ありきたりと言わせない!自己PRで「責任感」を効果的にアピールするコツ

自己PRを聞かれて「責任感」と答えようと思っていても、ありきたりで物足りなさを感じている方もいるでしょう。

「責任感があります。と答えるのはなんだかしっくりこない。」
「自己PRに責任感がある事と答える学生はたくさんいるから埋もれてしまう?」
と悩んでいると思います。

まず責任感を自己PRしたいならば、「責任感」という言葉は使わないようにしましょう。責任感という言葉はとても抽象的であり、また多くの就活生が自己PRにあげてくるため、面接官からするとありきたりであり、かつどこか納得しにくいものです。そこで、あえて「責任感」という言葉を使わずに、具体例を話すことで説得力をもたせましょう。

そもそも、社会人にとって責任感とは「結果に対する責任」を指します。
長年、代理店で面接官として多くの就活生を見てきましたが、過程の部分ばかり強調している学生を多く見ます。しかし「責任感の強さ」をアピールする場合は、多くの就活生がアピールする内容であるだけに、エピソード選びや裏付け、そして適切な表現方法が必要になります。

今回の記事では、自己PRで責任感をアピールする際に多くの学生が間違ってしまいがちなポイントから、説得力のあるエピソードの選び方、面接時での表現方法までご紹介します。この記事を参考にしてあなただけの自己PRを考えてみてください。

1.責任感をアピールする自己PRの例文


最後に、「責任感」をアピールするための自己PR例文を紹介します。それぞれの例文の下には、これまでの内容にもとづいたポイントを挙げていますので、ぜひ自分の自己PRの参考にしてみてください。

(1)部活動経験をアピールする場合


◆例文
私はチームの目標達成のためには、自分の苦労を厭わない人間です。
大学ではサッカー部のキャプテンを務めていました。上手かったからというわけではありません。
全体練習が終わった後も他の選手の個人練習に遅くまで付き合っていたこと、チームの雰囲気が悪いときは率先して盛り上げたことなどが評価につながったと考えています。
チームには一部リーグ昇格という目標がありましたが、ここ5年間は達成できずにいました。そこでまず私は監督に相談し、戦術を見直すことを提案しました。
チームには小柄で線が細いかわりにテクニックのある選手が多かったのですが、今までは創部以来の伝統である、走力や体力が必要な戦い方を続けていました。
しかし私は、チームの強みである技術力を活かすほうが良いのではと考えたのです。
最初はチームメイトから反発の声も上がりましたが、粘り強く話し合しあうことで賛同を得ることができました。参考になりそうな海外のチームを探し、練習方法から研究し取り入れていきました。
戸惑うチームメイトには、自分の時間を削ってでも練習に付き合いました。そして1年後、チームは一部昇格という目標を果たすことができたのです。
御社に入社しても、まず目標の達成を第一優先に、そのために自分は何ができるか考えながら仕事をしていきたいと考えています。

◆ポイント
・1年以上の継続的な活動エピソードになっている
・チーム戦術を根本から変えるところが、コンセプトレベルからの改善になっている
・「責任感」という言葉を「自己犠牲」という言葉に置き換えて表現している

(2)ゼミ活動をアピールする場合


◆例文
私の強みは最後まで物事をやり遂げること、そしてそのための改善策を考え実行することです。
私が所属していたゼミでは多くの学生とチームを組み、1年をかけて実験や研究を重ね、年度の最後に発表をするのですが、私たちのチームに与えられたテーマが非常に難解で時間がかかるものだったため、途中で放り出すメンバーが続出したのです。
私は残ったわずかなメンバーに、自分は絶対に発表を成功させたいと宣言しました。そして、発表日から逆算して組み立てたスケジュール表を作成し、全員で取り決めをしました。
どんなに忙しくても毎日朝・夕2回は実験の時間を確保し、メンバーの誰かが必ず参加すること、そしてオンラインのタスク共有ツールを使って全員で進捗状況を共有することなどです。
最後には無事発表することができ、教授からも内容を高く評価されました。社会人になれば、仕事としてよりハードルの高いミッションを与えられるかと思います。
しかし私は、このゼミでの経験のように必ず最後までやり遂げ、結果を出していきたいと考えています。

◆ポイント
・メンバーの脱退という困難を乗り越えたエピソードになっている
・1年近くの継続的な活動のエピソードになっている
・「責任感」という言葉を「当事者意識」という言葉に置き換えて表現している

(3)インターン活動をアピールする場合


◆例文
私は、困難な状況に置かれたときでも、それを打開する方法を考え、行動に移せる人間です。マーケティング企業のインターン生として、法人向けセミナーのテレアポ営業をしていたときのことです。
開催日の10日前にもかかわらず、目標集客人数の3分の1にも満たないという状況に直面したことがありました。
周りのインターン生は、それでも以前と同じ内容の電話を続けていましたが、私はこれではダメだ!と改善策を考えることにしました。
具体的には、メッセージの内容を変え、セミナー講師の人気ではなく、参加することによって得られるメリットとその希少性を前面に出してアピールするよう心がけました。
また参加対象者となる広告営業担当者に電話がつながりやすい時間帯を調べ、インターン生全員に共有し、休憩時間を調整して集中的に架電を増やしました。
この結果、セミナー5日前に目標の集客人数を達成することができ、さらに追加セミナーの実施も決まるなど成功を収めました。
社会人になっても、困難を乗り切る方法を考え取り組み続ける姿勢を忘れずに仕事をしたいと考えています。

◆ポイント
・集客の危機という困難を乗り越えたエピソードになっている
・電話でのメッセージ内容の変更がコンセプトレベルの改善になっている
・「責任感」という言葉を「セミナー集客人数の改善」という結果に置き換えて表現している

テキスト版

2.自己PRでの「責任感」の捉え方の違い


自己「責任感」のアピールで失敗する原因として、「責任感」の捉え方に対する学生と企業のギャップがあげられます。アピール内容を考える前に、まずはビジネスで求められる「責任感」について、正確に意味を把握しておきましょう。

(1)学生と社会人の「責任感」の違い


学生の感覚では、例えば「アルバイトを一日も休まなかった人」、「部活動で最後まで残って練習していた人」など、「努力した人」を「責任感が強い人」と表現すると思いますが、就職活動および社会人における責任感は「努力ではなく結果」です。

もちろん、努力して何かに取り組んだ過程は、素晴らしい経験ですが、企業で働く上では、努力はもちろん、求められた結果を出すことが最も大切なことです。

例えば、目標の売上を達成する、〆切までに資料を提出する、といった結果が求められます。言い換えれば、社会人は「売上は達成しなかったけど頑張った」、「努力したけど、資料は間に合わなかった」というのは評価されません。

そのため、企業の採用担当者は「当事者意識をもって、結果に対して責任をもつ」ことを責任感と捉えていて、結果を出したエピソードを基に、学生の「責任感の強さ」を評価しています。

ポイント
◆学生が考える「責任感」
⇒アルバイトを頑張った、部活で努力した、サークルのリーダーを務めたなど

◆採用担当者が考える「責任感」
⇒当事者意識を持って取り組み、「結果」に対して責任をもつこと

(2)就活で「責任感が強い人」とは


それでは就活面接で責任感が強い人とは具体的にどのような人なのでしょうか。

先ほど述べた通り、社会人における「責任感」とはあくまでも努力ではなく、結果に対して最後まで完遂する力です。

ここで一旦、会社側の事情も説明しておきます。

社会人になると、「目標達成のために努力した」というプロセス(過程)はあまり評価されません。

なぜなら、それらのプロセスは主観的なもので、他の人から客観的に見えにくいからです。例えば会社で働くAさんとBさんの2人が「努力したので昇進させてほしい」と言っても、2人の努力や頑張りは当然異なります。

企業の人事としては、2人の努力がどのくらい違うのか、はたまた同じくらい努力したのかは見えにくく、評価しにくいのです。

そのため企業としては、「売上〇〇万円」、「リードタイムを〇〇%削減する」といった、誰が見ても公平な分かりやすい目標を設け、どれくらい達成したかで、人を評価するのです。

このような企業側の事情を理解してもらえると、なぜ採用担当が「頑張った」、「努力した」という学生の自己PRをあまり評価しないのか分かってもらえるかと思います。

以上のことから、就職活動の自己PRで「責任感の強さ」をアピールする際には、「頑張った、努力した」という事ではなく、あくまでも「〇〇を達成するために頑張った」という結果まで繋げて話すようにしましょう。

(3)責任感が強い人の具体例


それでは「責任感の強い人」とは、具体的にどのような人を指すのでしょうか。ここでは例として、責任感がある人の特徴を2つ紹介します。

①自分で目標を立てて、達成した経験のある人


部活や資格取得、バイトなどで明確な目標を立て、実際に達成した経験は「責任感」のアピールとして効果的です。

自分で目標を設定し、逆算して自分の課題を解決していく姿勢は、どんな仕事でも求められる能力です。

エピソード例

・◯◯大会でレギュラーになることを目標にして、そのために不足している能力を補うために、◯◯と◯◯に取り組んで、実際にレギュラー入りした。
・バイトで店舗売上を20%改善する方法を考えるように言われ、◯◯の案を提案し、自分が進めていく中で半年後に目標の売上20%改善を達成した。

②人を巻き込んで目標を達成した経験の有る人


自分一人で目標達成をした経験に加えて、チームで協力して目標達成に導いたエピソードも、「責任感」のアピールとして有効です。

目標を達成するために、人を動かしたり、管理する能力は、特にマネジメント層の仕事で求められる能力です。

エピソード例

・◯◯大会で全国大会に出場するために、キャプテンとしてチーム課題をメンバーに提示し、解決に向けて◯◯の取り組みを行った。
・ゼミで出場した◯◯プレゼン会で、リーダーとして、それぞれの役割を管理し、個人の能力に合わせた役割を任せることで、完成度の高い発表ができ、グランプリに選ばれた。

大手版

3.「責任感」のアピールに有効なエピソードの選び方


自己PRを考える上で、エピソードを選ぶと思いますが、「責任感」のアピールには、エピソードの選び方によって採用担当者へのアピール力が変わってきます。

ここでは、「責任感」のアピールにおすすめのエピソードを2つ紹介します。

(1)コンセプトレベルからの改善エピソード


ありがちな規定路線の範囲内での改善ではなく、現状把握・課題の発見・原因分析を伴うコンセプトレベルでの改善経験を伝えると、「責任感の強さ」がより人事に伝わります。

たとえアルバイトや部活動でも、「なぜ?」という問題意識をもって取り組み、課題解決をした経験は高く評価されます。

エピソード例

・いつも使っている近所の和菓子屋で、「冬の売上が伸び悩んでいる」という相談を受けたため、◯◯という新商品を提案したところ夏と同程度の売上に回復したエピソード
・部活のチームで近年、成績の不安定さが指摘されていたため、メンタルトレーニングを取り入れ、成績が安定したエピソード

(2)継続的な活動エピソード


単発的なイベントのエピソードではなく、半年、一年といった長期的な活動であれば、「責任感」のアピールに繋がります。

ビジネスでは単発的な仕事はほとんどありませんし、結果を残すには継続的なトライ&エラーが欠かせません。趣味でも勉強でも何かひとつを長期的に続け、最後までやり遂げた経験は、「責任感」のアピールにつながります。

ただ単に継続したエピソードだけでは、アピールとして弱いため、「継続したことで、どんなことを学んだか?」「継続するためにどんな工夫や努力をしたのか?」をアピールすることが大切です。

エピソード例

・大学の実行委員会で、半年に渡って構成準備を重ねて、イベントを成功させたエピソード
・ゼミの書記として2年間活動を続け、書き起こしの能力を活かしてイベントの書き起こしインターンを始めたエピソード

(3)困難を乗り越えたエピソード


困難を乗り越えて結果を残したエピソードは、「責任感」のアピールに繋がります。

たとえば「部活でケガ人続出のなか優勝に導いた」、「学業と部活を両立しながら厳しい環境でTOEICの目標点を達成したなど」、すんなり上手くいったことよりも、大きな困難を乗り越えて結果を残した経験は、結果に対する「責任感」の強さを裏づけることができ、企業から高い評価を得ることができます。

ポイントは「必死に」や「絶望的」などの、感情的な表現を用いずに伝えること。採用担当者は、学生の精神論を聞きたいわけではありません。

あくまで客観的な事実として、上手く行かなかった状況の厳しさを伝えるよう心がけましょう。

エピソード例

・部員の問題行動が原因で、20人中15人が退部したチームで活動を続け、後輩の勧誘に注力したことで人数を取り戻したエピソード
・大学にはスポーツ推薦で入学して、部活ではレギュラーとして活躍しながらも、将来の海外勤務の目標を果たすためにTOEICの勉強に取り組み、800点を達成したエピソード

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4.企業に評価されやすい「責任感」アピールの表現ポイント


たとえ同じ内容のエピソードを伝えても、表現の仕方によって採用担当者の受ける印象は大きく変わってきます。「責任感」のある人物であると評価されやすい表現ポイントを学びましょう。

(1)可能な限り「責任感」という言葉を使わない


「責任感」を直接的に表現するのではなく、「チームの目標達成のためには、自分の苦労を厭わない」「自分が損してでも目標達成を優先する」など、具体的なエピソードを用いて間接的に表現しましょう。

「責任感」をアピールしたい学生の多くが、「私の強みは責任感です。なぜなら〜」と自己PRをはじめてしまいがちです。しかし、「責任感」という言葉は抽象的ですし、先に説明したように、学生と採用担当者ではその捉え方に大きなギャップがあります。話がはじまった瞬間に、「またか」と思われかねません。

自己PRに説得力をもたせるには、具体的であることが不可欠です。上に挙げたような、企業が求める「責任感」を持っていることをアピールできるエピソードを伝えて、できるだけ「責任感」という言葉を使わないようにしましょう。

(2)「見た目・しゃべり方・内容」の全てで伝える意識を持つ


面接官が受ける印象は、話す内容だけで決まるわけではありません。面接官は、学生のあらゆる要素を無意識のうちに考慮して印象を決めています。

私達が普段から感じているように、同じ言葉でも話す人によって意味の捉え方は変わります。それと同じで、言葉は、伝える雰囲気、態度、喋り方、顔つき、間のとり方で意味のとり方、印象が変わってきます。

面接官が笑っているときは朗らからな顔になり、自己PRのコアな部分を伝えるときは切れのある表情で重みを持って話すなど、身体全体を使って伝える意識を持つことが大切です。

表情・喋り方・態度のポイント

◆表情
・会場に入るときは凛々しい笑顔で
・常に口元を引き締めておく

◆喋り方
・面接においてコアとなる回答であるほど、即答せず、タメを作って話し始める
・情熱を持って伝えたい言葉ほど、声のトーンを低く抑える

◆態度
・連続して相槌を打たない
・面接官と笑いを共有する

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、面接での自己PRで「責任感」を有効にアピールする方法を紹介してきました。

責任感の強さは、ほとんどの企業が求めている能力といえますが、言葉として使い古されてしまったがゆえに、具体的に説明しなければ、面接官には伝わりません。

今回紹介した選び方でぴったりのエピソードを選び、表現方法に注意して面接に望むようにしましょう。

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