【例文あり】面接を辞退したいときの正しい伝え方とは?

就職活動をしていると、「第1希望の企業と面接日程が重なった」「選考が進むうちに志望度が低くなった」「第1希望の企業から内定をもらった!」「急な体調不良になった…」など、何らかの理由で選考・面接を辞退したくなることもありますよね。

ここで問題になってくるのが、辞退することを企業に伝えるときの伝え方です。

もちろん自分の都合で辞退するという時点で会社に対して失礼であることに違いはありませんが、
その伝え方によっては印象の悪化を最小限に留めることができます。

今回は、面接を辞退するときの伝える手段と、その方法について詳しく説明します。

1.面接を辞退するときの理由の付け方・言い回し


面接を辞退することを伝えるときは、辞退すること自体が失礼にあたることなので、理由の伝え方や言い回しは慎重に選ぶ必要があります。

もちろん正直に伝えることが一番ではありますが、選考を進める中で志望度が下がってきた場合や、面接を忘れていたときなどは、むしろ正直に伝えてしまうことが相手にとって失礼にあたることもあります。

ですので、正直に伝えるかどうかという部分も含めて状況に応じた適切な理由を伝えるようにしましょう。

(1)選考が進む中で志望度が下がってきた場合

「面接官の人当たりが良くなかった」「会社に入ってみると雰囲気がイメージと違った」など実際に選考を受ける中でミスマッチが起こることはよくあることです。

この場合は、「志望度が下がってきた」ことをそのまま伝えてしまうのは、あまりに失礼なので「他社の選考に決まったので」など他の言い回しを付けて、うまく伝えるようにしましょう。

◆理由の伝え方のポイント
・志望度が下がってきたときは、正直に伝えることが逆に失礼に当たります。
・「他社の選考に決まった」などうまく理由を付けて辞退しましょう。

(2)体調が悪い場合

体調不良の場合は、素直に体調が悪いことを伝えましょう。体調不良は、自分にはどうすることもできない原因なので、素直に伝えましょう。具体的なポイントは下記の通りです。

◆理由の伝え方のポイント
・体調不良の場合は、正直に伝えてしまって問題ありません。
・ただ単に体調不良だけの情報だと疑われてしまう可能性もあるので、病状をできるだけ詳しく伝えましょう。
・「面接のためにお時間を取らせてしまい申し訳ございませんでした」など謝罪の意思もも伝えましょう。

(3)他社に決まった場合

他社に内定をもらった場合も、素直にその旨を伝えましょう。他社に選考が決まったことを伝えるのは気がひけるかもしれませんが、ここで体調不良など嘘をついてしまうと、「後日でも大丈夫ですよ」などと言われてしまい、傷口を広げてしまう可能性もあります。
これまでの選考に時間を掛けてもらったお礼も含めて、誠意を持って伝えましょう。

◆理由の伝え方のポイント
・「2次面接まで選考のためにお時間を割いていただきありがとうございました。」など、面接に時間を割いて頂いたことに対する感謝を伝えましょう。
・「他社様に内定をいただきまして、深く考慮した末に決断させていただきました」など、熟考のうえでの決断であることを伝えましょう。
・「第一志望から内定をもらったので」など、断られる側の企業が不快に思うような内容は伝えないように注意しましょう。

2.面接を辞退するときのメール・電話での伝え方


続いては、面接を辞退するときの伝え方についてご紹介します。面接辞退の連絡は、基本的に「電話」ですることがマナーです。ただし、連絡手段として「訪問し直接伝えること」「電話」「メール」の3つの方法があるので、パターン別にお伝えします。

(1)直接担当者に会って伝える場合

面接を辞退するとき、丁寧に伝えるためには、直接あって伝えたほうがよいと考える就活生もいますが、面接辞退の報告に関しては、できるだけ手間を取らせないために「電話」で伝えることが理想です。

面接を辞退する、いわば今後入社する可能性のない学生に対して貴重な時間を割きたくないのが採用担当者の正直な気持ちです。
それでも「会って伝えたい」という場合は、前もってアポを取ったうえで、以下の流れで伝えるとよいでしょう。

(会って伝える場合の例文)
◇まずは受付で人事担当者が会社にいるか確認をします。

「お世話になっております。〇〇大学の〇〇(フルネーム)と申します。」

「〇月〇日から採用〇次面接のお時間を頂戴しているのですが、
諸事情により、面接を辞退させていただきたく存じまして、
そのお詫びをさせていただきたく、お伺いしました。」

「本日人事部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」

◇人事担当者と話す際
「お忙しい中、お時間を頂戴し申し訳ございません。
〇〇大学の〇〇(フルネーム)と申します。

この度〇月〇日から採用〇次面接のお時間を頂戴しているのですが、面接を辞退させていただきたく、本日お伺いさせていただきました。」

(そういって相手の反応を待ちます。そこで次々と喋るのはNGです。訪問した主旨を理解すれば、人事担当者から反応をしてくれます。)

そこで会話をして、面接辞退の理由を正直に話しましょう。(先述した1~3のパターンに合わせて)

そして、最後に「この度は急な面接辞退をして申し訳ございませんでした」ということと、「お忙しい中突然ご訪問し申し訳ございませんでした」ということ、時間を作ってくれたことに対して感謝の表現をしましょう。

面接辞退の訪問はできるだけ短くすることを心がけ、5~10分以内で終えるように意識しましょう。

(2)電話で伝える場合


面接を辞退する旨を伝える手段としては「電話」が最も適切です。

なぜかというと、「直接会う」場合は最も丁寧な形ではありますが、採用担当者の方に多くの時間を取らせてしまいますし、

一方でメールの場合は、担当者の手間を考えると最も手軽な形ではありますが、「選考の辞退」という重要な連絡を伝える手段としては失礼だと思う方もいるからです。

電話で面接の辞退を申し出る場合は、以下の点に注意するようにしましょう。

①電話を掛ける時間帯に気をつけること

業種にもよりますが、ほとんどの企業が9:00~18:00勤務で、1時間昼休憩を挟みます。
一般的には下記のスケジュールで動いている会社が多いので、以下の○記号のついている時間帯に電話を掛けると良いでしょう。

時間帯業務内容架電
9:00~10:00始業の業務調整やミーティング
10:00~12:00通常業務
12:00~14:00昼礼、昼休憩
14:00~17:00通常業務
17:00~18:00残務調整、ミーティング
18:00以降終業時間

②必ず面接の前日までに電話すること
他社で内定がでた、第1希望の企業と面接日程が重なったなど、急なことではなく事前に辞退することが分かっている場合は、前日までには連絡をするようにしましょう。人事担当者は、1日で数多くの就活生を面接します。1人来るか来ないかでスケジュールも変動するので、「前日」までに連絡するようにしましょう。

③不在の場合は伝言を依頼し、担当者にメールをすること

電話をしても、人事担当者につながらない場合があります。その場合は別の社員さんに面接辞退の旨を伝言依頼しましょう。その時に、必ず電話の相手の名前を控えることを忘れないようにしましょう。企業によって、様々な職種の人がいるため、伝言が伝わらない可能性があります。

電話終了後は、「お電話をさせていただきましたが、ご不在だったので、貴社の〇〇様にご伝言をお願いさせていただきました。直接お詫びをすることができず、申し訳ございません」という文章を入れたメールを送りましょう。つながらない場合に電話+メールのダブルで必ず伝えることが重要です。

(電話で伝える場合の例文)
⇒「お世話になっております。〇〇大学の〇〇(フルネーム)と申します。お忙しい中、お電話をし、申し訳ございません。今、お時間よろしいでしょうか?
(相手の都合を聞くワードは必ず入れましょう。これを言えない就活生が圧倒的に多いです)」

~相手が、都合が良いと答えた場合~
「ありがとうございます。実は、本日お詫びがありお電話をさせてもらいました。
〇月〇日〇時から貴社の採用〇次試験のお時間を頂戴しておりましたが、面接を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。本当に申し訳ございません。」

と言って最初にご紹介した1~3の理由を話しましょう。
最後に、面接辞退の旨をお詫びし、電話の時間を作ってくれたことに感謝する言葉を伝えましょう。

(3)メールでの断り方


面接辞退を旨を伝える最も適切な方法は「電話」ですが、書類選考後や1次面接での辞退で、どうしても電話を避けたい場合は、メールでの連絡でも良いといえます。

メールで面接辞退を申し出る場合には、以下の2点に気をつけましょう。

①メールの件名について

メールの件名ですが、「面接辞退のご連絡 〇〇大学〇〇(フルネーム)」がおすすめです。

よく、就活セミナーなどで「面接辞退のご連絡」だけタイトルに書くように指導されるところもありますが、人事担当者のメールボックスには毎日たくさんのメールが届くので、判別しやすくするために「差出人名」も入れると良いでしょう。

②返信がない場合も気にしない

面接辞退の連絡は、人事担当者にとれば「自分の会社に入る気がない就活生」という目で見るため、一気に他人になります。そのため、返信が来ないことも多いので、自分がきちんと送信していれば、そのまま放置していて大丈夫です。

ただし、別日に面接を希望するなど特別な条件がある場合は、人事担当者宛てに電話をして、きちんとお詫びすることをおすすめします。

(メールで伝える場合の例文)
⇒株式会社〇〇〇
人事部 〇〇様(人事部長など肩書がある場合は肩書を記入しましょう)

お世話になっております。
〇〇大学の〇〇(フルネーム)と申します。
この度〇月〇日〇時から、採用〇次面接のお時間を頂戴しているのですが、諸般の事情により、面接を辞退させて頂きたく、ご連絡をさせていただきました。
実は…(ここから1~3の事情で当てはまるものを簡潔に書きます)
(例)実は、他社様に内定を頂戴したため、深く思慮した末、貴社の面接を辞退させていただきたいと思っております。など

〇次試験のお時間を頂いたにも関わらず、大変申し訳ございません。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
この度は大変申し訳ございませんでした。

=========================
〇〇大学〇〇(フルネーム)
TEL:〇〇―〇〇
MAIL:〇〇〇@〇〇〇

3.絶対に避けたい「無断欠席」


近年はオープンESやネット申込みの定着によって、手軽に企業への採用申込みが出来るようになりました。

しかし手軽さの一方で問題になっているのが学生の無断欠席です。

ほとんど志望していない企業にもエントリーをしてしまい、結果的にエントリー自体を忘れていたり、直前に思い出して無断欠席する学生が増えています。

こういった無断欠席は採用担当者に対して失礼な態度ですし、来年から社会人になる一人の大人として決して取ってはいけない対応です。

また、関連会社やグループ会社内では、学生の情報をまとめて管理している企業もあり、面接や説明会の無断欠席を繰り返してしまうと、その情報が関連会社内で伝わってしまい、不利になってしまうという可能性もないとはいえません。

企業へのエントリーは慎重に行い、志望したからには最後まで選考をやり抜く覚悟で就活に取り組むようにしましょう。

4.まとめ

今回は、面接辞退の理由別辞退方法、辞退の旨連絡方法、面接の無断欠席の危険性についてご紹介しました。
就職活動をしていると、複数社同時に応募しますし、自分の中で第1希望、第2希望の企業と、その他企業の順位はつけてしまうものです。そのため、面接辞退の連絡をしなければならないタイミングは誰にも訪れる可能性があります。

そんなときに、1年後働く社会人として「正しいマナー」で、自分を採用するために時間を作ってくれた企業に対して、きちんと連絡することはとても大切です。

それは何より、将来、就活生であるあなたが「どんな社会人になるのか」が決まるくらい大切なことです。
ぜひ、「誠実な社会人」になれるよう、正しいマナーで面接辞退をしましょう!

                     

ABOUTこの記事をかいた人

大学卒業後、教育系中堅広告代理店で高校教員、大学職員、企業人事と協力して、若者の進学・就職支援事業に従事。 現在は、新人教育・新人研修・採用・コンサルを行う。また、若者の就職、仕事に関する記事の作成を中心に執筆活動も行う。