サイバー・コミュニケーションズ(以下CCI)はメディアレップ業界の中でDACに続き二位の業績を誇る企業です。広告業界の中でも際立った成長を続けるインターネット広告の分野で媒体社と広告会社の仲介を行う役割を果たしています。
電通の子会社であり、2018年10月にVOYAGE GROUPと電通、三社の間で資本業務提携契約を締結しています。
今回は企業情報や事業内容など様々な観点からCCIがどのような企業で、ライバル企業と比較してどこに強みがあるのかを分析していきます!
<企業研究シリーズ>
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目次
1.CCIの強み
最初に結論を言うとCCIの強みはメディアグロースパートナーというビジネスモデルと安心・安全を徹底した事業方針です。
「メディアグロースパートナー」とは、「優良なメディア、優良なコンテンツを支え続けるパートナーになる」という意味です。
つまり、メディアレップでは広告代理店と媒体社(メディア)、両方の課題を解決する仕事をしますが、CCIは他のメディアレップ企業に比べ、特にメディア側の成長も重要視し、メディアの収益化を手助けしているというユニークな面を持っています。
後者について、現在インターネット広告業界では「アドフラウド」と呼ばれる不正に広告の表示回数やクリック回数を水増しするなどの広告詐欺が問題になっています。
そのような状況の中、アメリカの広告業界団体によって設立された 「IAB Tech Lab」という組織が定める、オンライン広告における計測の妥当性を監査するプログラムにおいてCCIが世界で初めて認定を受けました。
詳しくは記事の後半で解説します。
2.会社概要
社名 :株式会社サイバー・コミュニケーションズ
設立 :1996年6月5日
資本金:4億9,000万円
代表取締役社長:新澤 明男
売上高:745億円(2014年3月期)
社員数:1,032名(2017年12月現在)
本社 :東京都中央区築地1-13-1 築地松竹ビル
3.事業
大まかに分けると広告主・広告代理店の課題を解決する事業と媒体社の課題を解決する事業の2つに分けることができます。
CCIではそれらの事業に対して担当する職種が多くあり、細分化されています。ホームページ上では13の職種が紹介されていますが、ここでは代表的な職種を3つ紹介したいと思います。
(1)メディアコンサルタント
媒体社(メディア)側の課題を解決する職種です
担当するメディアの広告枠を預かり、メディアの収益の最大化や価値向上のために最適に広告会社に向けて販売・管理を行います。このようなコンサルティング業務の他にも広告の入稿業務をまとめるレポート業務もこの職種で行われます。
皆さんが普段利用しているwebメディアは主にサイト内の広告などから収益を得ています。
その収益源である広告枠を取り扱うので、責任ある重要な仕事です。
(2)メディアプランナー
広告会社側の課題を解決する職種です。
担当する広告会社の広告効果最大化と収益最大化を支援のため、デジタル広告に関わるサービスの提案・販売をしています。
例えば、広告を適切に狙ったターゲット層に届けるためには、その広告にあったメディアや表現方法を考えなくてはいけません。そのための最適な計画を建てて提案することが業務の一つです。
(3)データコンサルタント
媒体社(メディア)側の課題を解決する職種です。
webメディアでは、日々利用するユーザーの購買データや行動データなどが大量に蓄積します。それらのデータを上手く扱い、課題を解決するためのテクノロジーサービスの販売・分析・運用を行います。
テクノロジーサービスの一つの例として「DMP(Data management platform)」というものがあります。例えば、このDMPを導入することでデータの収集、整理ができるようになり、メディアの分析やターゲティング広告に活用に繋がります。CCIでは前述した、IAB Tech Labによる認定を受けた、「BEYOND X DMP」などがあります。
このようなDMPを導入するための支援や、メディアの広告商品開発などもこの職種において行われます。
4.CCIの強み
冒頭でも記述しましたが、CCIの強みはメディアグロースパートナーというビジネスモデルと安心・安全を徹底した事業方針CCIの強みはメディアグロースパートナーというビジネスモデルと安心・安全を徹底した事業方針にあります!
前者について、CCIでは「the media growth partner」という経営方針を掲げ、特にメディア側の成長を重要視し、メディアの収益化を手助けています。
これにより複数あるメディアレップ企業との差別化に繋がっています。
後者について、CCIは世界で初めてIAB Tech Labによる認定を受けています。この認定は「国際レベルでのデジタルマーケティング基準に対応している」ということを証明しています。
デジタル広告において現在、広告が不適切なサイト上に表示されたり、人ではなくボットと呼ばれるプログラムによって閲覧やクリックをさせ、広告効果などを水増しさせる「アドフラウド」と呼ばれる広告詐欺が問題になっています。
これらの課題解決に向けCCIは信頼性の高い計測手法や、技術的手法の確立に取り組んでおり、今回の認定で国際的に認められたという強みがあります。
5.CCIの採用・選考基準は?
CCIが公表している「求める人物像」で以下の5つの観点を示しています。
どれも広告業界を志望するにあたっては必須の能力なので、複数を兼ね備えていることが理想です。
1.「課題発見・解決力」
自身の問題意識で課題を見つけ、その解決に向かってセルフスタートを切る力
2.「タフネス」
成果を得るために粘り強く取り組み、工夫を重ねてやりぬく力
3.「柔軟性」
変化に対して前向きで、視野を広く持ち、柔軟に取り組む力
4.「好奇心・学び取る力」
問題意識を持ち、自分から学んだり、経験から学びそれを次の経験に活かす力
5.「ブリッジ力」
利害や背景の異なる他者に自身から働きかけ、能動的、積極的になるよう巻き込んでいく力
デジタル広告業界では日々新しいアドテクノロジーが開発されるなど、現在も急速に進化しています。それに加えメディアレップとして、メディア側の新情報やサービスにも向き合う必要があります。このように幅広い業務があるCCIでは、業界や社会の変化に合わせ自身を変化させなければいけません。
例えば「好奇心・学び取る力」を持って積極的に自分の持つ知識をアップデートし、「柔軟性」と「タフネス」を持って前例の無い仕事にも取り組み、困難な課題に直面した際には「ブリッジ力」を持って周囲を巻き込み、解決に導く必要があります。
以上の理由により上に挙げた5つの能力が必要になると考えられます。
6.CCIの実際の求人内容
CCIでは新卒採用とキャリア採用を行なっています。
そのため、年度中のいつでも空きのポストがある場合には応募することができます。
2018年11月現在、キャリア採用はHP上で8つの業種が募集されていますが今回はその内2つをピックアップしました。
引用元:https://recruiting-site.jp/s/cci/
(1)メディアプランナー
●職務内容:広告主様の効果最大化、売上拡大
担当する広告代理店・広告主の広告効果・収益最大化を支援頂きます。
広告会社様(広告代理店)と連携し、最適なメディアプランニングや
最先端のツール・技術を提案していきます。
●折衝先:広告代理店
●応募資格:高専、大卒以上
以下いずれかをご経験されている方
①広告業界における1年以上の業務経験(営業、制作、ディレクターなど)
②広告運用経験をお持ちの方(1年以上目安)
③事業会社やリサーチ企業におけるマーケティング経験(Web領域以外も歓迎)
●想定年収:400万円~ 605万円
●勤務時間:9時30分~17時30分(休憩1時間 7時間勤務)
●休日休暇:完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、年次有給休暇、慶弔休暇、誕生日休暇、リフレッシュ休暇、失効年次有給積立休暇
●福利厚生:各種社会保険完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)
医療(定期健診、人間ドック、インフルエンザ予防接種)、補償福祉(所得補償保険加入、総合福祉団体定期保険加入)など
●勤務地:東京本社(担当案件により取引先企業に出向、常駐の可能性もございます。)
(2)データ分析コンサルタント
●職務内容: WEBマーケティングにおけるビッグデータ分析の設計およびレポート作成、
クライアント(広告主・媒体社)に対するコンサルティング
●応募資格:マーケティングに関するデータ解析の実務経験(∟SQLやデータベースの知見をお持ちの方を求めています)Excel、Powerpointの使用経験(Excel:vlookup関数、if関数などが問題なく活用できるレベル、Powerpoint:対外向け資料の作成)
●歓迎経験・スキル:SPSS Modeler/SAS/Rなど、マイニングツールによる分析経験がある方、統計学の知識、ExcelのVBA/マクロまで利用可能な方
●想定年収:445万円~ 600万円
●勤務時間:9時30分~17時30分(休憩1時間 7時間勤務)
●休日休暇日:完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、年次有給休暇、慶弔休暇、誕生日休暇、リフレッシュ休暇、失効年次有給積立休暇
●福利厚生:各種社会保険完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)、医療(定期健診、人間ドック、インフルエンザ予防接種)など
補償福祉(所得補償保険加入、総合福祉団体定期保険加入)
●勤務地:東京本社
7.CCI関連の有名人
その企業出身、または関連する著名人について面接で聞かれることもあるので、2〜3人知っておくと安心です。
ただ知識として名前を覚えるだけではなく、なぜその人の事が印象に残っているかなど自分が持つ意見を伝えることで一歩進んだ面接官へのアピールになるでしょう。
(1)亀井智英 氏
サイバー・コミュニケーションズ出身の起業家です。NTTアドや電通デジタルビジネス局への出向を経て、2012年に米国デラウェア州にて「Tokyo Otaku Mode」を創業しています。同社では、国外向けに日本のアニメや漫画、ゲームなどのコンテンツを発信するインターネットメディア事業や、Eコマース事業を展開しています。
あるインタビューの中で亀井氏はサイバー・コミュニケーションズによる出向を通して業界内での人脈をつくり、このときの飲み仲間がTokyo Otaku Modeの設立メンバーとなったと答えています。
(2)宇佐美進典氏 氏
2018年10月にサイバー・コミュニケーションズと資本業務提携契約を結んだVOYAGE GROUPの創設者です。
サイバーエージェント出身の起業家で、サイバー・コミュニケーションズ出身ではありませんが、現在のCCIに関連する人物なので覚えておくと良いでしょう。五年間サイバーエージェントの取締役としても活躍しており、2007年には日中韓若手経済人コンテストにて「若手経済人新人賞」を受賞しています。
8.まとめ
就職活動をする上で必須となる企業研究ですが、今回のメディアレップ大手のサイバー・コミュニケーションズの企業研究はいかがでしたでしょうか。
市場規模で4大マスメディアを次々と追い抜いているネット広告業界ですが、就活においてきちんと代理店やメディアレップの違いを理解し、自分のやりたいことができる企業を見つけることが鍵となるでしょう。
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