ネット広告代理店ランキング – 売上高・年収・仕事内容まで解説!

広告業界を志望する方の中には、インターネット広告(デジタルエージェンシー/デジタルマーケティング)に興味がある人も多いのではないでしょうか。ネット広告は、広告業界の中でも最も成長・進化している分野で、特に注目されている業界です。

今回は、そんなネット広告を扱う代理店のランキングや実際の仕事内容、さらには年収や労働環境について詳しく解説していきます。

※人によってはネット広告代理店を「デジタルエージェンシー」や「デジタルマーケティング会社」と呼ぶ人もいますが、この記事では「ネット広告代理店」の呼び名にしています。

<関連記事>
《2018年最新版》広告代理店ランキング – 売上、仕事内容、年収、外資系も紹介!

ネット広告代理店に転職したい方へ

現在、ネット広告代理店やWeb広告会社は業績が良いにも関わらず、人材確保がなかなかうまくいかず、人が足りてないです。

つまり人材を「喉から手が出るほど欲している」状態です。

転職市場では学歴よりも経歴や実績を重視しているため、もし「転職したいけど上手くいくのかな?」と悩んでいる方は一度ネット広告代理店に転職経験がある人に話を聞いてみると良いでしょう。

もしご興味のある方は、以下のページでネット広告業界への転職事情や転職方法をまとめていますのでお時間のあるときにお読みください。
Web広告業界への転職について

1.ネット広告代理店・売上ランキング一覧

まずはネット広告代理店を売上高順にランキングを見ていきましょう。

ネット広告代理店売上ランキング

順位 会社名 売上高(百万円)
1 サイバーエージェント 3,713億円
2 D.A.コンソーシアムHLD 2,083億円
3 オプトHLD 826億円
4 セプテーニHDL 723億円
5 アドウェイズ 423億円
6 ファンコミュニケーションズ 375億円
7 GMOアドパートナーズ 319億円
8 インタースペース 232億円
9 フルスピード 180億円
10 バリューコマース 175億円
10 アイモバイル 156億円

※上記は東洋経済新報社・会社四季報等よりデータを引用

ではここからランキング上位の主要な会社を簡単にご紹介します。

D.A.コンソーシアムホールディングス


https://www.dac-holdings.co.jp/
D.A.コンソーシアムホールディングスは、博報堂DYグループの一員で、DACやアイレップ、ユナイテッドなどを傘下に持つネット広告会社です。

具体的には、メディアレップ(媒体側の代理店)であるDACと、クライアントに直接サービスを提供する広告会社のアイレップという2つの異なる側面を併せ持つ会社です。

サイバーエージェント


https://www.cyberagent.co.jp/
動画メディアとして有名なAbemaTVをはじめ、最近はメディア事業も数多く手掛けるサイバーエージェントですが、本来はネット広告代理店事業が本業です。

スマホゲームの「Cygames」、音楽配信の「AWA」、DSP配信事業の「マイクロアド」など、数多くのインターネット関連会社を所有しています。

<サイバーエージェントの詳細>
【企業分析】サイバーエージェントは一体何の会社?売上や財務から経営を読む

オプトホールディングス


http://www.opt.ne.jp/holding/
オプトはインターネット広告を中心に、デジタルマーケティングに強みを持つネット広告代理店です。

創業はサイバーエージェントよりも4年早い1994年で、ネット広告業界では老舗企業の一つです。近年ではネット広告代理事業以外にも、アドテクノロジーやデジタルマーケティング分野にも力をいています。

セプテーニホールディングス


https://www.septeni-holdings.co.jp/
セプテーニはもともと人材採用コンサル事業で創業し、その後2000年頃からインターネット広告やデジタルマーケティングに携わるようになりました。

ネット広告代理事業ではフェイスブックなどSNS広告などに強みがあり、近年ではウェブ漫画「GANMA!」といったコンテンツ事業にも力を注いでいます。

2.ネット広告代理店の仕事内容は?

ではネット広告代理店の実際の仕事内容はどのようなものなのでしょうか?

結論から言うと、ネット広告代理店の仕事はその名の通り、インターネットの広告に特化して営業や広告制作などを行うものです。

ネット広告代理店での仕事は大まかに3つに分かれていると言っても過言ではないでしょう。

(1)仕事その1:営業・プランナー系


ネット広告代理店においても営業やプランナーは非常に重要な存在です。

営業やプランナーは、クライアント(広告主)や広告会社に対してインターネット広告の企画や提案を行ったり、ネット広告媒体社との折衝業務を行います。

社内だけでなくお客さん、さらには媒体社などとの打合せが多く、企画や調整、提案などの仕事内容が多いのがこの職種の大きな特徴です。

(2)仕事その2:運用・分析系


ネット広告代理店が、(電通や博報堂などの)一般の広告代理店と大きく異なるのがこの仕事内容です。

インターネット広告の場合は、広告を出稿するだけでなくその後の運用や分析といった業務が発生します。そのため、運用・分析業務はネット広告の成否を左右する非常に重要な仕事です。

ネット広告の出稿状況を数値で管理し、さらにはその数値を向上させるための運用改善を行っていきます。またデータの深い分析も行うため、「データアナリスト(分析者)」という名称で呼ばれている場合もあります。

(3)仕事その3:エンジニア系


ネット広告代理店の場合、クライアントや一般の広告代理店、さらには媒体社向けに専用の広告管理システムを提供するケースもあります。その為、システムやテクノロジーに長けるだけでなく、ネット広告の配信の仕組みについても理解しておく必要があります。

この分野のエンジニアは業界的にも人が不足しており、ニーズが高い仕事となっています。

3.ネット広告とは?詳しく解説


では「ネット広告」とは具体的にどのようなものでしょうか?ここでは代表的なネット広告の種類を分かりやすく解説していきます。

(1)リスティング広告


リスティング広告とは、ネットで検索したキーワードに合わせてGoogleやYahooの検索結果画面に表示させるテキスト(文字)だけの広告です。

「運用型広告」と呼ばれるネット広告の代表的存在で、売上や成果に結びつきやすいため、大企業から街の商店まで幅広く利用されています。

また、広告費用は広告をクリックした時にだけ発生する「クリック課金型」で、数千円からでも広告を始められる点も特徴です。

【広告業界用語】 リスティング広告とは?

(2)ディスプレイ広告


ディスプレイ広告とは、サイト上に表示されるバナー広告で、そのサイト内容や見ているユーザーに合わせた内容の広告を表示します。

例えばYahooニュースなどを見ている時に表示されるバナータイプの広告がその一例です。リスティング広告と異なり、画像を使って広告表現ができるため、新商品・サービスのPRや有名タレントを起用した広告などに向いていると言えます。

広告費用もリスティング同様にクリック課金型で、「運用型広告」に分類されます。

【広告業界用語】 ディスプレイ広告とは?

(3)SNS広告


SNS広告とは、その名の通りTwitterやinstagram、Facebookのタイムラインなどに表示させる広告です。

SNSを利用している時間に接触する広告で、ゲームや女性向け商品などエンターテイメント系の広告訴求に向いていると言えます。

SNS広告の多くもクリック課金型で、運用型広告の一部です。

(4)動画広告


動画広告は、Youtubeやニコニコ動画をはじめとした動画サイトで表示させる広告です。

動画を見ている時にCMのような形で5秒間流される広告です。TVのように広告表現が動画で行えるため、視聴者に対して強い広告訴求を促せるのが特徴です。

動画広告も1視聴あたりに対して広告費用が発生するため、運用型タイプの広告です。

(5)純広告

上記(1)~(4)のネット広告が、クリックや表示に応じて広告の金額が決定するのに対して、純広告とははじめから掲載料や期間が決められている広告です。

<参考記事>
広告代理店におけるインターネット – 特徴、広告の種類、仕事内容など

通常版

4.ネット広告代理店の年収は?

本ページの最初にお見せしたネット広告代理店ランキング上位の企業の年収について確認してみましょう。

ネット広告代理店年収ランキング

 年収売上
サイバーエージェント779万3,713億
D.A.コンソーシアムHLD896万2,083億
オプトHLD566万826億
セプテーニHDL723億
アドウェイズ527万423億
ファンコミュニケーションズ505万375億
GMOアドパートナーズ532万319億
インタースペース511万232億
フルスピード434万180億
バリューコマース579万175億
アイモバイル494万156億
※上記は東洋経済新報社・会社四季報等よりデータを引用

いかがでしょうか?
意外にも年収が高いと思った方が多いのではないでしょうか。
ネット広告代理店の年収が高いのは、(1)業界自体の景気が良い、(2)年功序列ではない、という2つ理由が挙げられます。

(1)業界自体の景気が良い

インターネット広告は、広告業界の中でも成長しつづけている分野です。

電通が毎年発表している「日本の広告費」の中でも、インターネット広告は毎年広告費が増え続けている唯一のメディアで、TV広告に次いで広告費が多い存在となっています。

新聞や雑誌、ラジオなどこれまで「4マス」と呼ばれていた主要メディアよりも影響力が高まっていると呼べるでしょう。

これまで日本の漫画界を引っ張ってきた「週刊少年ジャンプ」でさえ発行部数が年々下がり続け、廃刊になる雑誌も増えている現状を考えると、いかにインターネットの勢いがすごいのかが分かるかと思います。つまり「広告費が多い」という事は、閲覧する人も多く、ネット広告業界の景気も良いという事になります。

そのためインターネット広告に関連する企業の年収も比較的高くなっていると推測されます。

<参考記事>
「2016年 日本の広告費」 をグラフでわかりやすく解説!

(2)年功序列ではない

インターネット広告に関連する会社は、早くて1990年代後半から創業した企業が多いです。
そのため年を取るたびに徐々に給料が高くなっていく日本の伝統的な企業風土ではなく、成果(実力)に応じて給与が支払われる
ベンチャー的な企業も多いのです。

そのためネット広告業界では本人の実力次第で、20代からマネージャー(部長)や取締役に就く人も多く、若いうちから高収入を実現することも可能です。一方で実力が伴わない人は、歳をとっても給与が増えないため、他企業・他業界へ転職するケースも多いのが実情です。

5.ネット広告代理店は激務なのか?


それでは最後にネット広告代理店での仕事が激務なのかどうか確認しましょう。

結論から言えば、ネット広告に関わる代理店や会社は労働時間が長い傾向が続いていましたが、最近では少しずつ改善ありつつあります。

なぜこれまでネット広告代理店で働く人が忙しいのかと言えば、それは大きく2つの理由があります。

(1)ネット広告業界自体が成長・拡大

前章で述べた通り、インターネット広告は唯一毎年広告費が拡大し続けているメディアです。そのためネット広告に関連する企業の多くは、増収増益を続けています。電通イージスの予測によれば、ついに今年(2018年)にはインターネット広告が、TVの広告費を抜いてしまうとしています。

しかし、その景気の良い反面、従業員を確保することができない企業にとっては、一人当たりの仕事量が増えてしまう事にもなります。結果として残業しなければ仕事が終わらないケースも出てきてしまいます。この点がネット広告が忙しいと言われてしまう原因の一つでしょう。

<参考記事>
2018年はデジタルがTVを上回る?(電通イージス調査予測の要約)

(2)広告業界の慣習

これはネット広告業界だけではなく、一般の広告代理店を含めて広告業界全体の慣習ですが、広告会社はクライアント(広告主)の要望には応えなければならないという暗黙のルールがあります。

もちろん他の業界でもクライアント(顧客)の立場が上であることは間違いありませんが、広告業界ではその傾向が顕著で、クライアントの要望を期限内に対応して広告を出稿することが強く求められます。

さらには広告表現(クリエイティブ)は感覚・センスに依存する部分も多く、「こういうイメージじゃない」と言われて何度も調整し、出し直すケースもあるのです。そのため、営業、制作スタッフによっては残業が続いてしまうケースもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ネット広告代理店の全貌が少しはご理解いただけたら嬉しいです。

ネット広告は広告業界の中でも成長中の分野で、今後も成長が見込まれています。企業自体が若く、勢いもあり、実力や結果を残せる人であれば若いうちから多くの収入と地位を手に入れることができるでしょう。

しかし業界自体が成長し、景気が良いため、仕事量は多く、毎日定時で帰りたいという考えを持っている人にはあまり向いていない業界かもしれません。

                     

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