就活で使うスーツはどのようなデザインがベストか悩みますよね。
「スーツの色は黒でないといけないの?」
「広告業会志望だが、黒以外のスーツでもいいの?」
など、特にスーツの色を迷っている人は多いでしょう。
結論から言うと、スーツは黒色無地がベストです。色の許容される範囲は業界により異なり、例えば、広告業会やアパレル業界、外資系企業は濃紺やダークグレイのスーツを着て行っても問題はありません。しかし、金融業界や公務員の場合、周りから浮かないように黒無地のスーツでいきましょう。
「人は見た目が9割」という言葉があるように、就活のように短期間で企業に必要な人材かどうかを見極められる場面において、見た目はかなり重要な要素です。また、一般的に就活では人と合わせることが重要視されます。
今回は、就活中の学生さんに向けて、就活スーツの定番カラーや、業界別におススメの就活スーツの色についてご紹介します。
長年、代理店で人事を担当してきた私が、自信を持って絶対に失敗しない就活スーツをご紹介します。
目次
1.就活スーツは黒・無地の定番が無難
就活スーツで最も一般的な色はやはり黒色です。やっぱり他の就活生に合わせて黒スーツを選ぶのが無難なのでしょうか。実は、黒スーツが広まったのはごく最近のことなのです。それでは黒色スーツについて詳しく見ていきましょう。
(1)就活で最も一般的なスーツ
就活スーツにも様々な色や柄のものがあります。その中でも一番無難であり、定番のものが「黒色・無地のスーツ」です。
黒色のスーツは就活の時のみならず、入社後や冠婚葬祭など様々なシーンで利用することができます。多くの就活生とかぶってしまって嫌だと思っている学生もいるかとは思いますが、黒無地のスーツを今の時期に買って損はありません。
就活ではまず何より清潔感が重要視されます。黒色のスーツをすでに持っている人はサイズ感があっているか、生地がくたびれていないかを確認しましょう。
(2)なぜ黒色・無地がメジャーなのか?
先ほど述べた通り、就活スーツが黒でなければならない明確な理由はありません。それにも関わらず、なぜ黒が多いのでしょうか?1980年代頃は就活スーツと言えば濃紺が多かったように、就活スーツの主流が常に黒色だったわけではありません。実は黒色の就活スーツが目立ち始めたのは1990年代以降で、主流になったのは1990年代後半~2000年以降です。
黒が主流となった理由としては諸説ありますが、「黒色が就活用スーツとして流行したから」という理由が有力です。また、黒のスーツは汎用性が高く、バブル崩壊後の節約志向にもマッチしていたという理由もあります。
(3)女性も黒無地スーツが一般的
女性の場合も黒無地のスーツが基本であり、最も無難なチョイスです。また、広告業界やアパレル業界などの華やかで、自分なりのセンス・考え方が求められる業界であれば、濃紺、ダークグレーなどの色でもOKな場合もあります。
ただし、薄いグレーなど色が明るくなっていくと、「華やかさ」を通り越して、「不真面目さ」という印象を与えてしまう可能性がありますので、黒か濃紺などの地味めな色に抑えましょう。
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2.他人とは違う印象を与えたい人におすすめなスーツの色・柄
これまで説明してきた通り、就活において「黒色に無地のスーツ」は定番ではありますが、就活生の中には「自分は自分。むしろ他人と差別化したい」、と思う方もいるでしょう。そんな人は黒以外にどんな色を選択するべきなのでしょうか?
ここでは黒以外で、就活スーツにおススメのスーツカラーを4色ご紹介します。ただし、あなたの志望業界によっては避けるべきスーツもあります。しっかりと考えた上でスーツ選びをしましょう。
(1)濃紺の無地
就活スーツとしては「黒の無地」に次ぐメジャーな色が「濃紺の無地」です。
周りの学生と見た目が違いすぎて、浮くのを恐れる人でも、「濃紺の無地」は許容できる範囲の色と言えます。他人と全く一緒ではなく、微妙な違いをアピールしたい人におすすめです。
(2)薄いストライプ入りの黒・紺色
「ストライプのスーツ」と言われると派手なスーツをイメージするかもしれませんが、現場で働くビジネスマンにとってもストライプ地のスーツはよく着る種類の一つです。就活生がストライプを着てはいけない明確な理由はありません。
もちろん、あまりにも派手過ぎるストライプはNGですが、目立ち過ぎない薄いストライプは、採用担当者にスマートな印象を与えます。
特に、広告業界、アパレル業界、IT業界、ベンチャー企業の選考においては、ストライプスーツに対して寛容です。
ただし、逆に金融業界や公務員、さらには製造業(メーカー)等のお堅いイメージの業界ではストライプは、不真面目な印象を与えかねないので、要注意です。
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(3)ダークグレー
就活スーツの主流カラーは、黒、濃紺、そしてダークグレーの3種類で、ダークグレーは就活スーツとして許容範囲の色です。黒過ぎて地味な印象にもなりかねない黒と比べ、ダークグレーは落ち着きや誠実さの印象を相手に与え、日本人の肌色にも合います。
ただし、先ほど述べたように、スーツとして多少華やかな印象になることは拭えないので、
(4)チャコールグレー
就活生にとって、「チャコールグレー」という色の名前自体を初めて聞いたという人もいるかもしれません。チャコールグレーとは、日本語で「濃い灰色」の意味になります。
実はアメリカ、欧州など海外では黒のスーツはビジネス向きの色ではありません。黒スーツは、リムジン運転手や夜のパーティー用として使われている事が多いのです。ビジネス用のスーツカラーとしては、チャコールグレーが一般的です。
スーツ発祥地である西洋の正統色でもあり、相手に柔らかな印象を与える色がチャコールグレーですので、暖かい雰囲気をアピールしたい方は選んでみても良いかと思います。
いかがだったでしょうか?最終的にどのスーツの色を選択しようとも、一番大事なことは「相手に与える印象がどうなのか?」、そして「自分の雰囲気と合っているか」という点です。おしゃれにこだわり過ぎるあまり、原点を忘れてしまっては本末転倒です。
3.黒以外のスーツはおすすめできない業界・業種
先ほど黒以外の就活スーツの色をご紹介しましたが、実は業界・業種によっては黒以外はおススメできない、つまり黒一択の業界もありますので、その点については注意が必要になってきます。
例えば、銀行や公務員など比較的これまでの伝統や形式を重んじる業界では、黒色のスーツはおススメできません。ここでは黒以外はおススメできない業界や業種について詳しく説明します。
(1)お堅いイメージの金融業界
保守的な業界の代表例として、金融業界があります。学生さんでも「銀行員」と聞くと、なんだか真面目そうで、お堅い職業のイメージがあるのではないでしょうか?銀行、証券、生保をはじめとする金融業界の採用選考を受ける場合、あえて周りとの差別化を図ろうと変わった色を選択するよりは、一般的な黒色を選ぶことを強くおすすめします。
(2)堅実さ、真面目さが求められる公務員
役所や省庁など(公務員)堅実さや真面目が特に求められる業界にも、黒色スーツを着ることをおすすめします。
周囲より少しでも多くの売上を目指したり、人とは違ったアイデアなどを求められる業界とは異なり、どちらかというとあらかじめ決まった目標や指示された業務を、正確に早く処理する真面目さ・堅実さが求められるのが公務員です。黒色には真面目さや誠実さをアピールする効果があるという点も、黒をおすすめする理由の1つです。
(3)制服を着る機会も多いメーカー(製造業)
メーカーで働く場合、エンジニアではなく事務方の人間でも制服を着て働くケースもあります。
メーカーの選考にあまりオシャレすぎる格好をしていくと「この学生は制服をずっと着て働くことができるかな?」、「地味で堅実なうちの社風とは合わなくて、すぐに辞めるのでは?」と選考する企業側に不要な懸念や、選考におけるマイナス的な要素を持たせてしまうかもしれません。
つまりメーカーの選考にも、最もオーソドックスな黒無地のスーツを選択するのが無難でしょう。
いかがだったでしょうか?業界によっては、黒以外のスーツを着ていくことが選考にマイナスに働く可能性があることをしっかり念頭において、説明会や面接時のスーツの色を選ぶのが良いでしょう。また、同業界、同業種に就職しているOB・OBの方にも話を聞き、念のためスーツの色なども確認しておくと良いでしょう。
4.黒以外のスーツが個性・メリットになる業種・業界
黒以外のスーツでは印象・心象を害する危険性がある業種・業界がある一方、逆に黒以外のスーツを選択しても良い業種・業界もあります。その代表例が広告業界、アパレル業界、外資系企業、化粧品会社の4つです。それでは業界の特徴と黒以外のスーツが良い理由を説明していきます。
(1)トレンドに敏感な人が求められる広告業界
広告代理店を中心とした広告業界では、世の中の流行(トレンド)に敏感であることも重要な要素の一つです。そのため広告業界では黒以外のスーツに対しても寛容な会社が多いです。
クラアイントが求めるコミュニケーション課題を解決するためには、いま世の中で何が流行っていて、どんな事が興味を持たれているのか、というトレンドに敏感でなければ話になりません。流行する言葉がよく広告業界から発信されるように、スーツにおいても広告業界で働く人間は無頓着であってはなりません。
(2)ファッションセンスが求められるアパレル業界
アパレル業界は、服を取り扱う仕事ですので、当然ながらファッションセンスが要求される業界でもあります。そのためアパレル業界では、自分のセンスを表すようなアクセントをスーツの中に取り入れるのもOKでしょう。
もしアパレル業界に今から入ろうとする人が、大多数の就活生と変わり映えのしない、黒無地スーツを着ていくことを想像してみましょう。採用する側からするとどのように見えるでしょうか?
採用したら、持ち前のファッションセンスを存分に発揮して仕事をしてくれそうと思ってくれそうでしょうか?「ファッションに興味が無いなら何故うちの会社を受けようと思ったのだろう?」と受け取られる可能性もありますので、黒無地以外のスーツの色や柄を着ても大丈夫な企業が比較的多いです。
(3)外国人の影響を受ける外資系企業
外資系企業とは、日本以外の国の法人や個人が一定以上の資本を持っている企業を指します。当然ながら、その企業の経営方針や企業文化は外国人によってつくられる可能性が高いでしょう。
先ほど述べた通り、欧米では黒色・無地スーツはビジネス向きのスーツではなく、リムジンの運転手やパーティーに出席する時などによく用いられます。
そのため、面接官にもよりますが、黒以外の、例えば濃紺であったり、ビジネススーツの正統派であるチャコールグレーを着ていった方が印象がよく映る可能性もあります。
また外資系企業の場合、日本的な慣習や伝統に縛られず、「能力が高く、結果さえ出せそうな人ならOK」という成果主義の考えがあり、スーツの色・柄が多少派手であっても特に気にしないパターンも多いです。
(4)身だしなみが重要な化粧品会社
化粧品会社も黒以外のスーツが好ましいと言われています。
アパレル業界同様、身だしなみには敏感そうな業界です。化粧は顔だけすればよいわけではなく、服装や清潔感、ヘアスタイルなど、全体的な見た目を気にする必要があります。
そのためオシャレさや個性をアピールするためにも、黒以外のスーツを選択するのがよいでしょう。
以上のように、「就活=黒無地のスーツ」という訳でもなく、業界・業種によっては別の選択肢もあることを頭に入れておいていただくと良いでしょう。
5.まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、就活におけるスーツの色や柄についてご紹介しました。
就活は短期決戦ですので、限られた時間内でいかに相手に良い印象を与えられるかがキーポイントにもなります。日本の就職活動においては、黒無地スーツが最も一般的で無難な選択です。
しかしながら、必ず黒無地スーツではなければならない理由はありませんし、他の色であっても濃紺やダークグレー、チャコールグレーなど、派手過ぎなければ問題はありません。
今回ご紹介したスーツの色の傾向を把握した上で、自信を持って就活に挑んでください!
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