インターンシップの種類や目的、学生のメリットとは?

インターン(インターンシップ)とは、大学生・大学院生が一定期間、企業で働きながら実務や業界について学ぶ制度。職場に入り、リアルな仕事体験やスキルアップができることから、プレ就活として活用する学生も増え、受け入れる企業もまた増えています。

インターンには、大きく2つの種類があります。
①長期インターン
1週間~数ヶ月かけて仕事やビジネスマナーを学び、スキルアップすることが目的。1・2年生からの参加も可能。授業の時間などは考慮されます。

②短期インターン
1日~数週間でレクリエーションや課題解決、企画立案などの疑似体験を行い、会社の雰囲気を体感することが目的。主に就活直前の3年生が参加。休日開催も多いです。

いずれのインターンでも内定に直結する場合もあることから、学生にメリットが多いのですが、企業側もボランティアで開催しているわけではありません。明確な目的を持ち、結果を求めて学生の受け入れをしています。

本記事では、それぞれの目的とメリットについてお話します。企業側の目線もよく理解して、就活の成功に繋げてください!

目次

1.なぜ企業はインターンを募集するようになったのか?

そもそもなぜ企業はインターンを実施するのでしょうか?
ここでは「インターン」の歴史的な背景や、日本におけるインターンの変遷について確認していきます。

(1)インターンシップの起源はアメリカ


インターンシップ制度の源流はアメリカにあります。初めてインターンシップが行われたと言われているのは、アメリカのシンシナティ大学工学部のヘルマン・シュナイダー博士による工作機械メーカーでの就労体験だと言われています。

彼は、インターンシップを始めるにあたって下記のような目的がありました。

一つは、自分の学部学生たちに、大学の授業で学んだ知識を実際の工場で活かしてもらうことで学業への意欲を高めてもらうという狙いです。特に、理系の学生にとって理論や実験で学ぶことを実際に社会で活かす機会を得られることは学ぶモチベーションを高めるといえます。

もう一つは、産学連携によって技術の発展に貢献することでした。「高度な知的資産を持っている大学」が、「技術を活かして商業的な活動を行う民間企業」に新しい技術を提供することで、技術を発展させようということも彼の目的でした。
実際に、フェライトや青色発光ダイオードなどは、この産学連携によって生まれた商品です。

ヘルマン・シュナイダー博士によって生まれたインターンシップは、その後アメリカ全土に広がり、20世紀中頃にはアメリカにおいて、就職活動の手段の一つとなりました。

(2)アメリカにおけるインターンシップ


アメリカにおいてインターンシップが急速に広まったのは、就職活動における評価制度が大きく関わっています。

アメリカでの就活における評価の仕組みは日本と異なり、下記3つのポイントで判定されます。
・学歴(学歴の低い学生は、応募すらできない場合がある。)
・学校での成績(GPAといわれ、一定の評価を下回る学生は足切りされる。)
・即戦力となるスキル(会社で即戦力として活躍できる実践スキルが問われる。)

まず学歴を前提として、次に学校成績で足切りをされます。そして2つの選考を乗り越えた学生が最終的に判断されるのが「実践スキル」です。

アメリカでは、通年採用となっているため、新卒社員と中途社員という切り分けが基本的に存在しません。そのため研修制度がなく、入社一年目であってもすぐに現場で仕事をすることが求められます。

そこで活用されたのがインターンシップです。

特に高学歴層の大学生たちは、自らのスキルを高め、よりよい企業に就職するためインターンシップに積極的に参加しました。

一方企業側も、優秀な学生を確保するために、社員と同等もしくはそれ以上の報酬を出して学生たちを囲い込むようになりました。

その結果、アメリカでは「現場で働く就業体験 = インターンシップ」という認識が広まっていったのです。

(3)日本でインターンが始まったのは約20年前


日本で正式にインターンシップが取り入れられたのは1997年。政府によって普及推進が決定されたことに始まります。

日本で初めてインターンシップに目をつけたのは、アメリカに本社を持つ外資系企業、例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニーやP&Gといった企業でした。

対象大学は、東京大学、京都大学を始めとした高学歴層に限られ、当初はアメリカ同様の就業体験としての目的で取り入れられました。

ところが2010年頃、インターンシップが拡大する中、飲食業界や宿泊業界でインターンシップを悪用する企業が続出。インターンという名目で、学生に無給でアルバイト同様の業務をさせることが社会問題となりました。

この問題を受けてインターンシップが整備され、形を変えて「セミナー形式」や「ディスカッション形式」の日本型インターンシップが生まれたのです。

2.インターンの企業側のメリット


これまで見てきた通り、インターン制度は、受け入れる企業側から見れば採用活動の一環です。

では企業にとってインターンを行うメリットは具体的には何なのでしょうか?ここでは企業側の事情を理解することで、インターンへの取り組み方を考えます。

(1)会社を知って欲しい


採用活動で黙っていても学生が集まる大企業は、ほんの一握りです。ましてや、あまり知られていない中小企業や、成長途中のベンチャー企業は、待っていても学生と出会う機会は殆どありません。

普段の生活で企業名を知る機会は実はあまり多くありません。さらに採用の本選考では、多くの学生が自分が知っている会社名や大手企業の名前で検索しますので、有名企業以外の会社は採用で苦戦することになります。しかし、世の中には名前は知られていないものの、優れた企業や実力のある会社は沢山あります。

インターンは、そういう会社にとっても「ウチの会社を知って欲しい」、「こんな仕事もあるよ」というPR活動の絶好の機会なのです。

(2)優秀な人材を早めに確保したい


どこの会社においても「優秀な人材を採用したい」という目的は変わりません。

企業がインターンを受け入れるのは、実際に仕事をしながら時間をかけて優秀な人材を見付け、育てたいからというのがホンネです。

(3)採用ミスマッチを防ぎたい


時間と労力、そしてお金をかけて採用した新卒社員にたった数ヶ月で辞められると、企業側にとっても大きな損失です。また、会社を辞めないまでも会社や仕事に馴染めず、いつまでも苦労していると、会社の業績にとって貢献できない人材というロスが発生してしまいます。

そもそも新入社員が数年後に辞めてしまう多くの原因は、「こんな仕事だと思っていなかった」、「こんな環境で働くなんて想定していなかった」という学生の企業理解不足に原因があります。

この企業理解の不足、すなわちお互いが理解し合ったうえで採用・入社してもらうためにも、企業は企業は自社のことを学生側にきちんと伝えて理解してもらわなければならないのです。

(4)適性を判断したい


この場合の「適正」とは、「企業に合う」という意味です。

当たり前ですが企業では、すべての従業員の配置・配属希望を叶えることはできません。例えば、法人営業を望んでいる人に対して、リテール営業(個人営業)を命じなければならないこともあります。もしくは東京勤務を望んでいる人が、北海道勤務の辞令をもらうケースもあります。

このように、企業はあくまでも組織ですので、本人の希望や能力とは異なる仕事を任せざるを得ない場面も多々あります。

インターンでは希望の職種を体験することが殆どですが、入社後は必ずしも希望の部署に配属されるとは限りません。それでも会社のためにベストを尽くせるような、「適正がある」人か否かを判断しようとする一面もあります。

(5)本採用後は即戦力に


本選考に繋がるインターンの場合、「入社後は即戦力になって欲しい」というのが、企業の狙いです。

インターン経験者は、新人でも即戦力になりうるケースもあります。スキルやマナーなど、社会人として必要最低限のものは入社時から身に付けているため、次のステップからスタートできる素地を持っているためです。

同じ新入社員でも、基礎から学ぶインターン未経験の学生とは、育てる労力が違います。そのため多くの企業から歓迎されているのです。

3.インターンの種類

インターンと一口に言っても、実施する企業の規模や期間によって様々です。ここではインターンの種類を大きく期間別に分け、その種類と特徴をまとめてみます。

(1)1dayインターン


「1dayインターン」とは文字通り、1日で終了するインターンです。主に企業側からの説明会のような形式が多いです。まれに学生でグループワークを行う内容を含む場合もありますが、時間が短いため内容は比較的薄くなっています。

特徴①:素早く企業理解できる

1dayインターンの最大の特徴は、1日という限られた時間で手っ取り早く企業の説明を受けることができる点です。

もちろん企業の採用ホームページには企業の事業内容などが書いてありますが、1dayインターンでは企業の取り組んでいる事業について詳しく、分かりやすく説明を受けることができます。

そのため、企業理解のために1dayインターンを利用することで、効率的に情報収集をおこなうことができるでしょう。

特徴②:選考に有利な情報も得られる場合もある

1dayインターン参加のメリットは、企業理解だけではありません。時には、採用本選考で有利な情報が得られる場合もあります。

人事部や採用担当から書類選考で見られるポイントについて話があるケースや、面接で重視する項目などについて話される場合もあります。

(2)短期インターン(約1週間)


「短期インターン」とは、約1週間程度のインターンを意味します。短期インターンでは、企業からの説明会と併せて、会社の事業に即したグループワークや、就業体験、社員交流も実施されるケースが多いです。

特徴①:深い企業理解を得られる

短期インターンでは、会社からの説明会に加えて、会社の事業に沿ったグループワークや、就業体験も行われるケースが多いです。

そのため説明会だけの1dayインターンと比べて、より深い企業研究に繋がります。

特徴②:採用本選考への優遇も多い

短期インターンでは、企業も時間を費やして学生とじっくり向き合い、学生の能力や素質を判断できるようになります。

そのため、短期インターンで優秀だと判断した学生に対しては、採用本選考でも優遇するなどの対応を行うケースが多いです。

特徴③:インターン選考自体が厳しい

短期インターンでは、参加するための選考自体もかなりの競争率になることが多いです。

なぜなら1dayインターンでは大人数収容可能なホール等で行い、内容も説明だけですが、短期インターンは限られた人数に対して密度の濃い内容をおこなうため、多くの学生を受け入れることが難しいためです。

また、先ほど述べたように短期インターンは採用本選考へ繋がるケースも多いため、希望する学生も必死になっています。

(3)長期インターン(1週間以上)


長期インターンとは、1週間以上のインターンを意味します。
長期インターンを募集しているのは、主にベンチャー企業が多く、実際の社員と共に就業することで様々な経験を得ることができます。

特徴:深い企業理解を得られる

長期インターンでは、1週間以上、一般的には1か月以上インターンを行います。もちろん社員と一緒に仕事を行っていくため、前述したインターンよりも深く企業を理解することができます。

長期インターンは、ベンチャー企業ではよく実施されており、インターンから採用に繋がるケースも非常に多いです。

4.インターンの学生側のメリット


インターンは普段見られない企業の内側を垣間見るチャンスです。参加する学生にとってもメリットは多くありますし、取り組み方次第で就活全体にも有意義なものとなります。

(1)1dayインターンの場合


先ほど述べたように、1dayインターンは1日限りのインターンで、企業説明会に近い形態が多いのが実情です。1dayインターンに参加するメリットを改めて確認してみます。

①効率的な企業研究に使える

1dayインターンでは、多岐にわたる自社の事業内容などを1日に凝縮して、分かりやすく伝えるようにしています。

そのため、採用サイトや就職対策本などではイメージが付きにくい企業の実態やビジネスの仕組みについて、効率的に理解が深まります。

②本選考に有利な情報が得られる場合も

1dayインターンでは会社説明会だけではなく、採用の本選考で有利な情報が得られるケースもあります。

ただし、あくまで1dayインターンの主なメリットは、企業理解、企業研究という部分ですので、選考の情報に関してはあまり期待しない方が良いでしょう。

(2)短期インターンの場合


約1週間程度の短期インターンでは、社員との交流会、会社の事業に沿ったグループワーク、そして実際の就業体験などの経験を得ることができます。

では具体的にどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

①より深い企業研究ができる

短期インターンでは、1dayインターンよりもさらに進んだ企業研究を行えるようになります。

1dayインターンよりも長い時間、会社に居るのですから当然と言えば当然ですが、それに加えてインターン先の会社との関わり方もより深くなりますので、より深い企業研究となるのです。

最近ではインターネット上に多くの情報がアップされているので、多くの学生はネットから情報収集して企業研究をすると思いますが、それではその他大勢の人と全く同じことしか言えなくなってしまいます。

リアルな場で見聞きし、集めた情報はあなただけのオリジナル情報です。その情報を志望動機などに織り交ぜるだけで、他の学生よりも一歩進んだ力強い志望動機になるでしょう。

②社員との交流

短期インターンでは社員との交流も大きな魅力の一つです。
実際現場で働いている社員とコミュニケーションし、疑問や不安を相談できますし、さらには人事よりも同じ目線で話してくれる社員も多いので話に現実味を感じることでしょう。

社員と触れ合うことで、より真の姿に近い企業像を確認し、自分にとって本当に働きたい職場なのかを判断できることが大きなメリットです。

③グループワーク等の実績が自己PRにもなる

そもそも1週間程度の短期インターンに参加するだけでも厳しい選考を勝ち上がらなくてはなりません。

その短期インターンで実施されるグループワークやプレゼンで勝ち上がることは、非常に有望であるという学生の証となります。

そのため「A社のインターンに参加し、グループワークで表彰されました」等の実績を話すだけでも大きな自己PRに繋がります。

(3)長期インターンの場合


長期インターンは、1週間以上、一般的には1か月以上のインターンとなります。長期インターンを実施しているのは主にIT系やベンチャー系などが多く、グループワークをさらに深く掘り下げたものや、実際の社員と同じような業務を行う場合が多いです。

実際の仕事に関わることで強い志望動機・自己PRに

長期インターンの最大の魅力は、何といっても実際のビジネス業務に携わることです。
グループワークがあくまでも仕事を想定したシミュレーションなのに対して、実際のビジネス現場で社員と一緒に働く経験は何事にも代えがたい経験です。

例えば、ベンチャー企業の営業としてお客さんと打合せを行ったり、Web広告の運用を任せられたり、という業務が多いです。

それらの経験を踏まえたうえで志望動機や自己PRを練ることで、単なる空想の世界ではなく、現実味の強い志望動機・自己PRを作ることが可能です。

これまでスポーツや勉強、サークル等で特に大きな実績を上げてこなかった学生の方でも、これらの経験は企業にとってアピールできる大きな要素となるはずです。

5.インターンでの経験は、就活で役立つのか?


長期でも短期でも、インターンをする一番の目的は「就活を有利にしたい」ということ。実際、インターンの経験は就活に有利になるのでしょうか?ここではインターンが就活に役立つのかを検証していきます。

(1)すべてのインターンが必ずしも選考に役立つとは限らない


結論から言うと、すべてのインターンが必ずしも選考に直結する訳ではありません。

そもそも選考とは関係のない1dayインターンはもちろん、1週間程度の短期インターンに参加できたとしても自分の実力をアピールできなければ、選考に有利に働くことはありません。

もし短期インターンやサマーインターンに参加しても、企業側から高く評価されていなければ、期間終了と同時に一旦白紙に戻されます。

その後の採用本選考に応募するのはもちろん可能ですが、インターンに参加していない学生と同じ基準で審査されるため、優位性ほぼゼロです。

むしろ「インターンに参加しても、選考対象から外れた」というマイナスの評価さえ受けてしまう可能性があります。

企業によってはインターンと採用をはっきり分けているところもありますが、自分が高く評価されていないのであれば、「自分と企業の相性が悪かった」と気持ちを切り替えて他の企業を探す方が得策です。

(2)志望企業なら有利になる可能性もある


志望する会社でインターンが決まったら、それは大きなチャンスです。真剣に取り組んでしっかりアピールしましょう。

でも変に目立とうと気負ったり、格好をつける必要はありません。
それよりも、わからないことは素直に聞き、丁寧に仕事をして手を抜かず、どん欲に学ぶ姿勢が大事です。

当たり前ですが、時間を割いて教えてくれる先輩や上司への感謝の気持ちも忘れないようにしましょう。

(3)全ては自分の取り組み方次第


与えられる立場の学生と違い、社会人は「自分が何を与えられるのか」が大事になります。自分ができる仕事や会社に貢献できることを常に考えなくてはいけません。

インターンは、そんな社会人を体験できる貴重なチャンス。積極的に参加して勉強を重ねて、スキルアップを図りましょう。

そこで何を吸収し、消化して自分のものにできるか。そして与えられたチャンスを活かせるか。全ては自分次第です。

真面目に頑張る姿は、採用担当者も必ず見ています。努力が希望する企業の内定に繋がるように、一所懸命に頑張りましょう。

6.まとめ

ここまで、企業と学生それぞれの目的やメリットについてお話してきました。
インターンの経験は必ずしも就活に有利に働くわけではありませんが、早いうちから社会のルールや仕事の厳しさ、楽しさを知り、経験しながら真剣に考えることは、近い将来、社会人として日を重ねる中でジワジワと役に立ってくるものです。

◆長期・短期インターンを考えている方
早くから基礎を作れる長期インターンや1週間以上の短期インターンは、上手く取り組めば内定と、同期よりも一歩先を行く立ち位置を獲得できます。

しかし一歩間違えば、大学生活という貴重な自由時間の無駄使いになってしまいます。
雰囲気に流されたり焦ったりせず、自分の進みたい道を考えてから始めましょう。

◆1dayインターンを考えている方
実務を経験しないインターンは、見学会のようなもの。数ばかりたくさん参加しても、結局は何にも得るものはなかった、時間の無駄だったということになりかねません。参加先は厳選しましょう。

そして希望の会社が短期決戦型インターンの方。
これは事実上のコンペです。準備を万端にして参加しましょう。生き残り、内定を勝ち取るためには、全力を尽くす必要があります。

自分の将来のためにベストな選択ができるよう、しっかり考えて決めてくださいね!

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