就活はいつから始めるべきか?内定者インタビューや、これまでの変遷も解説

2019卒の就職活動が落ち着き、サマーインターンシップをはじめ、いよいよ2020卒の就職活動が始まりました。昨日まで遊んでいた友人がいきなり黒髪になったり、自己分析の話を聞かされたり、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな不安を抱える就職活動前の方々に「いつから就活を始めるべきか」を教えたいと思います。

結論から言うと、2019卒と同じ選考スケジュールで進んでいく2020卒の学生は、遅くとも大学3年生の1月から始める必要があります。もちろん早めに始めれば、その分だけアドバンテージにはなってきます。

1.2020卒の学生はいつからはじめるべきか


前提として、2020卒の学生(学部3年生・大学院1年生)の就職活動スケジュールは、2018卒、2019卒の大学生のスケジュールと同じです。大学3年生の3月にエントリー受付解禁、大学4年生の6月に選考解禁となっています。

大学3年生の3月からは、企業がエントリー受付を開始し、説明会やセミナーなども始まります。ここで行われる説明会は本採用の評価に加点になるものが多く、志望度の高い企業であればできるだけ多く参加しておく必要があります。そのためエントリー前にある程度行きたい業界や会社を絞っておくことが大切です。

さらに、4月上旬くらいからSPIの受験を促す企業もあるので、もちろんSPI対策が必要です。しかし、直前の3月は説明会ラッシュに巻き込まれ、SPI対策の時間を確保することが困難になってきます。

つまり3月のエントリー受付解禁前に、ある程度行きたい会社の選定やSPI対策をしていく必要があるのです。実は、就活が本格的に始まる3月から自己分析やSPIの勉強を始めても、知らない間に出遅れてしまっているのです。

したがって、遅くとも企業エントリー受付の2ヵ月前の、大学3年生の1月から就職活動を始める必要があるのです。2ヶ月あれば、SPIも自己分析もある程度深めることが可能です。

2.日系企業と外資系企業で始める時期に違いはあるのか?


グローバル化の影響が伴い、近年外資系企業の数が3,332社(前年度比5.7%増)と増えており、外資系企業に就職することを考えている学生も多くなってきています。
(※経済産業省「平成27年度 外資系企業動向調査」参考)

皆さんの中にも、外資系企業に興味のある方は多いのではないでしょうか?では外資系と日系企業で就活が始まる時期に違いはあるのでしょうか?

結論を言えば、日系企業と外資系企業では大きく就職活動を始める時期が異なります。先ほど、経団連に属する就職活動(一般的な就職活動)の選考スケジュールについて述べましたが、外資系企業は少し異なっています。外資系企業は、経団連に所属している企業はあるものの、選考フローが日系企業に比べて早いケースが多いのです。※以下の図表を参照

そこで就職活動を始める時期に関しては、日系企業志望であれば遅くとも大学3年次の1月から、外資系企業志望であれば遅くとも大学3年次の4月から始める必要があります。

上記の表の通り、外資系企業の内定時期は3年生の12~1月で80%、日系企業は4年生の5~6月で80%とピークが異なります。

そのため、就活開始のタイミングも日系と外資系では大きく異なることになります。外資系の企業は3年生の6月から本格的な選考が始まるので、3年生の4月頃から始めるべきでしょう。

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3.【インタビュー】2019卒大手広告代理店の内定者はいつから始めたのか?


ここからは2019卒で6月上旬まで就活をしていた深瀬さん(仮名)に実際にインタビューを行い、自身の就活を振り返ってもらいました。以下インタビュー内容です。

Q1:早速ですが、就活はいつ頃から始めましたか?

深瀬:就活自体は11月くらいから意識して始めました。自分が行きたかった大手広告代理店は、自分の大学からそんなに多く出ていないと聞いていたので、危機感を感じて早めに動き出し始めました。

Q2:最初、何から始めればいいのかわからなかったと思うのですが、具体的にどうしましたか。

深瀬:そうですね、とにかく筆記試験の勉強をしました。俗に言うSPI対策です。合計すると約300時間もSPI対策を行ったと思います(笑)
大手広告代理店に行くためには、8割以上は取らなければならないと聞いていたので、社員の方に自分の話を聞いてもらえないで終わるのは悔しいと思い、頑張りました。

Q3:広告代理店に行きたいと思った時期はいつ頃だったのですか。

深瀬:大学に入学する前から、英語の教員、もしくは広告代理店の仕事に就きたかったので、その時期から考えていました。私の父がメーカーで広告関係の仕事をやっていたので、幼い頃から広告への憧れがありました。それが1番大きい理由です。

大学2年生の時期に価値観が変わった大きな転機があり、教員ではなく就職すると決めたタイミングで、昔からあこがれていた広告代理店で働こうと決心しました。

Q4:教員志望をなぜ辞めようと思ったのですか?

深瀬:私は大学に入るまで、部活しかやってきませんでした。いわゆる学校としか接点がなかったのですね。しかし、大学に入学してサークルを自分で立ち上げた時に、様々な人たちと接点を持つようになり視野が大きく広がりました。そこで会った社会人の方たちを見て、やはり社会に出てみたい(教員ではなく民間で働きたい)なという気持ちが大きくなりました。自分の頭の中にあった職業が教師しかなかったので、大きく価値観を変えられました。

Q5:11月から始めた就活でしたが、どんなスケジュールで進めていたのですか。

深瀬:11月からSPIの勉強はしていたのですが、実は1月までサークルが忙しくて、引退してから説明会や自己分析を始めました。率直に言って、就活を始める時期の問題よりも、どれだけ効率よく、ひたむきにできるかで決まると思います。

最悪3月からでも大丈夫だと思っています(笑)とはいえ、就活を始めるのが早ければ早いほど有利なのは間違いない事です。私は説明会に150社ぐらい参加して、エントリーは74社出し、面接も140回行うなど、周囲の学生と比べてもかなりの時間を就職活動に費やしました。正直、そこまでする必要は正直なかったのかも知れませんが、色々な企業を見ておくことは選択肢を広げる意味でも非常に有意義だっと感じています。

Q6:広告代理店以外はどんな会社に応募しましたか?

深瀬:色々な会社の説明会に足を運び、自分の性格や感性に合った企業に応募しました。結果論となってしまいますが、自分が企業説明会で魅力を感じた会社には、2つの要素が当てはまりました。1つ目は、会社として大きな目標を掲げていること。2つ目は、社員さんのモチベーションが高く働いている点です。内定先の企業もその条件に当てはまっていました。

Q7:広告代理店を受けるにあたって何か取り組んだことはありましたか?

深瀬:広告業界について詳しく知るために、広告関係の2冊本を買って徹底的に読み込みました。さらには、広告業界の面接ではクリエイティブな質問があるので、予めクリエイティブな質問に答えられるように対策をしました。具体的には、「好きな人へのアプローチ方法を教えてください」といった質問がありました。一見、何を答えればいいのかわからないですよね。

でも、こういったクリエイティブな質問は広告業界のビジネスモデルを理解していると、上手に回答できるのです。前述の質問であれば、「好きな人」を消費者に見立てて考えます。そして、どんな方法でアプローチしたら、相手に気に入ってもらえるかを考えていきます。

Q8:最後に、数ある広告代理店の中で、現在の会社に決めた決め手は何ですか?

深瀬:まだ世の中に出ていない良い商品やサービスを世間に知らせることができる点に魅力を感じました。

Q9:会社に入ってからの目標を教えてください。

深瀬:まだ世の中に出ていない商品やサービスを世に発信させて世の中を動かしていきたいです。ものすごい大きな目標なのですが、大学入る前から抱いていた想いなので、まずはがむしゃらに働きます(笑)

Q10:就活で後悔している部分があれば、教えてください。

深瀬:思ったことをもっと行動に移せばよかったと思っています。完璧に自己分析してから、面接で学ぶことも多いのです。

Q11:最後に後輩にアドバイスをお願いします。

深瀬:「新卒」というブランドのついた最初で最後の就職活動です。「自分はどこに行きたいのか」、「自分がどんな社会人になりたいのか」という問いを本気で考えた方が良いと思います。大手広告代理店など人気の企業の採用倍率を見ると、一瞬不安に感じるかもしれませんが、自分を信じて頑張ってください。

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4.これまでの就活時期の変遷を簡単に振り返る


ここまで、現在の就職時期における「いつから就活を始めるべきか」について様々な角度から紹介してきました。ここでは、現在におけるこの就活時期がどう変化してきたのか簡単に振りさらに深く考えられるようにしていきましょう。

以下の表は過去10年間の就活時期の変遷です。見てわかる通り、就活時期の変化が激しい時代だからこそ準備が非常に大切になってくることがわかるでしょう。いつから始まっても大丈夫なように備えなければなりません。


※直近10年間の就活時期の変遷(ADvice独自調査)

ここでの最も重要なことは、直近の10年間は2.5年に1回、就活スケジュールが変化していることです。非常に変化の激しい10年と言えるでしょう。現在の「3月情報解禁(就活オープン)、6月選考解禁」というスケジュールは直近4年間継続して続いていますが、今後もこのスケジュールのまま進んでいく保証はどこにもないということです。「備えあれば患いなし」という言葉がありますが、まさに今の時代はいつ就活時期が変化しても備えていく必要があります。

5.就活を始めるためにまず始めることは?


ここまで「いつ頃から就活を始めればいいの」について、詳しく述べてきました。

しかしながら、いざ始めてみようと思っても「何から始めればいいのか」なんて思った方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな多くの方の疑問に対して、重要度の高い3つの就活準備の方法をご紹介していきます。

(1)自己分析


就職活動において「自己分析」は最も大切な準備です。

自己分析の目的は2つです。
1つ目は自分の仕事選びの軸を明確化するため。これまでの人生を振り返り、どういった価値観で意思決定を行ってきたかを明確化することで、自分なりの考えや価値観で、自分に合う企業を選定することが出来ます。

2つ目の目的は、自分自身を他人にわかりやすく伝えるため。就活では、初対面の人に「自分がどういう人なのか」を伝える必要があります。そのためには、日常のさまざまな場面に表れている「自分」を把握しておくことが何よりも大事なのです。

自己分析が出来ていない状態で、就活を始めると「どの会社の説明会に行けばいいのか?」、「面接で自分のことをどう伝えればいいのか?」わからなくなってしまいます。上記2つの重要かつ本質な問いに対する答えを明確にするためにも、ます率先して自己分析を行うことをオススメします。

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(2)OBOG訪問


前述した「自己分析」を行い、働きたい企業が明らかになった次は、興味のある業界や企業で働いている先輩を訪ね、実際の仕事内容、社内の雰囲気などを知ることができるOBOG訪問をするのがいいでしょう。3年次の3月から始まる企業の説明会やセミナーなどは、学生の参加人数も多く、あまり多くの情報を聞けないケースが多くあります。

インターネットでも簡単に情報収集ができる時代ですが、実際に働いている社会人から直接、実情や本音を聞くことで、実際入社した後もイメージギャップなどの失敗をしない就職に繋がります。

OBOG訪問をする方法は幾つかありますが、その中でも「Matcher※」というアプリはたくさんのOBOGの方々が登録しているためオススメです。実際にお会いするOBOGの方の中には、学生の自己分析まで手伝ってくれる方もいらっしゃいます。

Matcher株式会社(英:Matcher Inc.)

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(3)SPI対策


SPIの内容は大きく2つに分類されます。1つは基礎的な能力を測る「能力検査」。2つ目は、応募者の人となりを把握するための「性格検査」です。

「性格検査」の場合、対策するというよりも本音で臨んだほうが本人のためにもなりますので、ここでは対策は省かせて頂きます。

「能力検査」は、働く上で必要となる基礎的な能力を測る検査です。具体的に、「言語分野」と「非言語分野」という2種類の問題を通して、「問われていることが何かを正しく理解し、どういったプロセスで考えれば答えが出そうかを合理的に考え、効果的・効率的に処理していく能力」を測ります。

レベル的にはそこまで高いものは要求されませんが、正確かつスピーディーに回答することが鍵となるため、対策は必須です。本屋などに売っている対策本を買って3周ほどすれば十分です。

上記に挙げた項目はあくまでも例えなので、各々が何から就活を始めるべきか考えて対策していきましょう。

6.まとめ

ここまで記事をご覧になってくださりありがとうございます。最後にここまでを振り返り、内容を簡潔に伝えます。

一般的な日系企業の就活を始めるタイミングは、遅くとも3年生の1月から始めることをオススメします。ただ、外資系は選考フローが異なる為、日系企業よりも早く対策しなければいけません。

また、今までの就活時期の変遷を見て分かった通り、現在は流動的に時期が変化していく時代です。そのためには、自己分析、SPIをはじめ、早めから就活に対して取り組む必要があります。後悔しない就活をするためにも、きちんと計画的に就活の準備を行いましょう。

                     

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シェアハウスで日々鍛錬中の大学生。大学では箱根駅伝好きが高じて、スポーツ記者に挑戦。 誰もが認める生粋のおばあちゃんっ子。最近はまっているものはスムージー。