【DX事例】不動産業界でDX化を積極的に進めるベンチャーの狙いと今後

コロナ禍の影響もあり、社会にリモートワークなどの働き方が浸透しつつありますが、それに伴い「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」についても少しずつ見聞きする機会が増えているかと思います。
DXの本格導入には莫大な費用が掛かることもあり、ベンチャー企業や中小企業はDX化が遅れていると言われていますが、今回はベンチャー企業且つデジタル化が業界的に遅れていると言われている不動産業界で、積極的にDXを取り込み、急成長している会社を例にとって、DXに関して詳しく理解していこうと思います。

1.あらためて「DX」とは何か?

あらためて「DX」がどういう意味なのかを再確認してみましょう。

まず、DXの定義を「IT用語辞典バイナリ」で確認すると、「デジタルトランスフォーメーションとは、情報技術の普及・浸透による「社会のデジタル化」がもたらす組織や社会の変革を指す言葉である」となっています。

また、そもそも「DX」という言葉が生まれたのは、2004年にスウェーデンの大学教授だったエリック・ストルターマンが「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」と述べたことによります。

つまり、大まかに言って「デジタル技術によって、人や会社や世の中をより効率的に、より幸せにする」といった意味だと理解しておけばよいでしょう。

2.DXに取り組む不動産ベンチャーの事例

とは言ってもDXの意味は広過ぎて、さらには大企業の導入事例を見ても雲をつかむような印象があるため、ここからは実際にDX化に取り組むベンチャー企業の実例を見ながら、DX化とは実際にどういった役割で、どういったものなのかを理解していければと思います。

具体的には、DX化に積極的に導入している不動産投資サイト「TOKYOリスタイル」を運営するストレイトライド株式会社の取り組みを紹介していきます。

(1)商品・サービス管理のDX化

不動産投資物件を扱うポータルサイトである「TOKYOリスタイル」では、もっとも重要となる不動産物件収集の自動化を実現しています。

具体的には、不動産物件を自動的収集した後に、同社のターゲットとする顧客の需要のある物件を自動抽出、自動掲載するシステムを開発。さらには営業ごと、顧客ごとにリクエストのあった条件の物件を検知すると、顧客と営業の両方に自動的にメールで通知します。

これらのシステムによって、ほぼ無人で自動的なリードジェネレーション(新規見込客の獲得)が可能となり、スピーディーに顧客が好む物件の買付証明書を取得することが可能となっています。

(2)マーケティングオートメーションシステム(MA)

実際に「TOKYOリスタイル」のWebサイトを訪れる投資家には見えない部分になりますが、同社では広告のROI計測自動化、そして物件の広告効果計測の自動化も実現しています。
具体的には、購入に至った投資家(ユーザー)の広告流入元を自動集計し、広告の費用対効果の高い媒体に予算を集中投下することに成功。そのため購入確度の高い投資家に対して不動産投資の情報を提供することができます。

また、リードナーチャリング(顧客関係構築)の一環として、ステップメールや物件表示の出し分けも行っています。

(3)営業支援システム(SFA)

SFA((Sales Force Automation))としては、日々の営業活動を支援する意味で、営業タスクの進捗管理や営業マンごとの評価計測するシステムを開発しています。

さらには投資物件である不動産を営業するためにも緻密な効果分析が必要となるため、顧客のサイト検索・履歴を表示し、投資シミュレーション機能なども備えています。

さらには営業の様々な稼働に対する結果を数値化し、営業毎に分析し、売上や利益にどのように結びついているのかを自動集計しています。結果的に、営業の改善点がピンポイントに分かり最適なトレーニングや指導を行うことができるため、成長スピードが段階的に早くなっています。

以上のように、「TOKYOリスタイル」が進めるDX戦略を、各段階ごとに分けて具体的に見てました。もちろん、これらの機能はセールスフォース(Sales Force)など既存のシステムを使うことである程度は実現可能ですが、デメリットとしては細かな機能改善やシステム変更がしにくいことや、費用や実装時間が掛かってしまう点です。
TOKYOリスタイルの凄味は、これらの機能をすべてスクラッチ(自社開発)しているところにあると思います。

次の段落では、これらのDX戦略を進める意図をインタビューを通じて確認していきたいと思います。

3.不動産投資「TOKYOリスタイル」がDXに注力している背景・理由


ここからは事業のDX化を進める意図や背景、さらには展望について、「TOKYOリスタイル」を運営するストレイトライド株式会社代表・落合氏にインタビューする形で、確認していきたいと思います。

Q1:まず不動産業界のDX化/デジタル化は進んでいるのでしょうか?

落合氏:「不動産業者」をその他の業者と比べると、不動産業者はビジネススキルやITリテラシーに課題が多いという状況です。しかし、その代わりと言っては変ですが、不動産業者は他業界と比べても、営業力が非常に高いのもまた特徴の一つです。

また、不動産業者という小さな業界で見ると、当社のような会社は「テック系(笑)」と揶揄されることもあります。なぜなら新参のテック系の不動産業者は営業力に課題があるケースを幾度となく目にしました。

例えばとある不動産業者が「今年はテックに力を入れます」と言い、「何をするんですか?」と聞くと、「LPを作ります」と言います。もともとデジタルの世界にいた私からすると、「強い違和感をおぼえるレベルの業界」というのが率直な部分です。

Q2:不動産業界で、どのようにDX化を進めていきたいですか?

落合氏:当社は、テクノロジーと営業力の両方を兼ね備える業態を目指しているのですが、経営全体をテクノロジーによって軽量化、合理化しているので、いわば「DX推進企業」と言えるかもしれません。

DXという言葉はコンサル/デジタル業界での流行語ですのであまり使いたくはないのですが、DXとはテクノロジーによって経営全体を支援するものであるべきだと捉えてます。したがって、単に「RPA実装しました」、「Facebookピクセルを使っています」、というのはDXとは呼べません。

経営者自身の思想や考え方が根底から変わらなければ、DXは推進できない、もしくはDX化は実現しないと考えています。

Q3:今後、「TOKYOリスタイル」をどのような事業にしていきたいですか?

落合氏:極端なことを言ってしまうと、不動産業界に深くまでデジタルテクノロジーが浸透すると、従業員のほとんどが要らなくなってしまうかもしれません。

しかし、実は多くのお客様は自分自身の深層心理を理解していないことが多いのです。ですから不動産営業マンたちは、時として心理カウンセラーのようにお客様と一緒になって顕在意識に潜り、課題を解決しようとします。そういったことはテクノロジーには実現できないことなので、これからもテクノロジーの技術と同様に、人の育成、営業力の強化に力を入れていきたいです。

東京23区の不動産投資TOKYOリスタイル

4.まとめ

今回はDXについてより詳細に理解するためにも、不動産業界を例にとってDX化を積極的に進める「TOKYOリスタイル」を深掘りしてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
確かに不動産業界は、業界的にデジタル化が遅れていると言われる業界で、未だに書類やFAXなどアナログな慣習が色濃く残っています。

そんなアナログな業務が慣例化している業界の中で、一つ一つの業務やその管理をすべてデジタルに置き換え、さらにはデータをもとにより効率的な業務に改善していくことは、従業員の業務習慣を変革し、ひいてはお客様の考え方や業界への接し方も変えていくのだと思います。

デジタルを通じて、人の習慣を変え、会社の業務を変え、さらには社会全体を変えていく。それがDX(デジタルトランスフォーメーション)のもとらす大きな役割の一つだと思います。

                     

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