就活本番も差し迫った12~1月に実施されるのが、冬インターン(ウィンターインターン)です。
夏インターン(サマーインターン)ほど話題になりにくいものの、実際には短期間でありながら、採用本選考でも優遇されるなど、就活生にとってメリットが大きいのが冬インターンです。
今回は冬インターンの時期や応募方法、選考内容、そして就活への影響について詳しく解説します。
1.夏インターンと冬インターンの違いは?
まず「インターン」といえば、夏のサマーインターンが一般的ですが、冬インターンはどんな内容なのでしょうか?2つのインターンの期間・内容は主に下記の通りです。
◆サマーインターン
期間:1day、短期(1週間程度)
内容:ワーク・ショップ型、プロジェクト型、セミナー型
◆冬インターン
期間:1day、短期(土日、祝日が中心)
内容:ワーク・ショップ型、プロジェクト型
結論として、冬インターンは「セミナー型のインターンを実施していない」という点がサマーインターンと異なります。
特に違いが出やすいのが「1dayインターン」です。
サマーインターンにおける1dayインターンは、企業説明会に近い「セミナー型」の形式が一般的です。しかし冬インターンの1dayインターンは、グループディスカッションやプレゼンなど、学生自身で取り組む内容が含まれていることが多いです。
企業側としては「認知獲得」も目的とする夏の時期に比べて、冬の時期は「学生の獲得」に本腰を入れている背景があります。
また、冬インターンの時期は大学生にとって、まとまった休みがないため、企業側も考慮して土日で実施することが多いのも特徴です。
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2.冬インターンは就活に影響ある?
結論から言えば、企業・業界によっては冬インターンで就活に有利になる場合があります。特に外資系企業やベンチャー企業ではほぼ内定直結とも言える優遇が受けられる可能性もあります。
(1)特別選考枠が得られる
本選考が間近に迫った冬インターンでは、参加者に対して本選考を優遇する企業も多く見られます。
大まかにみると、以下のような傾向があります。
◆本選考で優遇されやすい業界
広告業界、外資金融、外資コンサル、IT業界、ベンチャー企業
◆本選考で優遇されにくい業界
商社、金融業界(国内)、メーカー
国内の大企業(広告代理店を除く)は、サマーインターンを実施していない企業も多く、冬インターンを通して「採用認知度の獲得」を狙っているため、たとえインターンで優秀な成果を残しても、採用本選考で優遇しない傾向があります。
(2)就活準備に出遅れた学生は挽回のチャンス!
サマーインターンの時期は、まだ学生も部活や留学など忙しい時期でもあり、志望企業のサマーインターンを見送ってしまうこともあると思います。
そのため冬から就活を始める学生にとって、冬インターンは本選考に向けた練習として絶好の機会です。
冬インターンを実施する企業は、エントリーシート、面接など、本番の採用選考と同じような選考フローを用意しているので、できるだけ志望業界に近い企業に応募して、経験しておくとよいでしょう。
また、先ほど述べた通り、商社、金融業界(国内)、メーカーでは、そもそもサマーインターンを実施していない企業も多く、冬からのスタートであっても差はあまりありません。
3.冬インターンの応募・選考・実施パターン
(1)冬インターンの応募パターン
冬インターンの応募方法は大きく分けて以下の2種類です。
◆冬インターンの応募方法
・企業サイトから応募
・就活情報サイトを経由して応募(リクナビ、マイナビなど)
冬インターンの情報は、夏インターンと比べてメディア露出が少なく、きちんと情報収集を行わなければ応募時期を見逃してしまいます。
冬インターン情報の見逃しを防ぐための対策としては、10月頃からは意識的に就活情報サイトや企業サイトやSNSの公式アカウント等をチェックするようにしましょう。
(2)冬インターンの選考方法
冬インターンの選考は以下の大きく2パターンに分かれます。
①商社、金融、メーカーの選考パターン
⇒エントリーシートのみ、Webテストのみ、
②広告代理店、外資金融、外資コンサル、IT等の選考パターン
⇒エントリーシート(独自問題)+面接
傾向として、「国内大手企業」はエントリーシートのみで選考を行うことが多く、「広告代理店、外資企業、IT企業」では、エントリーシート提出に加えて、面接まで行う傾向があります。
国内の大手企業は、冬インターンで採用を目的としていない分、選考も緩めですが、逆に早期採用を目的としている広告代理店、外資企業、IT企業では、冬インターンでも本選考に近い選考フローを設けて、早期に優秀な人材を獲得したい狙いがあります。
(3)冬インターンの実施内容
冬インターンの実際の中身は以下の通りです。
◆業界別・冬インターンの実施内容
①商社のインターン傾向
⇒5~10人でのグループワークがメイン。メンター社員とともに発表内容を仕上げ、最終日に発表を行う。優勝者の発表、特賞などあり。
②金融業界(国内)のインターン傾向
⇒金融に関するレクチャーを受けるなど、社員との交流メイン。グループワークやプレゼンの場は設けられているが、発表内容によって本選考にメリットが得られることは少ない。
③外資金融のインターン傾向
⇒まず会社説明を受け、最終日の課題発表に向けて3~5人でグループワークを行う。最終日にプレゼン発表という流れ。全ての説明・発表が英語で行われる。インターンで好印象の場合は、そのまま内定することもある。
④広告代理店のインターン傾向
⇒「社員による広告に関するレクチャー」と「グループワークによる発表」の両方を行う。担当者がクリエイターに寄っていて、内容もコピーやクリエイティブに偏りがち。
⑤外資コンサルのインターン傾向
⇒事前に課題の回答を用意した上で参加。持参した回答を元にグループワークを行い、最終日にプレゼンを行う。表彰も行うことが多い。
⑥メーカー(国内)のインターン傾向
⇒自社の新商品開発を課題として、グループワークを行い最終日にプレゼンを行う。表彰を行い、懇親会まで行う企業が多い。
4.毎年人気の冬インターンを紹介
具体的には、どのような企業が冬インターンの募集を行っているのでしょうか。毎年応募者多数で高倍率になる人気の冬インターン企業を紹介します。
(※2017年7月現在)
(1)株式会社電通(テクノロジーとアイデアの学校)
募集人数:
15人
実施期間:
2月上旬/5日間
応募資格:
大学および大学院に在籍している方
実施場所:
電通本社ビル(汐留)
選考フロー:
一次選考(エントリー課題による書類選考)⇒二次選考(面接)
内容:
現場で活躍するクリエーター(佐々木 康晴さん、高草木 博純さん)を講師に迎え、講義を受けながら、ワークショップ形式で課題に取り組む内容です。カリキュラムの後半では、インターン参加者で組んだチームで課題に取り組み、その成果をプレゼンします。
(2)総合商社・丸紅
募集人数:
30人
実施期間:
2月下旬/2日間
応募資格:
大学および大学院に在籍している方
実施場所:
丸紅東京本社
選考フロー:
プレエントリー⇒サイトからエントリーシート提出⇒別途書類選考⇒参加者を決定
内容:
Session1「現場を知る」
参加学生を営業チームに配属し、総合商社ビジネスに関する講義やワーク、現場見学を通して社員の業務体験。最終日には役員も交えて成果発表を行います。
Session2「人材を知る」
丸紅社員にインタビューを行い、商社人材のマインドに触れます。
(3)ボストン・コンサルティンググループ
募集人数:
非公開
実施期間:
12月中/3日間
応募資格:
大学および大学院に在籍している方
実施場所:
ボストン・コンサルティンググループ本社
選考フロー:
エントリーシート⇒筆記試験・Webテスト・適性検査⇒一次面接⇒二次面接
内容:
1日目:スケジュール、コンサルタントからの説明
2日目:調査課題を与えられ、4人1チームで、最終日の発表に向けて調査を行います。
3日目:コンサルタントに対して最終発表を行います。
6.まとめ
冬インターンについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
結論としては、多くの企業は、冬インターンを「採用活動の一環」として捉えています。
日本企業の一部(商社、金融、メーカー)では、プレエントリーだけで参加できる場合もありますが、基本的には本選考さながらの選考フローを経て参加することができます。
冬インターンでは、夏インターンと比べても本選考上のメリットが得られる場合が多く、就活に出遅れた方にとっても、メリットがあります。
冬インターンに参加すれば、選考のメリットが受けられるだけでなく、本選考に向けた大きな経験を得ることが出来ます。興味のある方は、ぜひ応募してみましょう!