専門広告代理店の実情とは – 仕事内容、職種、他代理店との違い

広告代理店と一言でいっても、扱う媒体や組織形態によって様々な種類が存在します。専門広告代理店の仕事内容は、他の総合広告代理店とは異なる部分があるのでしょうか?

結論からいうと、専門広告代理店は、特定の媒体(テレビ、ラジオ、ネットなど)や特定の広告業務(制作、運用、PRなど)を専門として取り扱う広告会社です。総合広告代理店とは、単体の媒体や業務を行うという点で異なります。

ここでは、みなさんがよく耳にする「専門広告代理店」の立ち位置や仕事内容、職種について紹介します。

専門広告代理店(会社)とは、「広告媒体の中でもテレビやラジオ、新聞、雑誌など特定の媒体を専門として取り扱う広告会社」や「特定の広告業務を専門として取り扱う広告会社」を指します。

まず「媒体ごとの専門広告会社」とは、インターネット広告や雑誌広告など特定の媒体を専門とした広告会社を指します。例えば、インターネット広告ではサイバーエージェントやオプト、新聞広告では日経広告社などがそれぞれ有名です。

次に「業務ごとの専門広告会社」とは、マーケティングやクリエイティブなど特定の広告業務に特化した広告会社を指します。例えば、テレビ視聴率の調査に特化したビデオリサーチやメーカー・小売りのリサーチに特化したインテージなどがそれにあたります。

1.専門広告代理店(会社)は、特定媒体や業務のスペシャリスト


専門広告代理店の広告業界全体におけるポジション(立ち位置)は、特定メディアのスペシャリスト、さらには各メディアの枠所有者としての役割を果たしています。例えば、インターネットとテレビを組み合わせた広告を行いたい場合は、「テレビ広告部門は電通に依頼し、インターネット広告部門は、オプトに運用を依頼する」というようにクライアントは媒体ごとに依頼する会社を切り替えることも可能です。

つまり広告出稿側であるクライアントとしても、より広告効果を発揮できるプロフェッショナルに相談するケースも増えてきているのです。

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2.専門広告代理店(会社)の職種や仕事内容は総合代理店と違うのか?

専門広告代理店の職種や仕事内容は、総合広告代理店と大きな違いはありません。

というのも、専門広告代理店の職種には、総合広告代理店と同様に広告業界に関わる全ての職種が存在するからです。中でもメジャーな職種は、営業担当と媒体担当と呼ばれる職種です。

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(1)専門広告代理店・営業担当の仕事内容


営業担当は、文字通り自社の扱う媒体やサービスをクライアントに使ってもらうために提案、営業をおこなう仕事です。場合によってはクライアントの予算を握っている総合広告代理店に対して営業活動を行うこともあります。なぜならば、総合広告代理店はクライアントからプロモーションやキャンペーン全体を受注するケースも多く、その場合は総合広告代理店側に各業務の発注権があるため、協力会社として専門広告代理店に仕事を依頼する場合もあるからです。

(2)専門広告代理店・媒体担当の仕事内容


媒体担当は、制作や営業から上がってきたクライアントの情報をもとに、自社で取り扱える媒体の中から、どの媒体を活用するか提案することが仕事です。さらに、媒体を使って具体的にどのような流れでプロモーションを行うのかといった部分まで制作や営業担当者にプレゼンを行い、調整まで行います。

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3.専門広告代理店の強みと弱み(メリット・デメリット)

専門広告代理店、特にインターネット広告を専業とする専門広告代理店は数多く存在し、中には小規模な代理店も数多く存在します。

ただし、企業規模が小さいからといって取り扱う案件も小さいとは限りません。たとえ小規模な広告代理店であっても、他の広告代理店と協同で大手企業の案件を運用していることが多くあります。ではここで、専門広告代理店の強みと弱み(メリット・デメリット)をみていきましょう!

(1)専門広告代理店の強み(メリット)

専門広告会社の強みとしては、それぞれが専門とする媒体や業務のプロフェッショナルとしてノウハウが蓄積されており、知識や経験が豊富であるということが最大の強みであるといえます。また、特定の業界・商材における強い媒体を所有しているため、業界や商材が適していれば効果の高い広告を行うことができます。

(2)専門広告代理店の弱み(デメリット)

逆に専門広告会社の弱みとしては、複数の媒体や業務がまたがった複雑な案件を自社内だけで請け負うことができないという点です。たとえばTVや新聞・雑誌、Web広告、OOH(交通広告)、イベント、事務局運営など多くのメディアや業務が絡んだキャンペーンをネット広告代理店が1社で受注することはできないのです。

ただし、実際には、複数の専門広告会社が相互に補完し合うことによって複数媒体の案件をこなす事例が多くあります。従って、専門広告会社が必ずしも複数媒体の案件を受けることができないとはいえません。

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4.専門広告代理店とPR会社は全く別物?!


よく就活生の方たちから「PR会社も広告代理店の一部ですか?」という質問を受けることがあります。しかし専門広告代理店PR会社の広告業界全体における立ち位置は、広告業界と切り離された関係にあります。

具体的には、民間企業が商品やサービスの販売促進に直結するような活動は「広告活動」、広告活動を側面から援護するような活動や、企業自体の理念や活動状況を伝えるようなものは「PR活動」に当たります。

語弊があるかもしれませんが、敢えて分かりやすく言うと、広告はお金を払って好きにアピールできるもの、PR(広報)は(お金はかかりませんが)いつ、どんな形でメディアが取り上げてくれるか予測できないもの、という違いがあります。

ちなみにPR会社は、基本的に上記のような広報活動のみを取り扱います。一方で総合広告代理店の中には、社内にPR事業部があったり、子会社にPR会社を保有するケースもあります。例えば、電通における「電通PR」、博報堂における「ベクトル」というような会社の存在です。しかしこれらのPR会社は、同じ企業グループであっても担当は完全に切り離されています。

近年では、SNSを使ったインフルエンサーの活用の浸透によって、「広告」と「PR」の規定は曖昧になりつつありますが、本来はPR会社と専門広告代理店は全く異なるものになります。

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5.近年、ネットを専門とする広告代理店が増えている


専門広告会社の近年の流れとしては、①インターネット専門の広告会社の増加と、➁新聞・雑誌専門の専門広告会社の減少の2つの傾向があります。

まずインターネットを専門とする広告代理店が増えている理由は、比較的自由に広告枠を手にすることができ、一旦ノウハウを習得すれば運用自体は簡単に行うことができる、という点があります。ただし、参入障壁が低いがゆえに競争が激化しているのも事実で、インターネット専門の広告会社は、単純な運用だけでなく、企画の提案力や運用結果の分析力まで求められるようになっています。

もう一つの新聞・雑誌に特化した専門広告代理店は、減少傾向があります。というのも、近年「印刷不況」という言葉が定着して久しいのですが、そもそも新聞・雑誌の発行数・取扱高が減っていることもあり、新聞・雑誌専門の広告代理店は苦戦を強いられている会社が多いも事実です。

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ABOUTこの記事をかいた人

リスティング、ディスプレイ広告といったWeb広告の提案・運用・分析業務を主軸として、大手メーカーや、通販系のクライアントを担当。 最新の情報を取り入れた、新しい運用スキーム提案や、細かく地道な運用に強みがあります。