マーケティング・プロダクションとは

マーケティング・プロダクションとは、一言でいうと「市場調査やリサーチのみを専業とする会社」を指します。
例えば、ネットリサーチに強みを持ち、近年ではキュレーションマガジンantennaも制作している「マクロミル」や、楽天グループの強みを活かした「楽天リサーチ」などはマーケティング・プロダクションと言える存在でしょう。

1.マーケティング・プロダクションの業界全体での立ち位置や役割

マーケティング・プロダクションの広告業界全体における立ち位置としては、広告を実施する前段階にどのようなターゲットが広告配信に最適化を知るために調査を実施する「市場調査の役割」と広告実施後に実際にどのような効果が得られたのかを知るための「効果検証の役割」という大きく分けて2つの役割があります。

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2.マーケティング・プロダクションの職種や仕事内容


マーケティング・プロダクションの職種としては、マーケティング職が中心となります。

マーケティング職は、広告代理店から依頼された調査を実施し、市場調査や効果検証を行います。

市場調査と一口に言っても、様々な調査方法がありますので、ここでは代表的な3つの調査方法を紹介します。

(1)インターネット調査

ネット調査は、近年成長が著しく、メジャーな調査手法として台頭してきました。これまで大規模なサンプル数を必要とする市場調査を行う場合には、ランダムに電話を掛けて聞き込む方法やハガキを送ってもらう方法などがありました。しかしネット調査では大量の調査サンプルを一度に、しかもセグメント化して(種類別に分けて)行うことが可能となりました。そのため現在ではネット調査が最もポピュラーな調査手法となっています。

(2)CLT(Central Location Test:会場調査)

CLTは日本語で言うと「会場調査(Central Location Test)」という意味で、一つの会場に人を集めて、新商品・新サービスを試していただき、評価を直接ヒアリングする調査手法です。閉じられた会場内だけで完結するため、製品などの情報が漏洩する心配も少ないため、新しい商品のβテストなどをおこなう場合によく用いられる手法です。

(3)グループインタビュー/デプスインタビュー

グループインタビュー(デプスインタビュー)とは、一つの会場に人を呼んで、そこで商品・サービスに対する質問をしながら、印象や評価を深く引き出していく調査手法です。マジックミラーで仕切られた場所でクライアントが参加するなど、定性的な部分を掘り出し、消費者が本当に思っている気持ちや情報を得たい場合に用いられます。

広告業界におけるマーケティング職は、ただ単にデータを集めるだけではなく、集めたデータに基づいて導き出される結論の部分まで分析することが必要となります。

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3.マーケティング・プロダクションの強みと弱み

マーケティング・プロダクションの強みとしては、顧客データや市場データを保有していることです。また、それらのデータを活かした提案や分析が可能な点も強みであるといえます。

その一方で、マーケティング・プロダクションの弱みとしては、マーケティング・プロダクション単体では広告の提案や運用が行えないため、基本的には、広告会社からの依頼がなければ仕事を請け負うことができないという点です。

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4.マーケティング・プロダクションの近年の流れ


マーケティング・プロダクションの近年の流れとしては、①サービスの多様化と、➁自社媒体の保有があげられます。

これまでのマーケティング・プロダクションのリサーチ手法としてはインタビューやアンケート、会場調査が一般的でしたが、近年ではネット上でのアンケートやモニターによる調査画像化しています。また、単にデータを集計するだけでなく、集めたデータを分析する部分まで行うマーケティング・プロダクションも増えています。

さらに、自社媒体を扱うことによって専門広告代理店の機能を持ち合わせようとする動きも見られます。特にマクロミルの「antenna」では、ハイエンド層をターゲットとした媒体を保有し、広告枠を設置することで、ハイエンド向けブランドの広告を掲載し、高い効果をあげています。

                     

ABOUTこの記事をかいた人

リスティング、ディスプレイ広告といったWeb広告の提案・運用・分析業務を主軸として、大手メーカーや、通販系のクライアントを担当。 最新の情報を取り入れた、新しい運用スキーム提案や、細かく地道な運用に強みがあります。