せっかく入社した現在の会社から転職すべきか否か、思い悩む20代の方は多いかと思います。
「今後のキャリアを考えると、仕事変えた方が良いのかな」
「仕事内容が合わないな」
と悩む方は多いかと思います。
結論から申しますと、20代で転職する人は多いです。
調査によると、意外にも20代での転職経験者は全体の約42%という結果となっています。
※参考:株式会社学情「20代で再就職したいキミヘ」
今回は20代で転職する際に知っておいてもらいたい情報を紹介します。
目次
<はじめに>第二新卒の方への転職アドバイス
新卒さらには転職市場は「空前の売手市場」と言われていますが、果たして転職は簡単なのでしょうか?
これまで150人近くの第二新卒の方のカウンセリングを実施してきた私から言わせれば、答えは「ノー」です。なぜなら第二新卒の方の多くが退職理由や志望動機を軽視しているからです。
自己PRや志望動機の書き直し、さらには面接対策についてもう一度考えてみたい方はこちらも併せてお読みください。
第二新卒者への転職アドバイス
1.20代での転職は早すぎる!?
結論から言うと、20代で転職するのは決して早くないということです。
上の図は、新卒3年以内の学卒者の離職率を表したグラフですが、ご覧の通り3年以内で離職する人は3割以上、2年以内で離職する人は2割以上、1年以内で離職する人は1割以上という結果になっていることが分かります。
つまり、20代、しかも3年以内に辞めてしまう人は10人に3人にも上りますので、20代すべてを含めると、いかに多くの方が離職しているかは想像にたやすいかと思います。
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2.あなたは当てはまる?20代の4つの転職理由!
右も左も分からず社会に放り込まれる20代前半、そして仕事に慣れ始めてからも仕事や人間関係での悩みを抱えるなど、20代の働く悩みは尽きません。
特に、社会時になれば1日の大半を費やす仕事に関わる悩みを持つ方も多くなります。そこで今回は、20代の仕事の悩みについて紹介していこうと思います。
(1)仕事内容が合わない、つまらない
「仕事内容が合わない、つまらない」という悩みは20代前半の方に最も多い悩みです。
なぜなら、20代前半はそこまで仕事に慣れておらず、上司や先輩のアシスタント(補助役)など表舞台に立てる人も多くないためです。そのため仕事に対する理想と現実に苦しめられ、学生の頃に思い描いていた仕事への理想がなかなか捨てられないのも20代の特徴です。
(2)人間関係に苦しむ
マイナビ転職が実施した「20~35歳の男女が転職したい理由」を調査したアンケートで2位にランクインしたのが「人間関係」です。
上司や先輩、社内関係部署、さらには取引先など、社会人になれば水が合わないと思う人でも無理にでも付き合わなくてはならないことも増えます。また、先輩(上司)と後輩(部下)の間で人間関係の板挟みになり、苦しむ人も多いです。
*引用:kayabiz.com/ningenkankei-tennsyoku/
(3)給与が低い!
「給料が低い」という悩みは20代に限らず、多くの社会人が持つ悩みですが、確かに20代のうちは昇給やボーナスが少ないので、そう感じるのも無理が無いかも知れません。
また、20代前半のうちは仕事の効率もそこまで良くないため、仕事が多くあると捉えてしまい、「仕事量が多い割に給与が低い」という不満を持ってしまう方も多いです。
(4)将来のビジョンが描けない
「自分がいま働いている業界(会社)は本当に大丈夫だろうか?」と悩む、20代前半の方は多いです。というのも、リーマンショックなど景気の後退・減速を、学生のうちから見てきた20代の方たちは将来に対して潜在的な不安を抱いています。
そのため自分が家庭を持ち、子供を育てる10年、20年後も自分が身を置く業界・会社が安定しているか否かは重要なポイントになります。
また、実際に働いてみると仕事や業界の内情も見えきますので、自分の将来ビジョンについて悩み、転職を考え始める方も増えてくるのです。
3.20代で転職を成功させた人の共通点
仮に20代で転職するのであれば、次に転職する会社こそは自分に合った会社で長く働きたいですよね!
ここからは転職成功者の共通点について紹介していきますので、成功するためのポイントを掴んで転職活動に挑んでいただければと思います。
(1)20代の転職で最も重要なのは「退職理由」と「志望動機」!
新卒時も重要であったように、20代の転職でも「志望理由」は非常に重要です。
人事は、20代で転職しようとする人に対して、「この会社に入社しても、またすぐ辞めてしまうのではないか?」という疑念を持っています。そのため、「なぜ前職を辞めたいのか」、そして「なぜこの会社を志望するのか?」という問いについて、きちんと筋が通った答えを出さなければなりません。
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例えばこんな体験談があります。
①体験談1
メーカー勤務の0さんは残業時間が長いのを不満に今の会社から転職を決意しました。Oさんはまず自己分析を行い「残業時間が長い」→「仕事の生産性をもっと高められるような仕事環境が欲しい」という自分の本当の真意に気づき、そこを踏まえて面接に挑んだところ見事転職に成功しました。
②体験談2
一方、事務職のAさんは今の会社にやりがいが持てず転職活動に励んでいました。しかし面接の結果は惨敗。Aさんは自己分析が足りず前職でなぜやりがいがないのかを含め志望動機を伝えられなかったこと転職理由をそのまま伝えてしまったことが敗因でした。
(2)「やっぱり合わない!」会社は思い切って早めに見切りをつける
意外に思うかも知れませんが、「今の会社を辞めたい」と思ったら即刻転職活動をすることをおすすめします。なぜなら20代のうちに「辞めたい」と思った気持ちはなかなか変えることはできず、その思いを後々まで引きずってしまうケースが多いからです。
もちろん、新入社員として仕事を覚えていないうちから「辞めたい」と思った気持ちは、仕事を覚えていくうちに徐々に変化していく可能性もあります。しかし仕事を覚えてもなお「辞めたい」と思う原因は、主に社内の職場環境や人間関係に関する原因が多く、それは一人の個人ではなかなか変えることができないからです。
例えばこんな体験談があります。
①体験談1
ノルマの厳しさに驚いたNさんは試用期間の半年間こそなんとか乗り切ったもののその後今の会社に見切りをつけ第二新卒を募集している会社に応募しました。ノルマの達成に躍起になってぎすぎすした前職の環境よりもアットホームな職場環境の現職に移れ人間関係もスムーズに行き現在は充実した社会人ライフを送れているそうです。
②体験談2
一方大手人材会社に勤めていたIさんは残業を頑張っている人の方が偉いという会社の風潮に辟易し転職しようと考えていました。そこで家族に相談してみたところ「安定しているし、辞めない方がいいのでは」という意見に不安になり転職を思い止まっていました。仕事にも身が入らない状況で軽度のうつになり結局は休職という結果に。他人の意見を聞くことも大切ですが自分の意思もその都度確認していきましょう。
4.転職を考えはじめた時、必ず注意すべきポイント
転職に関して誤った偏見や思い込みで転職活動をすると現実とのギャップで苦しむ結果になります。ここでは20代の転職者よくやってしまう行動パターンと注意点を挙げていこうと思います。
(1)退職してからの転職は要注意!
20代前半の方であれば、「転職してもなんとかなる」と楽観的に捉えてしまう方も多いのではないでしょうか。
そして現在の苦しい状況からすぐにでも抜け出そうと、以下のように考えてしまいます。
「まずは退職してから次の転職先を探そう」
「退職した方がゆっくり、じっくり、確実に転職先を探すことができる!」
しかし「現在の会社を辞めてから転職活動することはかなり危険なこと」、と認識しておいてください。
企業は現在働いている人は正当に評価しますが、一度離職してしまった人の評価は大きくダウンしてしまいます。なぜなら企業が一番見ている所は、あなたが即戦力になるか否かです。そんな中で、ブランク(離職期間)がある人はあまり採りたいと思いません。
一度離職してもすぐに転職先が決まれば良いですが、なかなか思うように転職活動が進まず、離職期間が長引く可能性もあります。
そのため多少苦しいかもしれませんが、現在の会社で働き続けながら転職活動を同時並行で行う事を強くおススメします。また万が一転職先が決まらなかった時には、(嫌かもしれませんが)現在の会社で働き続けることもできるのです。
(2)実力主義(成果主義)の仕事はそんなに甘くない
現職で正当な評価を受けていないと感じて、実力主義の会社に転職したいというエネルギッシュな若者は今も昔も多いです。
「自分ならもっと成功できる!」
「成果主義の世界でこそ活躍できる!」
といった気持ちを持つこと自体は非常に良いことかも知れません。
しかし「成果主義(実力主義)」という意味を、本当に理解している方は多くありません。
実力主義の会社は、とても競争の激しい職場環境です。もちろん年齢や性別は関係なく、年が若くても結果さえ出せば、給与も高く、短期間で昇進できます。
しかし結果を出せなければ、まったく逆の世界が待っています。結果が出なければ、昇進もしないし、給与もあがりません。最悪な場合は退職に追い込まれるケースもあります。
もちろん結果主義の会社・仕事が合っている人も大勢いますので、自分の実力や適性をよく見極めたうえでこれらの転職先を検討するようにしてください。
(3)夢見る転職はいつまでもうまくいかない
「もう少し待てば、私に合った求人が見つかる」
「今はまだ私に合った求人案件が無いだけ」
と考える転職検討者は多いです。
たしかに転職活動は慌てたり、急いでするものではありませんし、そのような転職活動もうまくはいかないことが多いです。
しかしながら、「こんな転職先があったらいいな」、「いつか良い転職先が出てくる」といった気持ちで求人案件を待っているだけでは、いつまでたっても良い会社に転職することはできません。
人間と同様に、完璧な会社もありません。そのため理想ばかりを思い描く転職活動はいつまで経ってもうまくいきません。もし「自分に合いそうだな」、「やってみたい仕事だ」、「いまよりも良い条件だ」と思う求人案件に巡り合うことができたら、まずは応募してみることをおススメします。
応募してすぐに内定・入社となる訳ではありませんし、面接の際に実際の職場の雰囲気など細かい点も確認することができます。そのため、選考を進めながら気になっていた疑問点を確認していき、本当に自分に合っているのかチェックしていくと良いでしょう。
5.20代前半と後半の転職戦略
「20代の転職」とひと口に言っても、20代の前半と後半では立場や意味合いは変わってきます。20代前半と後半それぞれアピールするべきところが違ってくるので注意が必要です。
(1)20代前半は「仕事への姿勢」と「退職理由・志望動機の一貫性」が重要!
20代前半は「第二新卒」の枠に入ります。「第二新卒」は入社3年以内の25~26歳までの方を指し、現在企業からのニーズも非常に高い状態です。
実際、6割強の企業が第二新卒の採用に「積極的」だと回答するほど、第二新卒採用のニーズは高まっています。
※参考:マイナビジョブ20’s第二新卒の採用ニーズに関する企業アンケート結果
<20代前半の成功ポイント>
第二新卒は新卒の採用条件とほぼ変わらないのが特徴です。業務経験やスキルはそこまで問われません。それよりも短い期間の中で仕事への姿勢や志望理由や退職理由に一貫性があるかが採用評価の大きなポイントになっています。
(2)20代後半は経験・スキル・実績が重要!
20代後半での転職の場合、これまである程度仕事をこなしてきた為、20代前半のようにポテンシャル(これからの可能性)で評価されるということはありません。
20代後半の転職では、仕事上の経験、業務スキル、これまでのどのような実績を積んできたのかが条件となります。20代後半ともなってくると、中には輝かしい実績を持っている方もいるため転職の成否に差がつきやすくなってくるのも特徴です。
<20代後半の成功ポイント>
輝かしい実績を持っている方は、積極的にアピールすることで即戦力であることを証明でき、転職成功の近道になります。また仮に素晴らしい実績がなかったとしても「仕事で困難を味わった時に、どのように乗り越えたのか」、課題解決に尽力した経験を持っているのであれば高い評価を受けることができます。
6.20代の転職準備はこれさえやれば大丈夫
何の計画や準備もなく、「現在の仕事や職場が嫌だからすぐに辞める」という行為は大変危険です。
自分の思いを確認し、ちゃんとある程度は準備し、計画を立てましょう。
(1)転職エージェントを利用して情報収集
実際の転職活動の前にまずしなければならないのが情報収集です。
転職の情報収集というのは、新卒の就活と同様に「業界研究」「企業研究」などです。しかし、転職の場合は、新卒の時のようにマイナビやリクナビに情報がまとまっている訳ではなく、求人情報が点在しており、中には情報が公開されていない求人案件すらあります。
そこでおススメなのが人材紹介エージェントを利用して情報収集することです。
人材エージェントでは、キャリアアドバイザーがあなたに合った募集中の求人案件を紹介してくれますし、面接時に気を付けなければならないポイントや注意点まで教えてくれます。
ですので、20代の方であればぜひ転職エージェントを利用して転職活動を効率化すると良いでしょう。
①大手エージェント会社を使う
大手エージェント会社は、どんな業界・職種であっても幅広く求人案件を取り揃えている所が魅力の一つです。もし、どんな業界・どんな職種が向いているのか、自分でも分かっていない状態であれば、大手の転職エージェントに登録することで、自分の可能性を広げることが出来るかも知れません。
②専門エージェント会社を使う
専門エージェントは、業界や職種などの幅広さこそありませんが、既に興味のある業界や職種が決まっている人であればメリットの大きい転職エージェントです。
特定の専門性が高い分、紹介される求人案件が奥深く、本当にやりたい分野での選択肢が広がります。
(2)自分の経歴と向き合おう!
この段階では、自分に経歴について分析することを目的としています。自分を改めて見つめ直し、かつ面接の材料を作ります。作業の中で様々な人に意見を求めることをおススメします。
①自分のキャリアを見直す
・過去にどのような仕事をしてきたのか
・今までの自分の仕事ぶりはどうだったか
・チームの中で自分はどのような立場であったか
・困難をどうやって克服したのか
上記の項目を参考に今までの自分のキャリアについて客観的に書き出してみて下さい。
③改めて取り組む自己分析
「自己分析」は新卒の時だけやれば良いものではありません。
自分が幼少期から振り返り自分がどんな人物であったか振り返りましょう。自分の隠れた特技や本当にやりたい事が見つかるかもしれません。また、もしかしたら今の仕事が自分にとって最良の道かもしれないことに気づくかもしれません。
(3)現在の仕事もおろそかにしない
今の仕事も全力で取り組みましょう。全力で仕事をすることにより次の職場でも通用する能力を育むことができます。例えば、職場で話し合いを行い、チームワークで動くことによりさらなるコミュニケーション能力を磨くことができます。また、そうすることで現在の職場の良さに気づくかもしれません。
(4)実際に行動(転職活動)を起こす
今までの(1)~(4)のステップを踏み、それでも転職が最良の方法だと考えたら即実行に移しましょう。ステップ(1)で登録した紹介エージェントに積極的にアプローチし、応募のチャンスを活かしてみてください。尚、あらかじめ転職の条件として妥協できる所、妥協できない所をきちんと自分の中で線引きしておくと良いでしょう。
※参考:自由国民社 『成功する天職「5%」の法則』 小林毅
7.20代転職のメリット&デメリット
20代、若い故に転職では他の年代よりメリットが多く見受けられます。しかし、若さ故の甘さがあるため少なからずデメリットも生じます。メリット、デメリットどちらもしっかり把握し転職活動に繋げていきましょう。
(1)20代で転職するメリット
20代の転職は若い故に可能性がいっぱいです。他の年齢層よりもチャレンジ転職ができるのも最大の特徴です。そこで今回は20代が転職に有利な点について紹介していこうと思います。
①異業種や未経験職種に転職できる!
求人サイトをチェックすれば分かると思いますが、「未経験歓迎」という求人案件は20代限定が多いです。
なぜなら20代の転職者に求めているものは業務経験やスキルではなく、若さゆえの伸びしろや吸収力などポテンシャルを期待しているからです。そのため同じ業界や職種での経験・スキルが無くても企業は採用するのです。
②年収アップが見込める!
中小企業などで働いていた方が大企業に転職、業界を変えるなどで大幅に年収をアップさせている20代の方も多いです。
なぜなら20代は実績だけで評価されるのではなくポテンシャルも含め評価されるので幅広い転職ができるためです。是非挑戦していきましょう。
(2)20代転職のデメリット
ここからは20代で転職する際のデメリットを紹介していきます。
①退職癖がついてしまう
若いうちから転職に成功してしまうと「意外と転職は簡単なものだ」という刷り込みができてしまうため、「またいつでも辞めても大丈夫」と思ってしまう方も少なくありません。
そう思ってしまうと、難しい局面や困難な状況が生まれた時、逃げるように他の会社へ転職してしまう危険性が生まれてしまいます。
②人間関係・仕事もゼロからのスタート
既に出来上がった組織や人間関係に途中から入るのはなかなか難しいものです。さらに新たに仕事内容を覚えるのは大変ですよね。初めは心が折れそうになるかもしれませんが、踏ん張りましょう。
8.まとめ
いかがだったでしょうか。
転職は人生の分岐点となりますので、20代での転職は慎重にしなければなりません。
しかし、それと同時に20代であれば転職先の選択肢が多いもまた事実。
焦ることはありませんし、じっくり考えることは重要ですが、もし人間関係や職場の社風など、自分の努力だけではどうすることもできないことで悩んでいるのであれば迷わず転職しても良いでしょう。
ただしその際は、自己分析などを通して退職理由・志望動機に一貫性を持たせ、面接に向けて自己PR含めて万全の態勢で臨みましょう。
転職で人生が拓けることもありますし、後になって後悔するケースもあります。くれぐれも後悔のない転職ができるよう、判断は早く、準備は万全にして臨むようにしましょう!
幸運を願っております!