことが多いので、粘り強さや集中力も必要です。

(4)データアナリストとデータサイエンティストの違い

データアナリストはデータサイエンティストとよく混同されます。データサイエンティストは、統計学・数学・情報科学・機械学習・ディープラーニングなどの高度な知識やスキルをもとにデータ構築などをおこなう仕事です。さらに、ビジネスやマーケティングなどいろいろな分野のスキルも要求されるため、簡単になれる職種ではありません。
データアナリストとデータサイエンティストは、ともにデータや統計に関わる仕事です。そのうえ重複する領域もあるのでややこしいのですが、「基本的には扱う領域が異なる」「データサイエンティストのほうがより高度な知識とスキルを求められる」と覚えておきましょう。

2.未経験からデータアナリストになる方法

高まる需要に対して人材が不足しているとはいえ、データアナリストになるにはさまざまな知識とスキルが必要とされます。未経験からデータアナリストになることは可能なのでしょうか。3つのルートについて考えてみました。

(1)エンジニアやデータサイエンティストから転職・ジョブチェンジする

データアナリスト経験がないという場合でも、前職がエンジニアやデータサイエンティストだということであれば比較的簡単にデータアナリストになることができます。ただし、エンジニアやデータサイエンティストからデータアナリストへの転職・ジョブチェンジは、彼らの考え方のなかでは多少グレードダウンとなるため、あまり現実的ではありません。

(2)マーケターやコンテンツマーケティング、SEOコンサルから転職・ジョブチェンジ

Webマーケター、特にSEOなどを扱うコンテンツマーケティングやSEOコンサルタントからデータアナリストになるというのは、十分可能です。流入分析やデータ分析の経験を積むことでデータアナリストへの道がひらけます。

(3)未経験可の求人に応募して採用される

未経験からデータアナリストになれる確率は0とはいいませんが、可能性はあまりないと思ってください。特に社内でのジョブチェンジではなく別企業からの転職である場合は、ほぼ不可能です。まずは上記したマーケターやコンテンツマーケティング、SEOコンサルタントからの転職・ジョブチェンジを目指して、コンテンツマーケティングやSEOコンサルタントになれるようアプローチをしてみるとよいでしょう。

3.データアナリストに必要なスキル

「この資格がなければなれません」という資格は、データアナリストにはありません。しかし、取得しておくと有利な資格やデータアナリストとして仕事をしていくうえで必要なスキルは存在します。データアナリストになるためには、どのようなスキルを身につければよいのでしょうか。

(1)GoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスの知識・経験

真っ先に挙げられるのが、アクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスの知識と経験です。データアナリストになるためには、この知識と経験が一番必要とされます。Googleアナリティクスは無料版もありますので、自宅のPCで操作に慣れておくとよいでしょう。

(2)エクセルの関数やピボットテーブルなどのスキル・経験

ピボットテーブルは、エクセルで大量のデータを集計・分析するときに使用する機能です。データをどのように分析したいのかによって表を自由に変形できる便利な機能なのですが、慣れるまでは操作に戸惑うと思います。こちらも自宅のPCで操作に慣れておくとスムーズに使いこなせます。

(3)統計の知識

データアナリストになるためには、基本的な統計の知識が必要です。そこまで高度な統計でなくとも大丈夫ですので、相関分析・回帰分析・分散分析などについて本を読んで理解しておきましょう。

(4)データベースやSQL

データベースやSQLについてきちんと理解をしていると、データアナリストとして仕事をしていくうえで有利です。SQLはデータベース言語の1つです。この知識はデータサイエンティストへのキャリアアップを目指す際にも活かせます。ただし、コンサル型のデータアナリストを目指すのであれば分析に関わるスキルがより一層必要となります。SQLはもちろん、Pythonなどの言語もしっかり身につけておきましょう。対して、エンジニア型のデータアナリストを目指すのであれば、Hadoopなどオープンソースのミドルウェアを使いこなせると便利です。

(5)BIや可視化

tableauなどに代表されるBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)も、大量のデータを収集・分析して経営の意思決定などに役立てることができるツールです。普段からデータ分析に携わることで、スキルを積んでおきましょう。

(6)コミュニケーションスキル

データの集計・分析・解析をする能力がどれだけ優れていても、それを自社の経営陣やクライアントにきちんと説明できないようでは意味がありません。メリットや改善点や課題がはっきりと相手に伝わるように説明をするコミュニケーションスキルが必要です。

(7)取得しておくと有利な資格

上記で述べたようにデータアナリストになるために必須の資格はありませんが、データアナリストへの転職やジョブチェンジを望んでいるのであれば、取得しておくとアピールポイントになる資格はあります。

・情報処理技術者試験

まずは、国家資格である「情報処理技術者試験」です。システムエンジニアなどに必要とされる情報処理に関する知識と技能を認定してくれます。この資格が取得できたら、さらに高度なIT人材になるための応用編ともいえる知識と技能を認定してくれる「応用情報処理技術者試験」も取得しておきましょう。こちらはより難関な国家資格です。

・OSS-DB技術者認定資格

転職やジョブチェンジに向けたアピールということであれば、「OSS-DB技術者認定資格(オープンソースデータベース技術者認定試験)」も受けてみてください。国家資格ではありませんが、特定企業の製品を使いこなせるかではなくオープンソースデータベースに関する技術力と知識があるかどうかを、特定非営利活動法人が中立の立場で認定してくれます。レベルはSilverとGoldの2種類です。データベースについての技術力や知識があると認定されることは、データアナリストを目指すうえで有利に働きます。

・統計検定

また、統計学に関する知識などを認定してくれる「統計検定」にチャレンジすると、統計学を効率よく学ぶことができます。こちらは国家資格ではありませんが、内閣府などが後援する公的資格です。この資格は転職やジョブチェンジの際に有利になるという効果はあまり期待できませんが、4級から1級までありますので自分の実力を測るのに役立ってくれます。

4.データアナリストのキャリアパス

データアナリストとしてスキルを身につけて研鑽を重ねていくと、グロースハッカーなどへの道がひらけてきます。グロースハッカーは、過分なマーケティング予算をかけずにユーザーをエンゲージメントの高い状態に導く、さらに上位の戦略策定フェーズに関わる職種です。さらには、エンジニア方面の知識を身につけることでデータサイエンティストへの道もひらけてきます。

5.データアナリストに転職するなら

広告業界に特化した就活・転職メディアのADviceでは、業界研究や企業研究をはじめ、就活や転職に関するノウハウなども多数紹介しています。データアナリストへの転職を検討する際にはぜひ参考にしてみてください。

                     

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