話題のSaaS業界を徹底解剖!SaaS業界ってどんなところ?現状・将来の展望・転職事情を解説!

コロナ禍で経済が脅かされるなか、存在感を増し、需要を伸ばしている業界があります。オンライン化やカスタマーサクセスを支援するSaaSサービスです。SaaSとはなんなのか、SaaS業界が拡大・成長しているのはなぜなのか、SaaS業界の転職事情はどうなっているのかなどについて、徹底的に解説します。

SaaSって何?

SaaSとは、「Software as a Service」の略で「サース」または「サーズ」と読みます。「SARS(重症急性呼吸器症候群)」との混同を避けるため、「サース」と読むほうが一般的です。インターネットを介して提供されるソフトウェア、もしくはそのソフトウェアを提供するサービス形態のことをSaaSと言います。

かつてのソフトウェアは、利用者がパッケージ製品を購入し自分のパソコンにインストールして利用するという方法が主流でした。対してSaaSでは、ソフトウェアを提供者であるベンダー側のクラウドサーバーで稼働させ、利用者はインターネットを介してソフトウェアサービスを利用します。

Googleが提供しているメールサービスの「Gmail」、Microsoftが提供するOfficeアプリの「Microsoft365」、Dropboxが提供するオンラインストレージサービスの「Dropbox」など、いまやSaaSサービスは私たちの日常に欠かせない身近なものとなりつつあるのです。

SaaS業界の現状

SaaS市場は近年急成長を遂げており、年々市場規模を拡大しています。また、コロナ禍によってテレワーク化が進んだことで「Zoom」をはじめとするWeb会議サービスなどSaaSサービスの需要が高まり、あらためてその重要性が再認識されました。ウィズコロナ・アフターコロナの時代においてもSaaS業界は成長を続けていくでしょう。

SaaS業界が拡大・成長している理由

SaaSは利用したいサービスだけを、利用したい期間だけ継続課金して利用する「サブスクリプション型」のビジネスモデルです。近ごろは「サブスク」と略されることもあります。初期費用が安く、デバイスとインターネット環境さえあればすぐに利用することができるため、設備投資などが必要なオンプレミス型に比べて導入ハードルは低めです。
さらに、インターネット環境下にあればオフィスという場所に縛られずに自由にアクセスすることができます。データをクラウド上に保存でき、複数人で管理・編集することが可能なため、情報共有の容易化などにより業務効率を高めることができるという点も人気です。

総務省の令和元年度版情報通信白書(PDF版)によると、SaaSを含むクラウドサービスの市場は世界において2018年時点で1,946億ドルという規模に達しました。さらに、この白書では2021年には3,469億ドルの市場規模になると予測しています。
また、富士キメラ総研が調査した「ソフトウェアビジネス新市場 2019年版」によると、SaaSの国内市場は2019年度見込みで5,646億円、2023年度予測は8,174億円となっています。SaaS業界は、利用者のニーズを受けて拡大・成長を続けているのです。

コロナ禍で益々注目を浴びるSaaS業界

新型コロナウィルス感染症が引き起こしたいわゆる「コロナ禍」において、SaaSサービスの需要はさらに高まりました。テレワークを余儀なくされる人が増えたことで、Web会議サービスの「Zoom」、ビジネス向けチャットツールの「Slack」、Microsoft365におけるチームコラボレーションのハブとしてチャット・会議・通話がおこなえる「Microsoft Teams」などのサービスがあらためて注目されたのです。

HENNGEが2020年3月に実施した企業におけるSaaS利用とテレワークに関する調査によると、SaaSを利用している企業の65%がテレワークを実施したのに対して、SaaSを利用していない企業のテレワーク実施率は12.7%でした。ウィズコロナ・アフターコロナの時代においてテレワークを実施する必要性が増すなか、SaaSサービスを利用する企業は益々増えていくことが予測されます。同時に、複数のクラウド・ベンダーから提供される複数のクラウドサービスを利用する、「マルチクラウド化」も進んでいくのではないかと言われています。

異業種からSaaS業界への転職事情

拡大・成長を続けていくSaaS業界には、異業種からも転職希望者が増えています。どの業界でも言えることですが、SaaS業界で働くことにも人によって向き・不向きがあり、メリット・デメリットがつきものです。伸びている業界だからと安易に志望せず、自分が求めるワークスタイルと合致するのかどうかを見極めましょう。

SaaS業界で求められる職種・人材

SaaS業界で求められている職種は、主に営業とエンジニアです。SaaSサービスは「製品を売って終わり」という売り切り型のビジネスではありません。ビジネスを拡大していくためには解約率を下げて継続率を高めることが重要であり、ある意味でサービスを導入してもらってからが腕の見せどころなのです。そのため、営業でもエンジニアでも長期的な「カスタマーサクセス」の視点がもてる人材が必要とされています。

SaaS業界に向いている人・向いていない人

SaaS業界では、顧客と信頼関係を結んで長期的にフォローしていくことが求められます。そのため、営業であっても「サービスや製品を良くしていきたい」「顧客のニーズを反映させたい」という姿勢や自社製品に対する知識など、エンジニア的な側面が必要です。またエンジニアであっても、顧客と良い関係を続けていくためにマーケティング的な視点が必要となります。

職種に関わらず、中長期的な視点で顧客をフォローし、継続的なサービス改善を粘り強くおこなえる人はSaaS業界向きです。人材流動が多い業界のため、自分のスキルを高めてキャリアアップをしたいという人にもおすすめできます。
逆に、「短期でドカンと売上をあげたい」「多くの顧客ニーズに合致するサービスではなく、顧客ごとにカスタマイズして個別の価値提供をしたい」という人はSaaS業界には向いていないかもしれません。

SaaS業界に転職するメリット・デメリット

SaaS業界のようなサブスクリプション型のビジネスモデルは、「売上予測を立てやすいため収益構造が比較的安定しやすい」「利用者側から見た導入ハードルが高くないためサービス導入を決断してもらいやすい」などのメリットがあります。また、成長市場でトレンドの製品・サービスを扱えるというのも利点です。

初期費用が安いため受注時の金額はあまり高額にならないことが多く、「何億円を売り上げた!」といった一時的な達成感が得られにくいことや、解約率にビジネスの成長が大きく左右されてしまうことなどはデメリットと言えます。

さらなる発展が見込めるSaaS業界に転職するなら

ウィズコロナ、アフターコロナの経済活動が模索されるなか、益々市場を拡大していくとされているSaaS業界についてご紹介しました。サービス内容・ビジネスモデルともに今の時代のニーズに適したSaaS業界への就職・転職を志す人は、この先も増えていくことでしょう。
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