【企業研究】国内4位の大広の強み・特徴・経営戦略は?

今回企業研究を行う大広は1944年に関西を中心にした広告代理店14社統合し、「近畿広告株式会社」として設立した代理店です。1960年に現在の社名に変更し、大広は略称ではなく「大きく羽ばたく」という意味で命名されました。

現在は総合広告代理店として国内第4位に位置し、2003年には博報堂と読売広告社と経営統合を行い、「博報堂DYホールディングス」の主要企業の一つとなっています。

広告代理店といっても日本においてたくさんありますが、いまいち各会社の違いやどこに強みがあるのかがわかりにくいですよね。

そこで今回は、企業情報や事業内容などから大広がどういう会社で他の代理店と比べてどこに強みがあるのかをみていきます!

<企業研究シリーズ>
【企業研究】メディアレップ大手CCIの強み・成長性・採用情報を分析!
【企業研究】インターネット広告大手のオプトの戦略・成長性・採用情報を分析!
【企業研究】メディレップ最大手DACの強み・財務・採用情報など解説!
【企業研究】読売広告社(読広)の強み・特徴・経営戦略は?
【企業研究】サイバーエージェントは一体何の会社?売上や財務から経営を読む!
【財務比較】大手インターネット専門広告代理店4社を比較
【財務比較】大手広告代理店3社を財務比較!
【企業研究】財務諸表からADKを読み解く!ADKの将来性は!?
【企業研究】 博報堂を財務諸表で読み解く!経営は万全!?
【企業研究】財務諸表から電通を読み解く!電通の経営は安全?

1.大広の強み、他の代理店との違いは?

まずはじめに結論をお伝えすると、大広の強みは「ダイレクトマーケティング」です!

大広は20年以上前からこの分野に注力し「ダイレクトなら大広」と業界内で言われるほどにこの領域に強みを持っており、近年は博報堂グループとの連携も取り、さらにこの分野を強化されています。
詳しくは記事の後半でお伝えいたします!

通常版

2.大広の会社概要

では基本的なところとして、大広の基本情報を見ていきましょう。

社名:株式会社大広
設立:1944年2月28日
資本金:28億70万円
取締役会長執行役員:岩井 秀一
売上高:1,676億円
社員数:816名
本社:大阪市北区中之島2丁目2番7号

大手版

3.大広の主な事業

大広も他の総合広告代理店同じように、4大マスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)やデジタルの広告事業などに関わるクリエイティブ制作、マーケティング、プランニング、コンサルティングなどの広告代理業を中心に行なっています。

その他にも大広の強みであるダイレクトマーケティングや日系企業の海外進出をサポートするグローバルマーケティング、研究開発など合計5つの事業を展開しています。

(1)コミュニケーションデザイン

ここではクライアントがプロモーションを行う上でその方法やクリエイティブなどを提案する事業となります。

・主な展開サービス内容
クロスメディアキャンペーン(複数のメディアを用いて広告を展開する手法)
クリエイティブ(広告のデザイン作成)
プロモーション(広告など販売や認知を促進する全体の企画作成)
PRデザイン(広告とは違いイベントなどを開いてメディアに取り上げてもらうPRの計画作成)

コミュニケーションデザインではこれらのサービスを展開しており、テレビCMや新聞広告、ポスターなどの複数のメディアを手がけ、その広告のデザインやプロモーションのプランニングも行なっています。
現在この事業では博報堂グループとの連携を行い、成長している事業領域と言えます。

(2)デジタルソリューション

インターネット、スマートフォンなどのデジタル技術の急速な発達や普及に合わせて広告もデジタル分野であるネット広告などの普及が進んでいます。

大広ではスマートデバイス(スマートフォン、タブレットなど)、ソーシャルコミュニケーション(企業が社会との良好な関係を維持するためのコミュニケーション活動)、オーディエンスデータマーケティングに積極的に主に力を入れています。

①i-Mediaプランニング

グループのメディア事業会社の博報堂DYメディアパートナーズと連携し、様々なメディアプランニングを提案しています。特に現在は消費者との接触率が高まっているインターネットメディアにおいてリスティングやアフィリエイトからオーディエンスデータ・ターゲティングなどの先端領域の広告配信プラットフォームを提供しています。

②Webプロモーションプランニング

ここでは主に、ブランディング、ダイレクトマーケティング、CRM(顧客関係管理)などの多様な課題を解決するウェブプロモーションプランニング事業になります。

現代のビッグデータや人工知能時代の到来と共にプロモーションにおいてもユーザーの行動履歴などの顧客データをマーケティングに取り入れるなどしてマーケティングの効率化を図っています。

この事業にて主に展開しているサービスは以上の2つになります。
その他にも日常生活の様々な要素をゲームの形にする「ゲーミフィケーション」や動画プロモーション、フラッシュモブなどのリアルイベントなどの施策をi-Mediaプランニングと並行して開発しています。

(3)ダイレクトマーケティング

20年以上も前からダイレクトマーケティングを重点領域としていた大広は、ビッグデータの活用などで益々活発化しているこの分野で新たな手法にもチャレンジしています。

例えば、数ある通販業務を分析し“勝ちパターン”をメソッド化した「S-stream」や、通販メディアに特化した機能会社「ディー・クリエイト」などのノウハウと体制を整え、買い続けられるコミュニケーションの設計、事業設計、コンサルティングなどを提供しています。

(4)グローバルマーケティング

大広は中国への進出を機に、ベトナムに現地法人を構え、2012年にはインド、アセアンにもネットワークを拡充してきました。海外事業では日系企業の海外市場におけるマーケティングコミュニケーションのソリューション提案を行っています。

大広は世界4位に位置する「インターパブリックグループ(IPG)」と包括的な業務提携をしており、国内外でのクライアントサービス強化を行なっています。

また、そのIPGの傘下の企業2社とも業務提携を行い、戦略やクリエイティブ、ダイレクトマーケティング、デジタルなどの各種の分野で最新の広告手法を導入しています。さらにIPGが世界に展開する世界中のネットワークと共同してクライアント・サービスを提供しています。

・アジア市場における取り組み
大広は1979年に日本の総合広告会社としてはいち早く中国に進出し、現在では上海に100%子会社を置き、北京と広州に拠点を有しています。ベトナムでは2007年にホーチミン・ハノイで2拠点体制を展開しています。

グローバル化の加速に伴い、台湾、インド、インドネシア、シンガポールにも拠点を構え、アジアでの提供サービス拡充を図っています。

(5)研究開発

常に提供するソリューションの質を高め続けるために、この情報が溢れている状況で価値ある情報を迅速に集めて分析しています。
市場の調査・分析、提案作業、研究開発をこの事業で行なっています。

テキスト版

4.大広の売上高

続いて、会社の規模や業績を見ることのできる売上高の直近4年間の変化を見ていきます。

大広の売上高はここ4年間右肩上がりで伸びており、年々5%ほど成長しています。

次にどの要因がこの順調な売上の伸びを維持しているのか見ていきます。

上の表では大広が主に扱っているメディア別の売上高の推移を示しています。

黄色で網掛けした部分が大きな比率を占めていてかつ堅調に伸びている分野です。いわゆる4マスではテレビが3/4を占め、雑誌やラジオは4マス合計のうちの2、3%ほどしか占めていませんでした。またテレビの売上高は年々伸び続けています。

また、現在業界全体でも大きな伸びを見せているインターネット広告は大広でも順調に売上高を伸ばしています。しかし、まだ他の媒体と比べて大きな売上は出していません。

5.大広の経常利益

経常利益は、売上高からコストを引いて出た企業の本業から出た利益に、余剰資金を投資して得た金融収益(営業外収益)を加えた金額になります。

経常利益も売上高と同じく年々上昇し、2年間で2倍になっています!
しかし、売上に占める経常利益の割合はわずか2%と低い水準になっています。

6.大広の当期純利益

当期純利益は経常利益から特別損益を足し引きし、税金等を引いたものになります。

2016年に当期純利益が急上昇していますが、おそらく特別利益で何かしらの利益が入ったものと思われます。
当期純利益も4年で2倍まで上がっています。

7.大広の強み

冒頭でも記述しましたが、大広の最大の強みは「ダイレクトマーケティング」にあります!

大広は20年以上前からこの分野に注力し「ダイレクトなら大広」と業界内で言われるほどに強みを持っています!
近年はビッグデータの活用などを用いてこの分野で新たな手法にもチャレンジしています。

例えば、数ある通販業務を分析し“勝ちパターン”をメソッド化した「S-stream」や、通販メディアに特化した機能会社「ディー・クリエイト」などのノウハウと体制を整え、買い続けられるコミュニケーションの設計、事業設計、コンサルティングなどを提供し、他の広告会社とは一線を画すノウハウと体制を整備しています。

8.大広の採用・選考基準は?

大広も広告代理店として、第一の目標には「広告主の課題をコミュニケーションで多面的に解決すること」を目指しています。

さらに、大広の強みとしているダイレクトマーケティングでは、企業や商品に愛着を持って商品を買い続けてくれる顧客を獲得することを考えることがとても重要になってきます。

そんな大広の求める人物像は「高い達成意欲と目標に向け自ら考え、エネルギッシュに行動する力」を持っている人としています。

大広は他の広告代理店と比べて地味な方ですが、新旧の広告業務を推し進める堅実な会社です。社風はのんびりとした落ち着いた雰囲気ですが、その中でも確実に仕事をこなし目標を達成力と多様なソリューションを提案する柔軟な発想が求められます。

9.大広の実際の求人内容

大広では、激しい変化にも対応できるように「即戦力による強化」を最大の課題として「通年採用」を行なっています。

(1)募集職種

・営業
・国際営業
・ストラテジックプランナー
・デジタルマーケティングディレクター
・セールスプロモーションディレクター
・経理(財務/事業管理/投資管理)

(2)採用条件

募集人数:各職種若干名
勤務地:東京/大阪/名古屋
応募資格:各職種実務経験3年以上
待遇:社会保険完備、交通費完全支給、各種福利厚生制度あり

通年採用を行なっているため、入社する機会は常にあるものの、即戦力を重視している分、職務経験や能力を持っていないと選考に通過することは難しそうです。

10.大広出身の有名人

広告代理店の出身は面接で聞かれることもあるので、2〜3人知っておくと安心です。

ただ名前を覚えるだけでなく、なぜその人のことを覚えているのか、その人の作品などを知っておくと良いです!

(1)佐々木蔵之介


俳優として現在大活躍している佐々木蔵之介は神戸大学を卒業後に実は大広に入社して、約2年半の間、劇団との活動を両立しようとしている時期がありました。

ちなみに、その年のどきにはお笑い芸人のますだおかだの増田英彦もおり、2人は大広の同期として一緒に働いていました。

(2)安路篤

大広にてクリエイティブディレクター/コピーライターを務め、近鉄やサントリーWOWOW、H.I.S.などの幅広いクライアントを持ち、今までにクリオ賞、日経広告賞、NY ADCなど国内外で様々な受賞歴を持っています。
近年の仕事では近畿日本鉄道の奈良、飛鳥キャンペーンの広告があります。

11.まとめ

大広の企業分析いかがでしたでしょうか?
今回は大広の事業内容・大広の強みと財務状況から企業分析を行いました。

現在はネット分野と海外への進出が注目が強まっている広告業界ですが、大広もその分野に力を入れていました。ネット事業ではまだ全体の売上高に占める割合は小さいものの、着実に売上を伸ばしていました。

海外事業においても、アジア諸国に進出するとともに世界的な大手広告代理店と業務提携を行なっています。

大広が強みとするダイレクトマーケティングにおいても、博報堂との経営統合などをうまく活用することでこれからも大広の成長に期待ができそうです。

                     

ABOUTこの記事をかいた人

くんへい

広告代理店でインターン中。サッカーとトレーニングをこよなく愛しています。好きなサッカーチームはFCバルセロナ、好きなトレーニングメニューはウェイティッドディップスチェストバージョン。