自己分析シートは多くの学生が利用しており、今や就職活動の定番とも言える存在になっています。
ただそうは言っても「どれを選べばいいかわからない」「そんなのやる意味あるの?」という人も多いのではないでしょうか。
自己分析シートとはシートを埋めるだけで就活に必要なレベルの自己分析ができるというもので、これにしっかり取り組むか否かでその後の人生が左右されるといっても過言ではありません。
なぜなら自己分析は自分が志望する企業に入れるかということはもちろん、企業に入った後の活躍にも関わってくるためです。
今回は本当の志望企業を見つけるための自己紹介シートを合計25枚紹介するので、自分が使える時間やどの程度の分析が必要かに応じて、自己分析シート選びの参考にして下さい!
この記事では、自己分析の意味や、ワークシートの使い方も合わせて解説していますが、とにかく自己分析のワークシートだけが欲しいという方は、
以下のリンクから合計25種類のワークシートをまとめてダウンロードできるので、ぜひ活用して下さい。
目次
1.就活で最も大切なのは「自己分析」
冒頭でも言ったように自己分析は就活において大きなウェイトを占めますが、実際自己分析はどの程度重要なのでしょうか。
ここでは自己分析の重要性や自己分析がどのように役立つのかについて解説していきます。
(1)就活生は、「自己分析」に最も後悔している
就活において自己分析がいかに重要かということは就活を終えた人が最も後悔しているのは実は自己分析であるという事実からもわかります。
以下は一般財団法人 雇用開発センターが就活を終えた学生に対して「もっと早く取り組めばよかったことは何か」と質問し、その回答をグラフでまとめたものです。
見てわかる通り、16年、17年ともにもっと早く取り組めばよかったこと1位は「自己分析」となっています。
このように、多くの人が自己分析について後悔しているということからも自己分析の重要性を知ることができます。
自分がその「多くの人」の内の一人にならないよう、自己分析にはなるべく早いうちから取り組むことが大切です。

出典:一般財団法人 雇用開発センター『2017年卒大学生就職活動調査』(2017.5.10)
(2)なぜ自己分析が大切なのか
①業界選び
就活を始める上でまずしなければならないのは業界選びですが、自己分析をすることで、自分がどのような業界で働きたいのかということや自分にはどのような業界が向いているのかが自ずと見えてきます。
なぜなら業界は「自分がやりたいこと」に基づいて選ぶものであり、自己分析によってこれを把握することができるためです。そのため志望業界を決める際は、業界研究なども重要ですが、まずは自己分析にとりかかって自分のやりたいことを見つけることが大切です。
②志望企業選び
業界を選んだあとは志望企業を決める必要がありますが、企業選びにおいても自己分析は非常に役立ちます。これは自己分析によって自分が将来何を得たいか、どのような人間になりたいかといった将来像を明確にイメージでき、それに基づいて企業を選ぶことができるためです。例えば、高い収入が欲しいという人なら月給や手当が良い企業、若いうちからバリバリ働きたいという人なら若手が活躍している企業、というふうに、自己分析をすることで将来像と照らし合わせて企業選びができます。また、自己分析に基づいて企業を選ぶことで企業に入った後に後悔する、いわゆるミスマッチも格段に減らすことができます。このように、志望企業を選ぶうえでも自己分析は非常に重要です。
③ES対策
自己分析はES対策にもなります。ESというと「何を書けばいいのかわからない」「書くことがない」という就活生も少なくないと思いますが、自己分析をすることは自分が今まで気づかなかった長所・短所に気づくことにつながるので、先ほど挙げたような悩みはほとんどの場合、自己分析によって解消することができます。また、膨大な過去の経験を分析して、自分の言葉で書かれたESはそうでないものと比べて説得力が格段に上がります。このような理由から、自己分析はESを書く上でも非常に重要だと言えます。
④面接対策
自己分析は面接の場でも非常に重要です。確かに自己分析をしていなくても面接で受け答えはできますが、そもそも自分自身について理解していないと、回答は一貫性がなかったり、表面的なものになってしまいます。こうなると当然面接官にアピールするのは難しくなってしまいます。逆に自己分析をしっかりやって自分の適性や価値観について理解できている人は、面接で自分の軸をもって受け答えができるので、面接官からの評価は高くなります。つまり、自己分析をして面接に臨むことは他の学生との差別化につながります。
⑤入社後の活躍・会社とのマッチング
自己分析は就活の前だけでなく、就活の後、つまり企業に入った後にも関わってきます。なぜなら、企業に憧れや身近さだけで入ってしまうとミスマッチが起こる可能性が高くなり、そうなるとせっかく能力があってもそれが思うように発揮できなかったり、最悪の場合、転職しなければならなくなってしまうためです。このように自己分析は就活前、就活中だけでなく就活後にも関わってくるため、今のうちからしっかり取り組むことが重要です。
2.【10分~20分でできる自己分析】選択式ワークシート編
次は選択式ワークシートについてご紹介します。選択式ワークシートは手軽にできるものが多いのであまり時間がないという方にはおススメです。
(1)選択式ワークシートを使った自己分析の特徴
①メリット
選択式ワークシートのメリットとしてはやはり「早く終わる」という点が挙げられます。自己分析はそれなりに時間がかかるものですが選択式ワークシートは10分~20分程度で終わるものがほとんどなので時間がないという方でも取り組みやすくなっています。
②デメリット
選択式ワークシートのデメリットとしてそこまで深い分析ができないということが挙げられます。選択式ワークシートは質問が与えられて、自分がどの程度それに当てはまるかを答えるだけなので早く終わる一方で、書き込み式のものなどに比べると分析の精度は劣ってしまいます。
(2)選択式ワークシートに取り組めるWebサイト8選
①マイナビ
マイナビが提供している「適職診断 MATCH」は、今までに300万人の就活生が利用したもので、パーソナリティ診断とバリュー診断の2つをもとに、自分の強みや自分に向いている職種や業界を診断してくれます。300万人が受けたということから信頼性も高いので、最初に取り組むにはおススメです。
②リクナビ
リクナビの自己分析シートは110問の質問に答えるだけでどのような仕事が向いているのかがわかり、仕事探しのアドバイスもしてくれます。110問と聞くと多くきこえますが5分ほどで終わってしまうため、手軽さがリクナビの魅力と言えます。
③offer box
offer boxが提供している自己分析シートが適職診断Analyze U+で、25項目で自分を分析し、自分が社会に出たとき活かせる強みを診断してくれます。これまで受けた100万人のデータをもとに診断されるため、精度も高いものになっています。
④S-KIT
S-KITは自分のパーソナリティに関する質問だけでなく文章題や算数のような問題などにも答えるため、論理的思考力や言語理解力など他の自己分析シートではわからないことがわかるようになっています。60分と、他のものに比べて少し時間がかかってしまうのが難点ですが、ある程度時間があるという方にはおススメです。
⑤エニアグラム
エニアグラムの「エニア」はギリシャ語で数字の9を表しており、診断結果に基づいて自分を9つあると言われる性格タイプの内の一つに分類してくれます。これによって自分でも気づかなかった考え方や行動の傾向を把握できるようになっています。
⑥キャリタス就活
出典:https://quest.career-tasu.jp/
キャリタス就活の自己分析ツールは、診断結果によって自分をRPGキャラに例えてくれるというユニークなものになっています。自己分析は途中でめんどくさくなってやめてしまうという方も多いと思いますがキャリタスのものは質問に答える過程でも工夫がされており、良い意味で自己分析っぽさがないので最後まで飽きずにやり通すことができるようになっています。
⑦適職診断VCAP
適職診断VCAPは心理学の交流分析という考えを利用した自己分析ツールで、職業適性はもちろん、収入偏差値なども診断してくれます。また、この項目がAの人は全体の何%という風に他の人と比べて優れている点も教えてくれるので、やるだけでも自信につながるようになっています。
⑧しごとナビ適職診断テスト
出典:https://www.shigotonavi.co.jp/
適職診断テストは30問の質問に答えるだけで自分に向いている仕事を診断してくれます。また、「お仕事ナビ」というサイトと連携しており、その仕事に就くために必要なスキルを身につけられる専門学校などを紹介してくれます。
3.【1日でできる自己分析】書き込み式ワークシート編(簡易版)
次は書き込み式ワークシートについて解説していきます。
書き込み式のものは選択式のものに比べて時間がかかりますが、その分より詳しい自己分析ができるようになっています。
(1)書き込み式ワークシート(簡易版)を使った自己分析の特徴
①メリット
書き込み式ワークシートのメリットは、先ほども言った通り時間がかかる分、選択式のものよりも深く、詳細な分析ができるという点にあります。そのためある程度時間が取れるという方には書き込み式のものがおススメです。
②デメリット
書き込み式のもののデメリットとして選択式のものより時間がかかるという点が挙げられます。選択式のものは5分程度で終わるものがほとんどです、書き込み式のものをやる場合、ある程度まとまった時間が必要になります。また簡易版書き込みシートは詳細版のものに比べて「過去」や「未来」の分析が中途半端になってしまいます。
(2)【6枚で完了!】書き込み式ワークシート(簡易版)の手順
簡易版書き込みシートは以下の6つの手順で進めていきます。選択式のものに比べるとハードになりますが、それぞれの部分で自分なりに目的を考えて取り組むようにしましょう。
①今の夢と憧れの人物
ここではまず今どんな夢を持っているのか、どんな人に憧れるのかを上げてみましょう。就職活動を始めると、多くの学生は「自分の受ける会社用の」夢を自分の夢と錯覚してしまいます。そのため、まず自分の本音に気づくことが自己分析おいて重要です。
②好きなこと・楽しかったこと
自分がどんなことに楽しさを覚えてきたのか、思いつく限り挙げてみましょう。何となく自分ではわかっているようなことでも、文字にして書いてみることで自分の大事にしたいこと、これからも追い求めたい喜びが見えてくるはずです。
③悔しかったこと・満たされなかったこと
家庭環境や生い立ちが原因で欲しかったのに手に入れられなかったもの、寂しさ、悔しさなど満たされなかった思いやコンプレックスを上げてみましょう。その中にこれからの人生で追い求めたいことのヒントがあるかもしれません。
④自分の好きなこところ・嫌いなところ
自分の好きなところ・嫌いなところを書き出してみましょう。このとき注意したいのが「面接で何を言うか」「エントリーシートに何を書くか」ありきで考えないということです。あくまで自分を客観的に把握するということが重要です。
⑤あなたの弱点
自分に正直に自分の弱点を書き出してみましょう。誰かに見せるものではないので、あくまで自分に正直にというところがポイントです。自分の弱点を知ることが、就活で勝つためのファーストステップです。
⑥「あなたの長所」と「短所の推測」
自分の長所と短所を挙げてみましょう。このとき短所は、あなた自身の短所ではなく、一般的にその長所を持つ人には、どんな短所があるかという視点で考えるのがポイントです。
4.【1週間~1ヶ月でできる自己分析】書き込み式ワークシート編(詳細版)
次は詳細版の書き込み式ワークシートについて解説していきます。
詳細版書き込み式シートは簡易版や選択式のものに比べて非常に詳細な分析ができることが特徴です。
(1)書き込み式ワークシート(詳細版)を使った自己分析の特徴
①メリット
詳細版書き込み式ワークシートのメリットは今までのものとは違い「現在」に加えて「過去」、「未来」という視点も加わるため、非常に深く、詳細な分析ができるという点です。そのため時間に余裕があるという方は詳細版のワークシートに取り組むのが最もおススメです。
②デメリット
詳細版ワークシートのデメリットは1週間~1カ月など長期的なスパンで取り組むことが必要な点です。特に就活が忙しくなってくると時間に余裕がなくなってくるため、詳細版ワークシートは早いうちから取り組むことが必要です。
(2)【19枚で完了!】書き込み式ワークシート(詳細版)の手順
詳細版ワークシートではまずこれまでの人生を客観的に振り返り、次に現時点での自分の強み、弱み、価値観などを整理し、最後に自分の望む生き方について考えるという構成になっています。これによって過去、現在、未来の自分について等身大の自分と自分の本音を把握することができます。
◆過去を振り返る
親に愛された記憶
ここでは両親からどの程度愛されていたか、思い出してみましょう。自己分析と親の愛は一見全く関係のないものに見えますが、親の愛情に気づくことによって情緒が安定し、自信がないときでも持っていられる自信を手に入れることができます。
学生生活マトリクス(幼少/小学校/中学校/高校/大学)
今の自分の価値観の形成には大学生活ももちろんですが、それ以上に大学に入る以前の経験が大きくかかわっています。物心がついてから現在に至るまで自分がどんな人生を歩んできたのか、「自分史」を作るつもりで振り返ってみましょう。
対人関係マトリクス(幼少/小学校/中学校/高校/大学)
ここでの目的は自分が自分以外の人とどのような関係を築いてきたかを把握することにあります。両親や友人、恋人、先輩や後輩と、ぶつかれる関係か、ぶつかって離れてしまう関係か、頼りすぎていないか。自分で振り返ってみましょう。自分のこれまでの対人関係を振り返ることで自分に足りないものが見えてくるはずです。
経験マトリクス(小学校/中学校/高校/大学)
小・中・高・大学時代についてそれぞれの切り口で、どんな経験をしてきたか挙げてみましょう。すごい経験である必要はないので当てはまると思うものを思い出しましょう。特にあげられる経験がない場合は「その時期、そういう経験がなかった」ということに気づくことがここでは大切です。
◆現状を把握する
人間関係ネットワーク
自分にはどんな人間関係のネットワークがあるでしょうか。年齢、国籍、学校などバックボーンや価値観が違ういろいろな人とかかわることができているのか、ここで振り返ってみましょう。
人間関係の得手不得手
人間関係には得手不得手がありますが、ここではその得意な人、不得意な人のいろいろな面を知ることで苦手なタイプがいない人を目指すのが目的です。自分がなぜそういう人を苦手とするのかということもここで考えてみましょう。
長所・短所の理由
ここでは自分の長所・短所を挙げ、自分がなぜそのような長所・短所を持つに至ったのか、親との関係など幼児期からの生い立ちを振り返り、今の自分の個性がどのように育まれていったのか、その理由を客観的に分析しましょう。
自分の「ウリ」と「弱点」
ここでは自分の「ウリ」と弱点について考えます。自分の長所がたくさんある中でどのようなところが「ウリ」になるか考えてみましょう。弱点を考える上ではまず「自分の」ではなく、一般論として考えるのがポイントです。弱点を挙げ終わったら、再度自分が思う自分のウリについて考えてみましょう。
◆自分の未来を考える
⑨小さい頃の夢と今の夢
自分が小さい頃の夢には、心の奥深くにある志向が隠れているはずです。照れずに書き出してみましょう。また仕事のこと、遊びのこと、趣味のことなど何でもいいので今の夢についても書き出してみましょう。
⑩親父とお袋
両親は多くの学生にとって最も身近にいる大人です。その生き方について気共感できるところ、共感できないところを挙げてみましょう。この時、どうして両親はそうなったのか、どうして自分はそう思うのか、突っ込んで考えてみてください。
⑪最も大切なもの
自分にとって最も大切なものは何でしょうか。一つ一つについてよく考え、無理やりでも順番をつけてみましょう。そしてあなたが「なぜそれを重視したいのか」を考えてみましょう。これによって自分の人生観やこだわりを明確にしていくと同時に自分の考え方、価値観を持てるようになるのが目標です。
⑫憧れのワーキングシーン
ここでは雑誌や本などから直感で1枚の写真をピックアップし、その上でぜそれがいいと思ったのか、冷静に分析してみましょう。友達と意見交換するなどして違いを浮き彫りにすることで自分の価値観がより明確になっていくはずです。
⑬30歳の私、40歳の私
30歳の時に理想の自分になっている人は、30歳の理想の自分をはっきりとイメージできている人です。30歳、40歳の時自分がどうなっていたいのか、現時点で考える自分の理想像をできるだけ具体的に書いてみましょう。
⑭人生のこだわり
自分の志望業界などに関係なく、自分の人生に対する「こだわり」を書き出し、そのうえでそのうえでそれぞれに優先順位をつけてみましょう。優先順位をつけることで自分にとって何が大切なのか、見えてくるはずです。
◆総まとめ
⑮私のビジョン
これまでの総まとめです。自分がどういう人間なのか、最終的にどういう大人になりたいのか。内定するとかしないとか、そんな小さいことからは離れて自分の究極の夢を思う存分書いてみましょう。その夢を実現するために仕事があり、そのために就職があります。まず仕事ありきでは本末転倒なので、そんな考えは捨て去って考えましょう。その上で自分にとってベストな仕事を選ぶことが重要です。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
自己分析シートはかかる時間別に選択式ワークシート、簡易版書き込み式ワークシート、詳細版書き込み式ワークシートの3つに分けられます。
選択式ワークシートはそこまで深い分析はできないものの5分程度でできてしまう手軽さが魅力です。そのため時間書き込み式のものをやる時間がないという方は選択式のものがおススメです。
簡易版書き込みシートは選択式のものに比べて手間がかかる分、より詳しく自己分析ができるようになっています。ただ過去、未来における分析という点では詳細版に劣ってしまいます。
詳細版書き込みシートは終わらせるまでに多くの時間がかかるのが難点ですが、就活に必要なレベルの自己分析が十二分にできるため時間に余裕がある方には最もおススメです。
自分に合った自己分析シートを使って他の学生より就活を有利に進めましょう!