【企業研究】サイバーエージェントは一体何の会社?売上や財務から経営を読む!

「サイバーエージェント(CA)」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持ちますか?

「キラキラしている」
「多彩な事業を展開している」
「若いうちから活躍できる会社」
など様々なイメージがあると思います。

ところが、一企業として見た時に、「サイバーエージェントという会社は一体何をしている会社なのか?」という問いに対して、正確に答えられる方は少ないかもしれせん。

今回は、財務状況やサイバーエージェントによる決算発表内容からサイバーエージェントは現在どういう状況でなにを目指している会社なのかを見ていきます!

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1.そもそもサイバーエージェントとは?


サイバーエージェントといえば、広告事業やゲーム事業が有名ですが、近年ではメディア事業(abemaTVなど)に大規模投資を行い参入しています。

その他にも投資事業、クラウドソーシング、プログラミング学習事業など数多くの事業を手がけています。また、子会社がかなりの数あることも有名ですね。ちなみにサイバーは子会社106社、関連会社10社を保有しています。(2017年9月30日現在)
サイバーエージェントは今年で設立20周年を迎えました。ちなみに話は外れますが20年前と言ったら筆者自身は2歳でした!笑

今回で5回目となる財務分析ですが、今回は財務で会社の経営状況を見つつ会社の方向性、会社が目指している方向性などの経営方針も重点的に分析していきます。

今回主に使う資料はサイバーエージェントのホームページIRにある財務諸表、決算短信、決算説明会資料などからの情報となります。

通常版

2.2018年第2四半期決算資料内容


ではここから今年の4月終わりに発表された2018年度の第2四半期報告書の内容を見ていきましょう。

<全体>
売上高: 1,095億円(17.4%増)
営業利益: 114億円(内既存事業:164億円 AbemaTV等:-49億円)
営業利益率:10.4%
⇒連結売上高および既存事業の営業利益、過去最高を更新

<広告事業>
売上高  : 614億円(16.9%増)
営業利益 : 65億円(23.3%増)
営業利益率: 10.6%
⇒新規広告主との取引も拡大し、売上高・営業利益、過去最高

<ゲーム事業>
売上高  : 404億円(12.8%増)
営業利益 : 85億円(8.1%増)
営業利益率: 21%
⇒新規タイトルのヒットにより、過去最高の売上高を更新

<メディア事業>
売上高  : 75億円(17.7%増)
営業損益 : -42億円(AbemaTV等:-49億円)
営業利益率: -56%
⇒「AbemaTV」2周年、レギュラー番組好調でWAU (Weekly Active User)ベースアップ
※引用:サイバーエージェント「2018年9月期第2四半期 決算説明会資料」

今年2018年で設立20周年となるサイバーエージェントですが売上高は昨年度で3700億円を記録し、目覚ましい成長を遂げています。売上高は10年前の5倍にまで膨れ上がっています。

メディア事業では営業損益が出ています(つまり利益マイナス)が、経営方針としては「広告事業とゲーム事業で利益を積み上げ、メディア事業に十分な投資をし、中期の柱に育て」ているので、今は投資を積極的に行い後々収益を回収する計画です。

ちなみに2018年は既存事業で営業利益を500億円、メディアへの投資200億円を見通しとして発表しています。メディア事業において損失を出しているものの、会社全体としては業績を大きく落とさずキープできていることからも広告事業とゲーム事業が安定していることが理解できます。

大手版

3.サイバーエージェントの財務状況


ここからは直近4年間のサーバーエージェントの財務状況を見ていきます。

(1)売上高

まずサイバーエージェントの売上高から確認していきます。
毎年500億円程度売上高が伸びており、2016年度は3,700億円を計上しました。今年度の2017年度は4,200億円の売上高を見込んでいます。

売上高の内訳はインターネット広告が35%、ゲームが35%、メディアが6.5%となっています。

(2)営業利益

営業利益も年々上がっていましたが、2015年度から2016年度にかけて約6,000億円減少しています。
これはサイバーエージェントがAbemaTVに大規模な先行投資をにしているためコストが上昇したことが考えられます。

(3)営業利益率

営業利益率も毎年10%を超える数値ではありましたが、2016年度は8.3%となっています。営業利益率も売上高は上昇しているものの、営業利益が減少したため過去の数値と比べて下がりました。

(4)レバレッジ倍率

続いて会社の資産の中の負債と自己資産の割合であり会社の安全性を表すレバレッジ倍率を見ていきます。これは返済の必要のない自己資本を1として銀行などに借り入れしている返済義務のある負債がどの程度あるのかを表しています。

例えば2016年度は負債が自己資本の0.82倍あるということで、自己資本の方が負債よりも多いことがわかります。
2013年度までは負債は自己資本の約0.7倍と少なかったものの、増えつつあります。積極的にM&Aを行なったり、新規事業への大規模投資を行なっている上で仕方ないものと考えられます。

また、2018年には更なる投資に備えて400億円の転換社債*を発行しました。
この資金を用いてAbemaTVの収益化と関連M&Aを行う予定とのことです。

*転換社債とは:発行時に決められた値段(転換価額といいます)で株式に転換することができる債券です。 債券の発行後に株式に転換するか、株式に転換せずに利金や償還金を受け取るかをお客さまご自身で選択できます。 株式と債券の二つの特徴をあわせ持つ商品です。
※引用:大和証券「転換社債型新株予約権付社債(CB)」

テキスト版

4. 各事業について


ではここからはサイバーエージェントの具体的な各事業についてみていきましょう。

(1)広告事業


広告事業はスマートフォン広告が堅調な成長をし、昨年度に比べて18.7%伸びています。しかし売上に占める営業利益は8~10%ほどで、ゲーム事業の20%と比べて低い数値となっています。

2年前の業績と比べると、インターネット広告事業の売上高は45%増え、スマートフォン広告では80%の伸び率となっています。その中でもインフィード広告と動画広告が牽引しています。この数値からも、いかにインターネット広告市場が近年急速に発達しているかがよく理解できるかと思います。

(2)ゲーム事業


ゲーム業界は変動が激しく、かくゆうサイバーエージェントも影響されています。しかし既存ゲームタイトルの運用強化や新作ゲームの積極的な開発などにより年々事業としての成長を遂げています。

サイバーエージェントは2009年からゲーム事業に参入し、計13社の主要ゲーム関連子会社を有し業界シェアは13.4%となっています。

(3)メディア事業


2015年の4月に開局したAbemaTVは今年で2周年となり、3,000万ダウンロードまで達成しました。現在は25チャンネルほどを展開しドラマやバラエティ番組、ニュース、リアリティーショー、アニメなどの幅広いジャンルの番組を制作しています。

(4)その他の事業

ここからはサイバーエージェントのその他事業も見ていきます。

①esports

サイバーエージェントは、エレクトリックスポーツ、コンピューターゲームの国内最大級のイベントを実施し、同時にゲーム動画配信プラットフォームも運営しています。また、AbemaTVではゲーム専門チャンネルも放送しています。

②マッチングサービス(出会い系アプリ)

2014年から提供開始し、現在では会員数も250万人を超えている「タップル誕生」を筆頭にいくつかのサービスを提供しています。

5.経営方針


ここからはサイバーエージェントの経営方針についても確認します。

(1)ビジョン

「21世紀を代表する会社を創る」
社長である藤田晋氏はインタビューの中でこのビジョンに関して、あえて絞らないことで変化に対応し、会社の視野を狭めないことを重要視していると答えていました。また、インターネット産業という軸からは出ずに、その周辺の関連する分野には積極的に参加し、最終的には世界に通用するインターネットサービスを開発しグローバル企業になることを目標としています。
※参考:サイバーエージェントHP

藤田社長は20代のときにこのビジョンを掲げ、サイバーエージェントを成長させてきました。新卒で入社した企業では営業として1年目にして1人で粗利5,000万円を稼いだものの、次年度から起業を決意し周囲の反対も振り切って信念を貫きました。そういった中でネット広告事業に参入し、ネット広告会社として初めて上場した後も株価の下落による株主からのバッシングなど苦しい状況も乗り越えてきました。

広告、ゲーム、メディアと常に新しい市場を開拓し、今までなかったものを作ることに挑戦しているサイバーエージェントですが今後はどのような市場に参入するのでしょうか。現在は広告とゲーム事業を軸にメディアへの投資を積極的に行なっていますが、その後はどのような事業に投資していくか今はまだ何とも言えません。しかし、AbemaTVがマスメディアに成長することで広告代理店としてはコストを大幅に下げることができますし、サイバーエージェントが持つ事業に関連したテレビ番組を制作することで大きなシナジー効果を生み出すことが可能になっていきます。そうした中で次はどういった事業に注力するのか注目です。

(2)海外進出

「21世紀を代表する会社を創る」うえで、「グローバル(世界)で成功する」という目標もサイバーエージェントは掲げています。サイバーエージェントは今年ニューヨークに海外において7拠点目を設立し、日系企業が海外進出をする際のプロモーション支援を行なっています。広告事業ではアメリカ(サンフランシスコ、ニューヨーク)、韓国、ベトナム、台湾、シンガポール、などに進出しています。今までサイバーエージェントが培ってきたノウハウときめ細かな運用を強みに海外展開しています 。また、東南アジア向けの広告配信を強化するために「京都グローバルクリエイティブセンター」を開設したことを発表しました。

広告分野においては海外進出がなされているものの、ゲームやメディア領域では言語・文化の壁が大きいため特にメディアでの本格的な海外進出はまだ先になりそうです。メディアなどがグローバルで成功するには言語や文化の壁を乗り越えて且つ世界で愛されるクリエイティブの開発が欠かせないとしています。

6.まとめ

いかがだったでしょうか?

様々な事業をやっている分、会社の本質を掴みづらい印象でしたが常に社会においてどんな事が必要とされるかを先読みしネット広告、ゲーム、メディアなどの新市場を開拓して来ました。

現在も広告とゲームという安定した事業をもとに新しいネットメディアの開発に大規模投資をしています。本文にも書きましたが、AbemaTVがマスメディアとして成長したらサイバーにとっては会社全体を通して大きなシナジー効果を見込めそうですし、現在10%程度にとどまっている広告の営業利益率も大幅に上昇することが予測されます。

21世紀を代表する会社を目指すサイバーエージェントは次はどのような事業に取り組んで行くのでしょうか。これからも目が離せません。

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くんへい

広告代理店でインターン中。サッカーとトレーニングをこよなく愛しています。好きなサッカーチームはFCバルセロナ、好きなトレーニングメニューはウェイティッドディップスチェストバージョン。