就活面接では、一次面接、二次面接、最終面接という流れが一般的ですが、それぞれの面接の評価ポイントの違いを知っていますか?
今回の記事では、それぞれの面接の質問傾向から、評価ポイント、よく聞かれる質問について解説していきます。
<よく聞かれる質問だけを知りたい場合はこちら>
【保存版】 就活面接で必ず聞かれる質問・回答例 37選!
1.一次面接、二次面接、最終面接の比較表
就活の面接では、一次面接⇒二次面接⇒最終面接という流れが一般的ですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの違いを表でまとめてみました。
面接の種類 | 面接官 | 評価ポイント | 面接時間 |
---|---|---|---|
一次面接 | 新入社員 採用担当者 | ビジネスマナー 服装 受け答えがきちんとできるか | 15~20分 |
二次面接 | 採用担当者 役員 | 志望度の高さ 価値観 能力面 | 30分程度 |
最終面接 | 社長 役員 | 将来のビジョン 一緒に働きたいと思うか 会社との相性 | 30分~1時間程度 |
まず面接時間は選考が進むにつれて長くなる傾向があり、面接官の役職も上がっていく傾向があります。また、評価ポイントに関しては、一次面接ではビジネスマナーを中心に、基本的な部分をチェックしていくのに対して、最終面接では「一緒に働きたいと思える人材か」という部分を見極められます。
1.一次面接でよく聞かれる質問
では具体的に一次面接ではどのような質問が聞かれるのでしょうか。
一次面接の質問傾向から、一次面接で見られるポイント、実際の質問例・回答のポイントについて説明します。
(1)一次面接の質問傾向
一次面接では、いわゆる「就活面接でよく聞かれる質問」が聞かれます。
「就活面接でよく聞かれる質問」とは、面接対策本などに載っている一般的な質問です。例えば、「自分のアピールポイントは何か?」、「この会社を志望した理由は何か?」、「大学時代に頑張ってきたことは何か?」などの基本的な質問です。
一次面接の場合、面接官も、若い社員や新人の採用担当者であることが多く、マニュアルに従って質問を進める場合がほとんどです。回答に対して更に深掘りするようなことはあまり無く、表面的に内容を把握して、テンポよく進むことが一般的です。
(2)一次面接で見られるポイント
一次面接で見られるポイントは、「ビジネスマナー」、「服装」、「論理的な回答」など表面的な部分で、回答の中身まで深く考慮するケースは稀です。
なぜなら一次面接の段階では、面接する人数も多く、選考のために多くの時間を取れません。従って、一次面接の段階では、回答する内容はもちろん、基本的なビジネスマナーを押さえておくことも重要です。
(3)一次面接の質問・回答例
ここでは、一次面接でよく聞かれる「自己PR」、「志望動機」、「学生時代に頑張ったこと」に対する回答について解説します。
①質問1:自己PRをしてください
回答例
回答のポイント
(a)感情的にならないこと
⇒自己PRとなると、自分の生い立ちや受賞歴など、つい感情的になってしまい過剰な表現や形容詞が多くなりがちです。面接官からすると回りくどく聞こえてしまうので、簡潔に述べるようにしましょう。つまり自己PRでは、自分の強みや特徴を、根拠となる代表的な事例やエピソードをもとに、冷静かつ論理的に説明することが評価されるポイントです。
(b)いきなり具体的な詳しい話をしない
⇒具体的なエピソードの説明は突然話すのではなく、質問されてから述べるようにしましょう。
最初は、「育った環境」や「幼少期の○○での経験」程度に抑えておいて、質問された後で、詳しく話すのが最も伝わりやすい方法です。
自己PRについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご欄ください。
【例文あり】 面接官の経験者が、「評価される自己PR」を解説!
②質問2:志望動機を教えてください
回答例
また御社は企業理念として「企業家精神」を掲げており、クライアントのプロモーションを経営者目線で考えるというビジョンに共感し、御社を志望しました。
回答のポイント
(a)内定したい気持ちを全面に出し過ぎない
⇒「内定したい!」という気持ちはもちろん大切ですが、その一方で「内定したい」という熱意は「面接官に認められたい」という感情に等しく、面接官に媚びやすくなり、自信がなく、小者感が目立ってしまいます。
面接に臨むときは、内定を目指すというより、入社後のビジョンや活躍イメージについてフォーカスすることが大切です。
ちなみに面接は、英語では「job interview(ジョブインタビュー)」と呼び、応募者側、会社側の両者がお互いのスキル・能力を見極める場としての意味があります。
(b)信念
⇒就活における信念とは、「仕事を通してどんな人間になりたいか、周囲にどんな影響を与えたいか、何を手に入れたいか」という目的意識です。
深く自己分析をやった人であれば分かると思いますが、就職活動の最終目的は特定の会社に入社する事ではありません。「自分がやりたいことを実現する場として、その会社を選択した」という流れが理想です。
つまり会社の事業内容に深く踏み込みすぎると、本来の目標を見失い、矛盾した発言になりかねません。
(c)論理と情熱のバランス
⇒自分がやりたい仕事を論理的に語るだけでは、面接官の心には響きませんが、一方で抽象的な情熱だけを語っても、具体的に何をしたいのか伝わりません。どちらの要素も欠かすことなく、バランス良く志望動機を語ることが大切です。
③質問3:学生時代に一番頑張ったことを教えてください
回答例
授業の分かりやすさを改善するため、自主的にアンケートを取ったり、授業を録音したりして研究・分析を行いました。
その結果自分に不足していたのは、「アイスブレイク」という結論を出し、本を読んで授業開始時には、必ず授業に関係のない話をするようにしました。
その結果生徒の成績も他クラスとくらべて最も高い平均点を出すことができ、他の先生方からも褒めていただくことができました。
回答のポイント
(a)継続的な努力・活動
⇒面接で「頑張った経験」を会社が質問することには、「粘り強さや根性を見たい」という目的があります。イベントなど単発での経験よりも、継続的に取り組んで困難や歓びを得られた経験の方が高い評価につながります。
(b)ユニークな工夫・改善
⇒実際に頑張った時には様々な努力をしたかと思いますが、面接で伝えるのは「他人がやっていない、その人なりの工夫」をアピールするのが理想です。ただ単に「努力した」、「誰よりも遅くまで練習した」などありきたりな表現では面接官の心に刺さりません。
「アンケートを取った」、「授業を録音してみた」など自発的に改善に向けて工夫したことが分かるように伝えましょう。
(c)自発的・能動的な行動
⇒「イベントに参加した」、「本を読んだ」、「音楽を聞いた」など、何かしらの周囲から影響を受けて自分が変化・成長したエピソードは受動的なものです。
もちろんその経験自体は価値があるものだと思いますが、面接でのアピールには向いていません。「イベント・企画を運営した」、「本を執筆した」、「イチからバンドを立ち上げた」など、自分が主体となった能動的な行動が企業から評価されます。
たとえ同じ内容であっても、出来る限り能動的な行動を強調できる表現を用いましょう。
一次面接でよく聞かれる質問について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
<関連記事>
一次面接でよく聞かれる質問 15選 – 面接の仕組みも解説
2.二次面接でよく聞かれる質問
では二次面接ではどのような質問が聞かれるのでしょうか?
二次面接の質問傾向から、二次面接で見られるポイント、実際の質問例・回答のポイントまで、詳しく解説します。
(1)二次面接の質問の傾向
二次面接では、一次面接での回答を深掘りするような質問がされます。
二次面接の面接官は人事部長や現場の役職者(部長・課長など)である場合が多く、一次面接の内容を引き継いでいます。そのため一次面接での回答の中で詳しく聞きたいと感じた質問を深掘りするのです。
具体的には、「志望動機」や「やりたい仕事」に関して、「他社ではだめなのか?」「なぜその仕事をやりたいと思ったのか?」といった形で深掘りをされます。
(2)二次面接で見られるポイント
二次面接で見られるのは、「志望度の高さ」、「能力の高さ」など本人のやる気や能力に関わる部分です。
二次面接では、人数もある程度絞られていて時間も取れるため、マニュアルに沿って進めるのではなく、面接官が気になった部分を質問され、具体的に回答することが要求されます。
そのため、深く追求されても論理的に説明できるように、一次面接で答えた内容をきちんと振り返って準備しておくことが大切です。
(3)二次面接の質問例
ここでは、二次面接でよく聞かれる質問に対する回答について、詳しく解説します。
①質問1:もし○○が志望理由であれば、例えばB社でも良いのではないでしょうか?
回答例
(※志望動機で、「人の心を動かす仕事」と回答した場合)
先日の御社のインターンに参加させて頂いた中では、御社から個人を尊重する風潮を感じ、黙々と仕事に取り組める環境がある御社で働きたいと考えています。
回答のポイント
(a)安易にB社を批判しない
⇒面接を受けている会社を美化して、B社を安易に批判するのはおすすめできません。なぜなら面接を受けている会社側からすれば、「逆にB社の面接では、うちの会社のことを批判しているのだろう」と見られてしまいます。
面接を受けている会社の特徴や強みを引き出すことで、なぜその会社を選んだのか明確な理由を述べましょう。
②質問2:入社後はどんな仕事をしたいですか?
回答例
回答のポイント
(a)「自分の強み」と「会社の仕事内容」を重ねて話す
⇒この質問をする背景には、「仕事の興味・関心」と「自分の強みを仕事にどう活かすか」という2つの意図があります。従って、単純に興味のある仕事を述べるだけでなく、自分の強みと仕事内容を絡めて話すことで、より面接官に刺さる回答になります。
(b)役職や名称だけでなく、具体的に仕事をする自分をイメージする
⇒「営業」や「企画」など、役職や名称だけでは形式的で具体的なイメージが伝わりません。どのように、その仕事をこなし、どのように評価されたいのか、詳しく伝えましょう。
③質問3:最後に何か質問はありますか?(逆質問)
回答例
回答のポイント
(a)調べればすぐに分かる質問はしない
⇒社員数、売上、資本金などの数値的な情報は、会社ホームページを見たり、自分で調べればすぐに入手できる情報です。面接の場でこのような質問すると、「この学生は会社のホームページも見ていないのか」、「浅い質問で、会社に興味がない証拠」とかえって逆効果になってしまいます。
質問する際には、面接の前にきちんとウェブで調べたりなど下調べしておくと良いでしょう。
(b)社員にひもづく質問
⇒会社の雰囲気や一日のスケジュール、仕事で大変なこと、仕事のやりがいなど、社員ひとりひとりに紐づく質問であるほど、情報の独自性は高まります。これらの情報はウェブサイトに掲載されていることも少ないため、逆質問としては最適です。
逆質問については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
面接官に好印象を与える!逆質問の例を紹介!
二次面接でよく聞かれる質問について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
<関連記事>
二次面接でよく聞かれる質問 15選 – 通過率や対策方法も解説!
3.最終面接でよく聞かれる質問
最終面接ではどのような質問が聞かれるのでしょうか?最終面接の質問傾向から、最終面接で見られるポイント、実際の質問例・回答のポイントについて説明します。
(1)最終面接の質問傾向
最終面接では、社長もしくは役員が面接官の場合が多く、変わった質問をされたり、圧迫面接をされたり、雑談のような形で終わってしまうなど、多種多様な形式があります。パターンは様々ですが、最終面接での質問傾向は「将来のビジョン」や「価値観」を尋ねる質問が少なからず聞かれます。
(2)最終面接で見られるポイント
最終面接で見られるポイントは、「社長や役員が一緒に働きたいと思うかどうか」です。もし採用となれば、少なくとも今後数年、長い場合は数十年と一緒に会社で働くことになるので、性格や能力、価値観を含めて、会社の社風や価値観と合うかどうか判断します。
(3)最終面接の質問例
ここでは、最終面接でよく聞かれる質問に対する回答について、詳しく解説します。
①質問1:弊社に入社したら、10年後はどのように働いていますか?
回答例
もちろん昇給や昇格も目標ですが、それらはクライアントとの信頼関係を構築できた結果として、後から付いてくるものだと考えています。
回答のポイント
(a)「志望動機」「やりたい仕事」と一貫した内容で答える
⇒10年後の自分の働き方について話す場合、「志望動機」「やりたい仕事」と一貫していることが大切です。「志望動機」や「やりたい仕事」の延長線上として「10年後の自分」を語れるようにしましょう。
(b)会社の10年後の姿と照らし合わせて語る
⇒10年後の自分を語るにあたって、入社する会社が10年後どのような事業に関わっていると予想されるのかは非常に重要なことです。そのためにも、事前に事業内容や企業ビジョンを見て、自分なりの見解を建てた上で、ビジョンの実現に貢献できるような発言が理想です。
②質問2:尊敬している人は誰ですか?
回答例
私が尊敬したのは、彼の仕事に対する姿勢です。彼は18歳で信長の足軽(雑用係、身分の低い兵)に指名され、こき使われながらも信長の思考を先回りして動いていました。草履を懐で温めて差し出したのは有名なエピソードです。
他にも、任された石垣の修復では、当時無かったチーム制・分業制を取り入れ、予定の10分の1の期間で完了させるなど、組織に貢献することで周囲の人間に認められ、昇格しました。
私も秀吉のように、常に組織に貢献できる人間でありたいと思っています。
回答のポイント
(a)両親を選ばない
⇒もちろん、自分を育ててくれた両親を尊敬しているということは、素晴らしいことです。約20年も生活の面倒を見てくれ、大学の授業料も払ってくれた両親に感謝の気持ちを持つことは当然です。しかし、「尊敬」と「感謝」はまったくの別物です。尊敬とは「社会的に何かしらの功績を残した人を敬い、尊ぶこと」ですので、回答として両親を選ぶことは避けた方が良いかも知れません。
歴史的な偉人、スポーツ選手、科学者、政治家など、数多くの人の中で誰を選ぶかという部分に、あなたの価値観が反映されます。
(b)会社のビジョンに沿った内容を意識する
⇒面接官の目的としては、尊敬する人物から、学生の価値観を引き出したいという意図があります。そのため、例えばコンサルティングファームの最終面接であれば、戦略家として有名な武将や政治家、メーカーであればものづくりへのこだわりが強い、職人、研究者や発明家などを挙げると高い評価を得やすいでしょう。
③質問3:あなたが入社したら、どのように会社へ貢献できますか?
回答例
回答のポイント
(a)自己PRに沿った内容を意識する
⇒会社に貢献できるポイントとは、すなわち、「長所を仕事上で活かす方法」のことです。
自己PRに立ち返り、「自己PRと仕事との共通点」を洗い出して的確に述べるようにしましょう。
(b)具体的な仕事内容を語らない
⇒面接官も、新卒で入社するあなたを即戦力として考えている訳ではありません。
そのため、事前に調べた情報を元に「○○の仕事ならできます」というような答え方をしてしまうと、「浅い考え」、「本当にうちの会社の仕事を調べてきたのか」などと不信感を抱かせてしまいます。
自分の強みをきちんと理解した上で、近い将来には実現可能そうな能力やスキルについて大枠で話すことで、相手にもイメージしてもらいやすい話し方ができると思います。例えば、完成度の高い資料を作る、社内の調整役、クライアントとの円滑なコミュニケーションなどがその例です。
二次面接でよく聞かれる質問について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
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最終面接でよく聞かれる質問 15選 – 通過率や対策方法も解説!
4.広告代理店の面接で評価される人物像
広告業界のイメージは、派手でクリエイティブな世界に見えますが、実際は泥臭く、内輪向きの業界でもあります。カテゴリとしてはマスコミと同じような業種に入れられがちですが、コンサルティング業界に近いと捉えたほうが良いでしょう。
広告業界で求められる人物像は主に以下の3つです。
①粘り強さがある
⇒業界で有名な「電通の鬼十則」にも含まれていますが、仕事に取り組んだら最後まで絶対に諦めないという粘り強さが広告業界では高く評価されます。コンサルティング業界と違って、より人間レベルでクライアントと対峙しなければなりません。どんなことがあっても粘り強く、最後まで向き合った経験は面接でも大きなアピールになります。
②人を動かす力がある
⇒特に広告代理店の営業は、クライアントが本当に求めていることを、自ら提案し、会社のチームを巻き込んで実現していくことが求められます。限られた時間の中で、クリエイティブチームや媒体担当など周囲のスタッフに的確に指示を出し、プロジェクトを管理していかなくてはなりません。つまり、名ばかりのリーダーではなく、実際に人を動かしてきた経験は広告業界に求められる大きなポイントです。
③消費者(生活者)目線を持っている
⇒広告のターゲットは、基本的に一般消費者(生活者)です。何が人の心を煽り、くすぐるのか。たとえ自分が関わったことのない商品やサービスであっても、消費者の心の琴線をつかむのか(業界的にはこれを「インサイト」と呼びます)を広告施策に落とし込む感性が欠かせません。
面接時にも気になったCMやキャッチコピーについて聞かれることがあると思いますが、消費者目線での感想を尋ねられているわけではありません。
発信されている広告が、どのようなターゲットに対し、どのような狙いを以て、訴求されているのか、「広告の背後にある理論」を想像する力が問われています。
6.まとめ
就活面接の質問で聞かれる質問について、段階ごとに解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
就活面接とは、相手を蹴落とすことでも、面接官を説得させることでもなく、人と人とが心を通わせ合うための場所です。
面接官と心を通わせるためには、
髪型、服装など表面的な準備も必要ですし、
自己PR、志望動機など必ず聞かれる質問の準備をすることも大切です。
しかし、これらは面接の環境を整えるための手段に過ぎません。
いちばん大切なのは、活躍したいと思う情熱や覚悟を相手の心に残すことです。
それさえできれば、あとは会社との相性で可否が決まります。
あなたが志望企業から内定を獲得できることを祈っています!