カンタン!自己分析に役立つ「自分史年表」の意味や作りかた

人は自分のことを知っている様で、実は意外に知らないものです。

中国の思想家・戦略家である孫子はこういう言葉を残しています。
「彼(相手)を知り、己(自分)を知れば、百戦危うからず」
この言葉は、敵についても、味方(自分)についても情勢をしっかり把握していれば、何回戦っても敗れることはないという意味です。

就活についても同じことが言えます。いくら業界研究・企業分析を行っても、自分について知らなければ、間違った方向に歩むことになるかもしれません。

では具体的にどうすれば自分を知ることができるのでしょうか?その答えの一つが「自分史年表」を作ることです。

「自分史年表」とは、自分がこれまでどのような経験をしてきたのか、そして何を考え、何を頑張ってきたのかを、年表のように作ることです。

今までの人生の中で学んだこと、感じたことを振り返ることで、自分の長所・短所、そして何が好きで、何に向いているのかが明らかになってきます。

自分を客観的に分析することで、自分の価値観が分かり、目指すべき方向が見えてくるのです。

今回はそんな自分史年表の意味や具体的なやり方まで詳しくご紹介します!

1.就活で自分史年表を作る意味とは


就職活動をする上で、自己分析は最初にクリアすべき大事な課題です。
感覚的に目指す業界や企業を決めるのではなく、自分の価値観や適性を把握したうえで業界や企業を選べば、お互いのニーズがマッチするので間違いはありません。

自分史年表をつくることは、自分の進むべき道を決めるうえで重要な作業なのです。では具体的に自分史年表の意味についてお伝えします。

(1)そもそも「自分史年表」とは


自分史年表は、世界史や日本史の年表と同じように、自分の過去から現在までの中で、思い出深い出来事や転機となった事柄を、時系列で書き出した自分自身の年表のことです。

物心がついてから現在までを振り返ると、様々な場面で、複数の選択肢の中から、自分がひとつの選択をして現在に至っていることがわかります。

学校、部活、バイト、友だち選びなど、その時々で選択した項目が時系列で客観的に眺められるのが自分史年表の特徴です。

(2)自分史年表を書くことで得られるもの

①自分の人生を俯瞰的・客観的に把握できる


これまでの出来事を俯瞰的に眺めると、意外な繋がりや、転機となったポイントが見えてきます。

また、年表としてまとまった出来事を客観的に見ると、その時々で感じたことや選択した理由など、今まで気がつかなかった自分の傾向がつかめてきます。これが自己分析にとって大きく役立ちます。

複数の選択肢の中から、ひとつを選択することは、偶然のように見えても、根底には自分の強い意思が働いているのです。人は嫌いな方向へは、基本的な進まないものです。

②自分の未来像が明確になる


自分の強み、弱み、価値観などは、全て過去から形成されています。
特に、幼少期・中学・高校・大学での育った環境や、出来事、抱いた感情には、未来へのヒントが数多くあります。

自分史年表を通して過去の自分が選択してきたことを再認識すれば、自己分析に必要な「自分の強み」、「弱み」、「適性」、「価値観」などを知ることができます。

自分の選択の歴史の中にこそ、自分の本当にやりたいこと、将来進みたい方向性が隠されているのです。ただ過去を振り返るのではなく、自分の未来を見つけることが、自分史年表を作る最大の目的です。

2.自分史年表の作り方


いざ自分史年表を作ると言っても、どこから手をつけていいか戸惑うはずです。
きちんとした文章を書くのは大変ですし、そもそもどんな年表を作ればよいのかも分からないかもしれません。

今回オススメする自分史年表は、就活用につくるもので、誰かに見せるものではありません。思い出の旅を楽しむ日記のように、気楽な気持ちで始めてください。

(1)【STEP1】テンプレートをダウンロード

自分史年表の構成を考え、一から組み立てるのは大変です。
そこで利用したいのが、無料で提供されている自分史作りのためのテンプレートです。あらかじめ雛型があるので、項目だけを入力すれば短時間で自分史年表が完成します。

ここでは、「パワーポイント」、「ワード」、「エクセル」と、タイプの違うテンプレートを3つご紹介します。

①マイクロソフトの自分史年表

マイクロソフトが無料で提供している、今までの出来事を振り返るための年表です。
シンプルなグラデーションのデザインで、すでに出来あがっている表に、文章を差し替えるだけで使えます。

写真を追加する欄もありますが、就活用の自分史年表では、写真は入れる必要はありません。

パワーポイントに、「年」、「プライベート」、「学習・仕事」、「記憶に残っていること」の項目を記入していくスタイルです。楽しく整理ができる自分史年表で、時間をかけずにスイスイ作ることができます。

<参考>https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=10871

②Land Islandの自分史年表

「Land Island」は、ワードファイルに表があるだけの、最もシンプルなスタイルの自分史年表のテンプレートです。

項目は、「年月」、「出来事」、「コンテンツ」、「その他」と分かれていて、表にする際は、自分で罫線を引く必要があります。フレームを作る手間が省けるテンプレートで、自由にアレンジすることも可能です。

<参考>http://land-island.com/?page_id=2685

③Think overの自分史年表

「Think over」は、エクセルファイルの本格的な自分史年表のテンプレートです。
1年ごとに年表が区切られていて、自分の当時の年齢から家族の年齢まで記入する欄があります。
さらに、「住まい」、「所属」、「目標」、「出来事」などの項目のほかに、「世界の出来事」、「国内の出来事」、「オリンピック」、「総理大臣」などを記入する項目まであります。

世の中の出来事を見ながら思い出をたどれるので、より鮮明な記憶を引き出すことができます。就活にも使えますが、本格的な自分史や未来日記としても活用できるスタイルです。

<参考>http://thinkover.hateblo.jp/entry/my-chronological

(2)【STEP2】年齢・学校・住んでいる場所などで、区切りをつける

学生にとって最も分かりやすいのは、「学校」による区切り方です。
最初に、「小学校」、「中学校」、「高校」、「大学」といったように学校時期によって区分けをします。

さらにその中に、「年齢」、「住んでいた場所」などを書き込むことで、より明確に記憶をたどることができます。

その時に関わった、友達や先生、先輩、後輩、親せきなどの名前を書いていくと、より思い出の糸がつながってきます。

(3)【STEP3】時期ごとに項目を書き加える

区切りをつけた年表の中に、自分にとって重要だと思える出来事を書き加えていきましょう。
例えば、以下のようなものです。
・関わった人/友達/先生
・学業/部活
・得意な科目/苦手な科目
・趣味/遊び
・記憶に残っているイベント/エピソード
・影響を受けた人/出来事
あまり深刻に考えずに、まずは思い出すままに気軽な気持ちで書き出しましょう。

(4)【STEP4】自分史を添削・追記する

自分史を一通り書き終えたら、余分な部分・不足している部分をチェックして修正・追記します。

最初は思い出すままに、多くの項目を出していると思うので、必要ないと思える項目は削ったり、統合したりして整理しましょう。

3.就職活動に繋がる自分史年表の分析方法

自分史年表ができあがったら、いよいよ自己分析に入ります。思い出に浸ることなく、俯瞰的かつ客観的に、自分がたどってきた歴史の選択を見つめてみましょう。

(1)自分がしたいことを知る(Want)


自分が楽しいと感じた出来事を3つ挙げ、それらの共通点を見つけましょう。その共通点から、自分の志望業界・志望企業像が見えてきます。

例:
小学校時代
⇒運動会のリレーで有力メンバーがいない中、チームワークで優勝を勝ち取ったこと
中学校時代
⇒文化祭の出し物を、みんなで放課後遅くまで残って準備したこと
大学時代
⇒サークルの仲間とハワイ旅行にいったこと

「運動会」、「文化祭」、「ハワイ旅行」と、一見共通点の見えない3つの出来事ですが、本質的には以下2つの共通点があるといえます。
・チームメンバーとの出来事であること
・何らかのイベントであること

従って、この場合は「仲間と一緒に働く感覚を持てる会社・仕事」が向いているといえます。反対に、ひとりでコツコツと事務的な作業をこなすのはあまり得意ではないということも見えてきます。

(2)自分ができることを知る(Can)


たとえ自分があまり努力していなくても、他の人から褒められた記憶を思い出してみましょう。そこから、自分が人よりも能力を発揮できる可能性の高い分野が見えてきます。

例:
・友達を誘って遊ぶと、よく喜ばれた
⇒人を楽しませる企画力、ムードメーカー
・掃除を褒められた
⇒細かい部分に気がつく人
・カードやコインなどの収集をしていた
⇒正確かつ継続的に物事を処理できる人

自分の能力(長所)が分かれば、それを活かせる業界を考えてみましょう。どんな業界だったら、こんな人材が活躍できるのか?

例えば「企画力がありムードメーカーで、細かいことに気がついテキバキと仕事ができる」という長所が分かれば、広告業界やIT業界に適性があるかも知れません。

4.本格的に仕上げたい方向け!自分史年表作成用の本を紹介

ここからは、自分史年表を就活用だけでなく、今後の人生でも活かせるように本格的なものを作りたい人向けに、参考となる本をご紹介します。「自分史」は、就活だけでなく、転職など自分のこれまでを振り返り、未来を考えたい時に非常に有意義なものです。

(1) 脳を活性化する 自分史年表 愛蔵版DX


著者:藤田 敬治/出版社:出窓社/発売日:2011年3月

「脳を活性化する自分史年表」は、見開き2ページが1年という贅沢な構成で、1920年から2009年までの90年分を掲載しています。

左のページには、内外の社会的な事件や、その年に話題になった映画・歌・テレビ番組・ファッションなどの文化、新商品、物価などが記載されています。

思い出すための手がかりがたくさんあるので、鮮明に記憶をたどることができるとともに、当時、自分が何を考えていたのかが思い出しやすいつくりになっています。就活だけでなく、転職など、他にも使えるタイプの自分史の本です。

(2) 朝日新聞自分史ノート


著者:朝日新聞社メディアラボ /出版社:朝日新聞出版/発売日:2014年8月20日

「朝日新聞自分史ノート」は、昭和と平成の主要なニュースや報道写真を掲載した、新聞社ならではのスタイルの自分史ノートです。

朝日新聞の紙面を飾った歴史的な出来事を振り返りながら、自分の人生の年表をつくっていきます。記者が、取材のプロの視点で自分史の書き方を教えてくれる、本格的な自分史ノートです。

(3) 失敗しない自分史づくり 98のコツ


著者:前田 義寛ほか/出版社:創英社/発売日:2013年3月12日

この本は、一般社団法人自分史活用推進協議会の理事3人が書き起こした自分史づくりの本です。

自分史の原稿を書き上げる工程ごとに、肩の凝らない優しいトーンで書き方のコツが示されています。自分史のつくりかたのコツが分かるだけでなく、コラムとして読んでもおもしろい内容になっています。

5.まとめ

自分史年表の意味や作り方、参考となる本などをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

自分史年表をつくる目的は、現時点で気づいていない自分の価値観を発見することにあります。そのため、最初から自分はこうゆう性格だからとか、こんな会社に行きたいという先入観や思い込みは捨てて、他人の年表を作る感覚で取り組むことが重要です。

自分史年表で、きちんとした自己分析が行うことができれば、就活でも怖いものはありません。面接でも、自分の長所や目指すべき方向性をしっかりとアピールすることができます。

何より、自分が「どんな社会人になりたいのか」、「どんな会社で働きたいのか」が、自分の価値観と照らし合わせて明確に知ることができます。自分史年表づくりは、自分自身の未来の指針を見つけることができる効果的な方法です。

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